『乙嫁語り』森薫さんが外務省サイトで漫画執筆、中央アジアの料理を紹介 コラボの経緯は
森薫さんの才能が国の外交にいかんなく発揮されている、ともいえるコラボ漫画。外務省に経緯を取材しました。
『乙嫁語り』で知られる漫画家・森薫さんが中央アジアの料理を紹介するショート漫画『中央アジアクッキング』を執筆し、外務省公式サイトで公開されました。8月31日に開催された「『中央アジア+日本』対話」第10回を記念した企画で、全7話が順次掲載されていきます。どのような経緯で漫画の公開に至ったのか、外務省に取材しました。
漫画では、カザフスタン、トルクメニスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの5カ国と日本をイメージした6人のキャラが、代表料理5品のレシピを交代で1つずつ紹介していきます。お祝いに欠かせない米料理「プロフ」や串焼き「シャシリク」が登場予定。キャラの民族衣装に刺しゅうやビーズが細かく描きこまれているのが森さんならでは。オールカラーと手が込んでおり、これが無料で読めるのはありがたいことです。
森さんと外務省の関わりは2014年から。中央アジアを舞台にした『乙嫁語り』が「マンガ大賞2014」で大賞を受賞したのをきっかけに、中央アジアとの地域協力を目指すシンポジウム「『中央アジア+日本』対話」のイメージキャラを製作してもらいました(関連記事)。そのキャラたちが今回の漫画にも登場しています。
2015年には安倍首相が中央アジア5カ国を訪問する際、政府専用機にキャラが描かれたり、中央アジア独立25周年のときはポストカードを作って配布したりと、双方の交流の場で活躍。シンポジウムが第10回を迎えた今年は、8月28日に外務省の国際会議室で『乙嫁語り』の原画展も開催されました。
森さんの魅力について、外務省欧州局中央アジアコーカサス室の兼盛玉輝さんは「個人的なファンでもあるのですが、『乙嫁語り』についてはストーリーがおもしろいのはもちろんのこと、絵の描き込みがすさまじいです。生原稿を見たときは私たちも驚くくらいの熱量があり、まさに原画展で見てもらうのにふさわしいものでした」と語ります。
イメージキャラクターの人気も定着しているらしく、今回の漫画はもっとキャラ1人1人に焦点をあてた作品を描いてもらえないか森さんに依頼しました。
「中央アジア5カ国、どこかのキャラだけを優遇することはできないので、平等かつそれぞれ国の個性が分かってもらえる内容にしようと話し合っています。森さんには本業の合間に執筆いただきありがたい限りです。丁寧な作画、しかもオールカラーという仕上がりに、ご本人の中央アジアへの思いをあらためて感じます」(兼盛さん)
第2話は近日公開予定。企画の一環で、中央アジア料理を日本でも手に入る材料で作れる方法を紹介する動画も外務省サイトで公開中。森さんの漫画で興味を持った人は、実際に作ってみるのも楽しいかもしれません。
第1話「はじめに」
(黒木貴啓)
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