「納豆菌が強すぎて、納豆厳禁の職場がある」「宇宙空間でも死なない」 ネットに広がる“納豆菌最強伝説”はどこまで本当?
にわかには信じられない話ばかりですが……?
ネット上で「納豆菌が強すぎて、食品業界では納豆の食用が禁止されていることがある」といううわさが話題になっています。さらには、生物界最強と名高い「クマムシ」よろしく驚異的な耐久性を持っており、過酷な環境でも死なないという話も。
この“納豆菌最強伝説”、いったいどこまで本当なのでしょうか。全国納豆協同組合連合会に取材してみました。
納豆菌が強すぎるから、食品業界では食用禁止にしている会社がある → 正解
同団体に話を伺ったところ、食品製造の現場で納豆がNGになっている事例は実在。Togetter上のまとめ記事ではしょうゆ工場、パン屋、さらには生物関係の研究室などで食用禁止になっていたというエピソードが語られていますが、「造り酒屋(酒蔵で醸造し、店舗で販売を行なう)では、納豆屋を出入り禁止にしている場合もある」そうです。
この理由のひとつとして挙げられているのは、繁殖力の強さ。納豆菌は他の菌よりも分裂が早く、約30分ごとに倍増し、16時間で1個から40億個にまで増えるといいます。また、生育、繁殖に向いている環境が広く、乳酸菌やイースト菌などの繁殖に悪影響を与えてしまう可能性が。実際、見学を受け付けている酒蔵の中には「納豆菌は清酒の造りに悪影響を及ぼします」「(見学当日の)朝食の納豆は、ご辛抱いただいております」と明記しているところもあります。
実はネット上では、もうひとつの“納豆菌最強伝説”も広まっています。納豆菌は「芽胞」という細胞構造に変化することで、煮沸されても生き残り、かなりのガンマ線量を浴びても死なないほどの耐久性を持ってしまうというのです。
この件についても、全国納豆協同組合連合会に伺い、真偽を確かめてみました。
100℃で煮沸しても死なない → 半分正解
熱にある程度の耐性があるのは事実。しかし、100℃で10分間煮沸するとだいぶ死んでしまうそうです。
人間の致死量の3000倍にあたるガンマ線量を照射されても死なない → 真偽不明
納豆菌がガンマ線で死ぬのは分かっているが、具体的な数値は不明とのこと。
納豆菌は栄養源が無くても、100万年以上生きられる → 真偽不明
可能性は否定できないものの、真偽は分からないとのこと。
真空にも耐えられる → 正解
納豆菌は凍結乾燥(真空状態)で保存可能。ただし、これは納豆菌以外にも当てはまるそうです。
宇宙空間でも生存する → もしかすると……?
研究が進んでいない領域のため断言はできないものの、納豆菌が地球外からやってきた可能性があるそうです。というのも、納豆菌には、地球のマントルに近いところに存在する無機物などに耐性があり、これは他の菌には見られない特徴だといいます。
地表に存在するだけであれば、このような性質を持っているのは不自然。そこから「はるか昔、地球に衝突した隕石に付着していた地球外生物かもしれない」と推測する人が出てきたのでは、とのこと。もし、科学的な根拠が得られれば、「納豆菌は宇宙空間でも生存する」という説の信ぴょう性が高まりますが……それは今後の研究成果を待たなければなりません。
強酸性の胃液への耐久性があり、生きて腸まで届く → 正解
納豆菌の大部分が、死なずに腸に到達すると考えられています。
取り上げた7つの“納豆菌最強伝説”のうち、3つは真実。残りも部分的に正しいか、真偽不明という結果になりました。繁殖力、耐久力の高いのは確かなのですが、うわさの内容がちょっと極端すぎて調査困難なようです。
なお、全国納豆協同組合連合会がWeb上で発信している情報によると、普通に食べ物としての能力の高さを考えても、にわかには信じがたいレベルの“納豆菌最強伝説”が存在するもよう。ちなみに、こちらはすべて本当。
- 納豆菌は胃液で死なない。それにより、一部の納豆菌は腸内で発酵し、善玉菌が繁殖しやすい環境を作ると推定されている
- 繁殖力の強さなどから、体内の病原菌の繁殖を抑える効果が期待できる
- O-157やチフス、赤痢、サルモネラ菌など広く効果を発揮する → でも、副作用がない
- あまりの性能の高さから、日本海軍の軍医長が「納豆の普及が現下の急務」(昭和17年)という本を刊行
- 元来は関東、東北地方特有の食べ物だったが、戦後、本当に全国的に普及 ← 今ここ
宇宙やら真空空間やらといった表現が登場しないため、やや地味ではありますが、十分すごいエピソードなのでは? 納豆菌の真の力量が発揮されるのは、宇宙でも真空空間でもなく、お腹の中なのかもしれません。
(マッハ・キショ松)
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