絶滅危惧種の植物「ガシャモク」、青森県で発見 国内の分布北限を大幅に更新
これまでは北関東での発見が国内の北限とされていました。
» 2017年10月19日 09時00分 公開
[沓澤真二,ねとらぼ]
環境省が定める「絶滅危惧IA類」に指定された植物「ガシャモク」が、青森県つがる市で発見されました。新潟大学・市民グループ津軽植物の会・弘前大学による合同チームの成果。これまで国内分布地域の北限とされていた場所(北関東の湖沼群)を、500キロ以上更新する新産地の発見となります。
ガシャモクはヒルムシロ科ヒルムシロ属の水生植物。古くは関東地方・琵琶湖・九州に分布し、特に関東では肥料に使われるほど多く生育していました。しかしここ100年間の水質汚濁により全国のほとんどで絶滅し、現存する自然集団は福岡県の一部のみとなっていました。
研究チームは、6月に青森県で行った野外調査で特徴的な切れ藻を発見。葉柄が非常に短く、葉脈が目立つ沈水葉を有していたことからガシャモクと同定しました。
ガシャモクなどヒルムシロ属の植物は、よく他種との雑種を形成することが知られています。そこで雑種でないことを明らかにするため、葉緑体や核DNAの塩基配列が千葉県産や福岡県産のものと一致することや、正常な花粉を持つことが確認されました。これらの成果について、研究チームは現在論文を投稿中とのことです。
(沓澤真二)
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