コラム
» 2017年10月30日 11時00分 公開

ミュージシャンの「メジャーデビュー」って何? インディーズとの違いは?

メジャーデビューのややこしい裏側。

[QuizKnock,ねとらぼ]

 近年、日本の音楽シーンは、CDなどのモノ消費から、ライブなどの体験を購入するコト消費へと移ってきた、などといわれています。CDが売れない時代になってしまいましたが、数多くのミュージシャンたちがメジャーデビューを目指して奮闘していることは今も変わりません。

 ……と、ここでふと疑問が。「メジャーデビュー」は、何をもって「メジャー」といわれているのでしょうか。

 実はややこしいことに、「メジャーデビュー」「メジャーレコード会社」のメジャーは同じではないんですよ。

メジャーレコード会社所属ではないけど、インディーズでもないMr.Children

 よく耳にする「メジャーレコード会社」の定義は、日本ではかなり簡単なものになっています。

 日本のレコード業界を取り仕切る「日本レコード協会」という団体があり、この協会に正会員として参加している会社が、一般に「メジャーレコード会社」と呼ばれています。具体的にはソニー・ミュージック、ユニバーサル、JVCケンウッド、エイベックス、ビーイング、ランティスなど全18社。

 それに対し、正会員でないレコード会社が「インディーズ」と呼ばれている……というわけでもないのです。例えば、Mr.ChildrenやBUMP OF CHICKENが所属しているトイズファクトリーは、日本レコード協会の正会員ではなく賛助会員。ですが、トイズファクトリーは一般的に「インディーズレーベル」と呼ばれません。

 正会員であるメジャー会社との関係をまったく持たないレコード会社は、インディーズといわれます。しかし、トイズファクトリーは正会員であるバップから独立して誕生したという背景があり、白黒つけがたい状態になっているのです。

「メジャーレコード会社からCDを出すこと」と「メジャーデビュー」の違い

 「メジャー」といえばもう1つ、「メジャーデビュー」という表現をよく耳にします。

 しかし、この言葉の定義もまたややこしく、「メジャーレコード会社からCDを出すこと」とイコールではないのです。

 日本レコード協会は、可能な限り全てのレコード(正確には「録音」という行為)に対し、ISRC(国際標準レコーディングコード)という番号を振っています。この番号により、レコーディングが識別管理され、権利取り扱い上で便利になるという仕組みです。

 この番号が振られた音源が流通することを「メジャー流通」と呼びます。そして、一般に使われる「メジャーデビュー」とは、このメジャー流通した音源を出すことを指しているのです。

 一方、ライブ会場で手売りされる自主制作盤などはメジャー流通に入りません。インディーズレーベルがこの音源をサポートし、ISRCが振られない形で販売された場合は「インディーズデビュー」とすることがあります。

 先ほどの例でいえば、Mr.Childrenはどの文献でも「1992年にミニアルバム『Everything』でメジャーデビュー」とされています。これは、『Everything』にISRCコードが振られて流通したことをもって「メジャーデビュー」としているのです。

 長らく日本レコード協会に加盟していなかったトイズファクトリーですが、CDの流通に関しては日本レコード協会の正会員を務めるバップに委託していました。この販売経路を通すことでISRCコードがレコードに振られるため、メジャーレーベルとはいえない環境にいながらも、Mr.Childrenはメジャーデビューを果たしたのです。

文脈による読み替えが行われている

 ここまでの話を総合すると、次のようになります。

  • 「メジャーデビュー」という言葉は、メジャー流通がされたことをもって使われるケースが多い
  • 「インディーズ」は、レコード会社がインディーズであることを指すことが多い
  • レコード会社がインディーズかどうかの線引きは難しいが、日本レコード協会の正会員や賛助会員ではない会社はインディーズだといえる

 なにやらごちゃごちゃしていますが、要するに「メジャーと名乗るか、インディーズと名乗るかには、ある程度曖昧な部分がある」ということです。

 レコード会社の「メジャー/インディーズ」と、デビューにおける「メジャー/インディーズ」との間で微妙な差異があるため、このような分かりづらい状態になっているのです。

ちなみに海外では……

 海外では、日本とは定義が異なってきます。

 一般に海外ではユニバーサル、SME、ワーナーの3社およびその下部レーベルをメジャー、それ以外全てをインディーズと呼びます。 

 メジャーデビューという単語は日本独自の使い回しでもあるため比較はできませんが、海外の方が言い方として分かりやすいのは確かなようです。

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