新潟県って何地方? 県・市・NHK・市民に見解を聞いてみた(1/3 ページ)

東北、関東、甲信越、関東甲信越、北陸、北信越、中部、信越、上信越など、さまざまな地域に分類されている。

» 2018年01月02日 11時00分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 突然ですが「新潟県って何地方ですか?」と聞かれたら、あなたはなんと答えますか。東北、関東、甲信越、関東甲信越、北陸、北信越、中部、信越、上信越など、さまざまな地域に分類され、新潟県民でさえ答えに悩むというこの難題に決着をつけるべく、新潟市、新潟県、NHK新潟放送局を取材しました。

photo 新潟 新潟市 地方

 きっかけは、2017年8月に掲載した「アニメ『ジョーカー・ゲーム』関東再放送のメインスポンサーが新潟市!? ガチオタ副市長とProduction I.Gが史上初の取り組み」という記事。TVアニメに行政がCMを流すという史上初の取り組みを紹介したものですが、その際「新潟県は何地方なのか」を巡って編集部内で意見が真っ向から対立しました。

 そこで「こうなったら新潟に行って、新潟県が何地方なのか白黒つけてきます!」と、2階建て新幹線「Maxとき」に揺られること約2時間。新潟駅に着きました!

photo さらば東京
photo Maxときカッコイイ……!
photo 雪降る新潟に着いた

 そこから車で15分程度の場所にあるのが今回の取材の本丸、新潟市役所です。道すがらタクシーの運転手さんに「新潟って何地方ですかね」と聞いてみたところ、「地方? まぁいろいろ言われるけど、『新潟は新潟』だと思ってますよ」とまさかの回答。さらに謎が深まったところで到着となりました。

photo 新潟市役所
photo エントランスにはNGT48のサインが飾られている

新潟市に聞いてみた

 応対してくれたのは新潟市地域・魅力創造部広報戦略課の鈴木稔直課長と前回の記事でも取材に協力してくれた木村勇一副市長です。

photo 新潟市の木村勇一副市長。忙しい公務の合間を縫って時間を作ってくださいました

――早速ですが、新潟って何地方なのでしょうか……!

木村副市長地方ですか……!? 恐らく県民の皆さんのなかでも、意見が分かれると思います。分類や定義は難しいのですが、個人的には大きなくくりとして「関東甲信越」にあたると思います。これをベースに「甲信」「信越」「北信越」というように切ったりくっつけたりする言い方が多いのですが、新潟はいろいろな地域とくっつけやすい県であり、どの地方と呼ばれてもそんなに生活に支障はないんですよね。

――なぜくっつけやすいのでしょうか。

木村副市長新潟は県域が広く特に海岸線が長いのが特徴で、さまざまな県や地域と隣接しているからです。例えば糸魚川市は富山県と、上越市は長野県と隣接していてそれぞれ生活の結び付きが強いため、同じ新潟県内でも私たち新潟市民とは生活習慣が違ったりします。また国の出先機関やライフラインによってもいろいろな地域に分類されています。例えば電気は東北電力ですし、都市ガスでは新潟県内に北陸ガスといった名前の会社もあります。

鈴木課長その他にも気象庁の区分では北陸、国土8地方区分では中部に分類されているほか、国土交通省のなかでも運輸局は北陸信越運輸局で、整備局は北陸地方整備局が担当の局になっています。

対象 管轄・区分 所属する県
総務省総合通信局 信越総合通信局 新潟・長野
厚生労働省地方厚生局 関東信越厚生局 新潟・東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉・神奈川・山梨・長野
国土交通省地方運輸局 北陸信越運輸局 新潟・長野・富山・石川
農林水産省森林管理局 関東森林管理局 新潟・福島・東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉・神奈川・山梨・静岡
経済産業省経済産業局 関東経済産業局 新潟・東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉・神奈川・山梨・静岡・長野
環境省地方環境事務所 関東地方環境事務所 新潟・東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉・神奈川・山梨・静岡
法務省法務局 東京法務局 新潟・東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉・神奈川・山梨・静岡・長野
農林水産省地方農政局 北陸農政局 新潟・富山・石川・福井
国土交通省地方整備局 北陸地方整備局 新潟・富山・石川
気象庁 北陸 新潟・富山・石川・福井
※NHK 天気予報 関東甲信越 新潟・東京・群馬・栃木・茨城・埼玉・千葉・神奈川・山梨・長野
国土8地方区分 中部 新潟・愛知・岐阜・静岡・山梨・長野・福井・石川・富山
知事会 北海道・東北知事会議 新潟・北海道・青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島
三県知事会 新潟・山形・福島
五県知事会 新潟・群馬・栃木・茨城・福島
上信越知事会 新潟・長野・群馬

photo 表にしてみるとこんな感じ

――こんなに細かく分類がされていたとは……! 衝撃的です。

木村副市長国の出先機関の区分について、ここまで統一感がないのは新潟ならではと思います。ご覧いただいたように、新潟が北陸に分類されているケースは少なくないのですが、電気(商用電力)に関しては、新潟県の糸魚川と静岡県の富士川を境に東日本50Hz、西日本60Hzになっており、糸魚川市では混在地域があります。また新潟・富山間の鉄道でも電力(き電)に境目があって、糸魚川駅付近でいったん列車内の電気が消えるんですよ。新潟側の1500ボルト直流から富山側の2万ボルト60Hz交流へと、走行中に切り替えが行われるんですね。北陸本線と信越本線の運転区間の境目ですから、北陸と信越という一種の地域区分を感じる瞬間でもあります。

鈴木課長糸魚川あるあるですね。

photo 出先機関などについてめちゃくちゃ調べてくれた広報戦略課

――ちなみにオフィシャルでは「新潟県は何地方」と紹介しているのでしょうか。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/31/news019.jpg “部屋が汚すぎて”彼氏に振られた女性→1人孤独に片付けを続け、600日後…… まさかの光景に「感動しました」
  2. /nl/articles/2501/29/news009.jpg 高校生のときに出会った“同級生カップル”→「親に頼らん!」と必死に貯金して…… 19年後、現在の姿に反響
  3. /nl/articles/2502/01/news088.jpg 「痩せた」 大谷翔平、“最新ショット”に驚きの声 “寝ぐせ”にツッコミも……「うわ凄い絞ってる」
  4. /nl/articles/2501/28/news188.jpg 「やられたな」 ベトナムで「FUJITSU」だと思って購入した家電→“衝撃の正体”に思わず戦慄
  5. /nl/articles/2502/01/news039.jpg 生え際後退で老けて見える25歳男性、プロが大胆カットしたら…… 「不可能を可能にした」「35歳から15歳に」大変身が740万再生【海外】
  6. /nl/articles/2501/30/news026.jpg 普通の折り紙1枚を、パタパタ折っていくと…… プレゼントにぴったりな美しいアイテム完成に「すげぇつくりたい」「かわいい」
  7. /nl/articles/2501/31/news041.jpg 水道検針員から直筆の手紙、確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生→大反響から1年たった“現在の様子”を聞いた
  8. /nl/articles/2502/01/news008.jpg 【ハギレ活用】「もう最高……」 着物のハギレをリメイク→わずか30分で“すてきなアイテム”が完成! 「私にもできそう」
  9. /nl/articles/2502/01/news047.jpg 【編み物】彼氏のために、緑と黄緑の毛糸を正方形に編んでつなげると…… 圧巻のおしゃれな大作完成に「息をのむほどすばらしいよ」
  10. /nl/articles/2501/31/news215.jpg 「こういうの大好き」 ユニクロ“3990円パジャマ”が発売前から話題騒然 「最高」「シンプルで良い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議