唯一無二の和風RPG「俺の屍を越えてゆけ」を3倍楽しくプレイする方法:芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」(1/2 ページ)
「子供たちよ… 俺の屍を 越えてゆけッ」
テレビ東京系「勇者ああああ」をきっかけにブレイクを果たしたガチゲーマー芸人・ヤマグチクエスト氏がゲームに関するアレコレを紹介する“芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」”。連載第1回で取り上げるのは、ヤマグチクエスト氏が敬愛してやまないゲームデザイナー桝田省治氏の代表作「俺の屍を越えてゆけ」です。斬新なゲーム性で今なおファンの多い作品ですが、今回は「俺の屍を越えてゆけ」を3倍楽しめるようになるプレイ方法について語ってもらいました。
世代交代が一貫したテーマとなっている同作ですが、ヤマグチクエスト氏はこの“3倍楽しめる方法”によってプレイ中に感極まって涙し、母親に「ありがとう」と泣きながら伝えたそうです。母親には「はぁ?」と返されたようですが。また、「いじめっ子の名前をつけたキャラはみんなの盾にして見た目がやばいやつとの子供を作らせる」とも語るなど、「勇者ああああ」の初登場時にMCから「ゲームの知識はすごいけど嫌な奴」と言わしめた人間性も、若干ではありますが見せています(あくまでもいい意味で)。
ガチゲーマーには周知のタイトルですが、これを見れば未プレイの人はもちろん、既プレイの人でもまた新たな楽しみ方が発見できるかもしれません。なお、ヤマグチクエスト氏は同作を5周するほどの「俺屍フリーク」らしい。
ヤマグチクエスト(@yamaquest)
プロダクション人力舎所属のお笑い芸人。「ボスマジック」というコンビを組んでいたが2017年3月からピン芸人に。テレビ東京系「勇者ああああ」のプレゼン企画に登場し、巧みなプレゼンとゲーマーをうならせるソフト選びで支持を集めプチブレイク。現在ではテレビ・ネットのゲームプレゼン企画やeスポーツの解説など多方面で活躍している。「芸人の中でポケモンが一番強い・詳しい」と豪語するポケモントレーナーでもあり、カブトプスの厳選で28時間ぶっ通しプレイしたこともある(関連記事)。
これを知れば3倍面白くなるヤマクエ的「俺屍」のススメ
皆さまは「俺の屍を越えてゆけ」(以下、「俺屍」)というゲームをご存じでしょうか?
「俺屍」は1999年にプレイステーション用ソフトとして発売され、その斬新なゲームデザインや深すぎるストーリーなどが口コミで広がって徐々に売り上げを伸ばし、約20年近くたった今でも愛され続ける名作です。
そして私ヤマグチクエストが敬愛してやまないゲームデザイナー桝田省治が手掛けた唯一無二の和風RPGであり、文字通りの「神ゲー」です。普通にプレイしても十分に楽しめる「俺屍」ですが、今回はより楽しめる、数字で言えばちょうど3倍、ジャスト3倍(※)楽しめるようになる私なりの「俺屍のススメ」を紹介します。
※ヤマグチクエスト調べ
「俺屍」はどんなゲームなのか
舞台は、平安時代の京都。この京に「朱点童子」という鬼が現れ、街を荒らし回っていました。朱点童子を討つべく多くの兵が討伐へ向かうものの、道中の鬼たちにすら敵わず敗れ去っていくだけ。そんな中で1組の夫婦「源太」と「お輪」が朱点童子のもとにたどり着きます。
しかし、源太はワナにかかり殺され、お輪は我が子を人質に取られ、手を出せなくなってしまいました。そして、お輪は“自分はどうなっても良いから子どもには手を出さないでほしい”と懇願し朱点童子はそれを承諾しますが、このときに朱点童子は子どもとその子孫に対し、人間同士の子どもを授かれないようにする「種絶の呪い」と、1年半から2年ほどで寿命を迎えてしまう「短命の呪い」という2つの呪いをかけます。
一部始終を見ていた神々はこの子を憐れみ、子孫を残せないこの子と「交神」することで神様との子を授かれるようにします。そして、交神を繰り返していくことで次の世代へとバトンをつなぎ、一族で復讐することを目指す――これが「俺屍」のストーリーです。
王道のRPGとは大きく異るストーリーですが、この物語の導入を見ただけでも、ゲームデザイナー・桝田省治という人間が、代表作の1つである「天外魔境」を作っていたころに感じていた「王道を作り続けることのストレス」から、「唯一無二」を作ろうとしているかが垣間見えるかと思います。
「俺屍」唯一無二の魅力
「俺屍」を唯一無二のゲームにした大きな要因の1つが、「人の死」を何度も繰り返すことで「死」について嫌でも考えさせられるゲームシステム。通常のRPGであれば、どれだけ戦闘中に大ダメージを受け、何度HPがゼロになってもキャラクターをロストすることは(一部の例外はあるものの)ありませんが、「俺屍」には他のRPGでは存在しない「健康度」というパラメータがあり、これがキャラクターの寿命と直結します。そして、死亡したキャラクターは二度と復活することはありません。
この健康度チェックをする度に「よかった、また来月も生きてる」と思えたり、「ついに来たか……」と悲しんだり、死を意識することで自分が生きていられることの喜びや覚悟を感じられるのです。少し宗教じみていますが、常に死を意識させるゲーム性によってプレイヤーの人生観を大きく揺さぶるのです。
では、「俺屍」の概要を説明したところで、ようやく「3倍面白くなるヤマクエ的『俺屍』のススメ」の本題といきましょう。
その1「一族の名前は知人の名を付けるべし」
「俺屍」では、交神して生まれてくる子どもには好きな名前をつけることができますが、父親や母親、兄弟やいとこの名前を付けることをオススメします。そうすることで、例えば両親の能力を越えたときに、「ああ、あんなに強かった父さん母さんの背中が、今はこんなに小さく見えるよ……」とノスタルジーに浸りながら死を乗り越えることになり、なんだったら朱点童子討伐の暁には親孝行も同時に達成できます。ゲーム内の話ではありますが。
また、逆に嫌いな人間の名前を付けるとそれはそれで楽しく、人間的にも成長できるのでオススメです。
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