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» 2017年11月11日 14時00分 公開

「ゲームやってない奴って話がつまんなくないですか?」 ガチゲーマー芸人「ヤマグチクエスト」のゲームへの異常な愛情(1/4 ページ)

芸人で1番ポケモンが強い、らしい。

[イッコウねとらぼ]

 「ヤマグチクエスト」という芸人をご存じだろうか。


ヤマグチクエスト この人が「ヤマグチクエスト」(@yamaquest)

 テレビ東京で毎週木曜深夜1時35分から放送されているゲーム番組「勇者ああああ」。彼は、その中の「ゲーマーの異常な愛情」というプレゼンコーナーをきっかけに、徐々に人気を集めはじめたまだまだ無名の、しかしゲーマーにとって無視できない存在になりつつある若手芸人だ。

 彼はプロダクション人力舎に所属する芸歴5年目の27歳。もともとは友人とコンビを組んで漫才を続けていたが、その相方は今年の3月に芸人を辞め、やむなくピンで芸人を続けることになったという。飛躍のきっかけとなった同番組での初登場は5月末ごろで、最初にプレゼンしたのは「リンダキューブアゲイン」。彼はその後も度々同コーナーに出演しており、これまでにプレゼンしてきたゲームソフトは「俺の屍を越えてゆけ」「moon」「ワンダと巨像」「428 〜封鎖された渋谷で〜」「ボクと魔王」など。やりこみを感じさせる豊富な知識とガチゲーマーも納得のソフト選び、そしてゲーム好き以外にも伝わる巧みなプレゼンはSNSで評価され、今では「実況パワフルプロ野球」の解説や、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの公式ニコニコ生放送など、活躍の場を広げている。


ヤマグチクエスト ひとり暮らしの部屋に置いているというゲームハード

 本人の知名度はまだそれほど高くはないが、彼がプレゼンしたソフトは放送直後に中古相場が高騰するなど、ゲームファンへの影響力は確実に大きくなりつつある。いじめられっ子で鬱屈した少年時代を過ごし、「カブトプスの厳選で28時間ぶっ続けでポケモンをプレイしたことがある」というガチゲーマー芸人・ヤマグチクエストは、どうやってゲーム好きとなり、人気を集めるに至ったのか。そのバックボーンを探ってみた。


“にわか”を淘汰したら良くない

―― 年齢はおいくつなんですか?

ヤマグチクエスト(以下、ヤマグチ): 今年28歳で、芸歴が5年目です。ゲームを初めてやったのは幼稚園のころで、父親とやったスーファミの「ストリートファイター2ターボ」でした。

―― そもそも、どんなゲームが好きなんです?

ヤマグチ: 普通は負けると反骨心で「絶対次勝ってやる!」みたいになると思うんですけど、僕は父親に勝てなさすぎて全然そうならなくて。ゲームの実力とは全然関係ないのをやろうと思ってRPGばっかりやってます。

 アクションも全然やってなくて、ゴエモンとかも全然できないです。ロックマンもめちゃくちゃ苦労してプレイしてました。「時のオカリナ」はほとんど友達にやってもらってて、ガノンドロフ(時のオカリナのラスボス)は自分で倒したことないですね。そのぐらいアクションは下手です。


ヤマグチクエスト

―― これまでプレゼンしてきたゲームはゲーマーなら誰もが知ってるタイトルですが、ベタすぎない絶妙なところですよね。

ヤマグチ: 僕、にわかを淘汰したら良くないと思うんですよ。ゲーマーの人ってにわかを叩きたがるイメージがあるんですけど、そういうのは良くないですよね。「ゲームは好きだけど、知識が無いからゲーム好きって表立って言えない」みたいな人が、ゲーム好きって堂々と言えるようになるようなラインを狙ってます。(プレゼンしてるソフトは)めちゃくちゃ通な人から見たら「知ってて当たり前だろ」と言われるかもしれませんが、それでいいんです。ガチゲーマーの「当たり前」とライトな人の「何このゲーム」の間を攻めた感じです。

 あと、“ゲーム好き芸人”って呼ばれるような人たちって、ほとんどファミコン時代の話をするじゃないですか。僕は世代じゃないから分かんないんですよ。でも、どんどん時代が進んで新陳代謝していってるのに、“あの懐かしのゲーム”がファミコンのままってのは時代錯誤だなと思ってます。特集されるゲームだって、少しずつ時代が進んでいいのに。僕が紹介するようなゲームって20年くらい前のプレイステーションやプレイステーション2のゲームなんですけど、そのぐらいの世代のゲームを紹介したいなっていう思いもあったんですよね。

―― 今までで一番好きなゲームはなんですか?

ヤマグチ: ファミ通さんには、「(最初にプレゼンしたゲームの)リンダキューブアゲインです」って言ったんですよ(笑)。世間体を考えて“リンダキューブアゲインって言っておかないとダメなんだろうな”って(笑)。でも、1番好きなのは……ポケモンですかね。青春でした。初代を小学1年生からやってて、今もずっと好きです。

―― では好きなゲームのキャラクターは?

ヤマグチ: ……これは完全に「リンダキューブアゲイン」のリンダですね、ぶっちぎりで。高山みなみさんの声と、積極的な性格で強い女性としてコミカルに描かれているところと、主人公に頼ってくる女性らしい部分のバランスがめちゃくちゃちょうどいいんですよ。結婚はしたくないですけど。


ヤマグチクエスト 番組で最初にプレゼンした「リンダキューブアゲイン」(画像はPlayStation Storeより)

―― ゲーム廃人っぽいエピソードはあったりします?

ヤマグチ: ポケモンのソウルシルバー・ハートゴールド世代で「雨パ」(※)で「カブトプス」を使いたいと思っていて、今でこそ5Vや6V(※)は比較的簡単に出せるんですけど、昔は本当に大変で2Vくらいが限界なんですよ。「カブトプス」の理想個体を出そうとして、厳選で28時間ぶっ通しでプレイしてました。「4時間たったな」と思ったら日付変わってたんです。それで4Vでしたね。トイレに行った記憶も無いですしご飯も食べてなかったです。

※ 雨パ:ポケットモンスターの中で天候の「あめ」状態を生かしたパーティのこと。
※ 6V:個体ごとに異なるポケモンの6つのステータスが全て最高値であることを表す。例えば2つが最高値であれば2V、3つなら3Vと表記する。

 当時の雨パの物理型のエースはほとんどカブトプス一択で、特性の「すいすい」で素早さが上がって、攻撃力が高くて、みずポケモンの中でいわタイプを持っててタイプ一致のストーンエッジが撃てるって結構な利点だったんですよ。「きあいのたすき」を持たせれば耐久の低さもカバーできるんで、当時の雨パの中では人気株でしたね。……これ記事になります?


―― なります。


ヤマグチクエスト カブトプス(画像はポケモンずかんより)


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