東洋大学「現代学生百人一首」入選作発表 世界情勢やAIなど世相反映した作品多数、SNSやゲームを詠む歌も

「覚えてる 偉人は全て ゲーム内 個性が強くて 面白いキャラ」――わかる。

» 2018年01月16日 07時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 東洋大学主催の短歌コンクール、第31回「現代学生百人一首」の入選作品が発表されました。「現代学生のものの見方・生活感覚」をテーマに、全国の学生から寄せられた4万9259首の短歌から100首が選出(小学生部門は別枠で10首)。例えば藤井聡太四段の活躍を詠んだ「十五才 記録ぬりかえ 一番に どこまで伸びる 将棋の力」のように、世相を反映した歌が集まっています。


チラシ 2017年9月から10月にかけて募集されていました

 同学が1987年に創立100周年を迎えた際、「百」にちなんだ記念行事の1つとして始めた事業。時事・社会問題を詠んだ歌としては、18歳選挙権にちなんだ「マニフェスト 所属政策 どれもみな 信用できずに ポスターにらむ」や、世界情勢にまつわる「さわやかな 鳥の声より トランプの ツイート気になる アラートの朝」といった作品が選定されています。

マニフェスト 所属政策 どれもみな 信用できずに ポスターにらむ

ミサイルが 日本を通過 しましたと 今日の私の モーニングコール

さわやかな 鳥の声より トランプの ツイート気になる アラートの朝

第31回東洋大学「現代学生百人一首」入選作品より引用・抜粋)


 「無愛想 ラインと電話で キャラ違う 口から出ないラインスタンプ」など、携帯電話やSNSがテーマの作品も少なくありません。ただ、「いつまでも 手から離れぬ スマートフォン どんどん時間を 吸い取っていく」のように、スマートフォンに生活を支配されているような不安を伝える歌もあり、便利さを手放しで受け入れているわけでもないようです。

無愛想 ラインと電話で キャラ違う 口から出ないラインスタンプ

いつまでも 手から離れぬ スマートフォン どんどん時間を 吸い取っていく

この時代 生きた心地が しないのだ なにをするにも 指先ひとつ

第31回東洋大学「現代学生百人一首」入選作品より引用・抜粋)


 進路や将来については「機械化で 消えてなくなる 仕事知り 将来の夢 決められずいる」のように、AIの進歩から来る不安を詠んだ歌が見られます。その一方で「微生物 培養したら 可愛くて 愛着がわく 農業ガール」など、農業高校や水産高校、工業高校の生徒からは前向きでさわやかな作品が寄せられています。

知能増え 機能も増えた 機械達 人の個性は 絶滅危惧種

機械化で 消えてなくなる 仕事知り 将来の夢 決められずいる

微生物 培養したら 可愛くて 愛着がわく 農業ガール

水高生 鮪も鰹も さばけます 自信あふれる 就職試験

第31回東洋大学「現代学生百人一首」入選作品より引用・抜粋)


 では最後に、ねとらぼ編集部の琴線に触れた作品を紹介しましょう。「ツイッター たった一言 炎上し その後の自分 消えてしまった」「いとをかし 平成女子は インスタに ほうじ茶 キャラメルフラペチーノ」「覚えてる 偉人は全て ゲーム内 個性が強くて 面白いキャラ」――切実だったり楽しそうだったり、FGOのやりすぎに注意と声をかけたくなったりする3首です。ほかにもユニークな短歌がそろっているので、ぜひ公式サイトのチェックを。


ねとらぼチョイス ねとらぼ編集部にハマった3首


(沓澤真二)


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