「耳すま」のお父さんが語りかける「ドット絵あるある」の世界 Twitterで画質劣化させないための画像投稿術

ドット絵あるある

» 2018年03月19日 21時00分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 限られた色数で温かみのあるイラストを表現するドット絵。そのドット絵をうっかりJPG形式でTwitterに投稿すると、せっかくの色味が損なわれてしまうという「ドット絵職人あるある」を表現した投稿が話題になっています。

 ジブリ作品「耳をすませば」のワンシーンをドット絵で再現した銀親(@ginoyahutaushi)さん。投稿時に「雫、そのドット絵ってのは、JPGで保存してはいけないほど繊細なのかい?」という作中セリフのパロディ文を添えて、一見同じのドット絵画像を投稿しました。投稿された画像は2枚。

 その2枚を見比べてみると、1枚目の画像はきれいな発色なのに対し、2枚目は画質が劣化していてところどころ色がくすんで見え、せっかくのドット絵が魅力半減となっています。これこそがドッター殺しとなる、「JPG投稿」という罠。

ドット絵あるある こちらがきれいなほう
ドット絵あるある 画像が荒くなっている方。拡大するとよく分かる

 あまり知られていませんが、実はTwitterでは投稿した画像はそのままの状態で表示されるわけではありません。Twitter側ではサーバへの負荷を軽減するため、自動的に画像を圧縮する(劣化させる)工程があります。通常の写真であれば多少圧縮されても画質の劣化は気になりにくいですが、ドット絵の場合は違いが顕著に出てしまい、表現が台無しになりやすいのです。

 これはドッター(ドット絵を描く人)の間では広く認知されている現象のようで、このような「ドット絵あるある」を定期ツイートする“JPEGで保存されたドット絵bot(@jpeghozondotbot)”なるアカウントまで存在するほど。


 そんなTwitterの仕様をかいくぐり、ドット絵をきれいなまま掲載する裏技というのが、PNGでの投稿。単にPNGで投稿しただけでは、やはり自動的に圧縮されてしまうのですが、1カ所でも透過情報(アルファチャンネル)が含まれていると、Twitter側では圧縮をせず、元画像のまま載せることが可能になります(※それでも容量は最大数MBまでという制限はあります)。

 銀親さんが投稿したきれいな方の画像をよく見ると、確かに外周1ピクセル分だけ透明な部分が確認できます。

ドット絵あるある よく見るとイラストの外枠が1ピクセル分透過になっている

「PCエンジンDuo」というのはそんなに高性能なものなのかい?

 ちなみに、冒頭でも触れた「耳をすませば」のセリフは、受験勉強をよそに突然物語の執筆に没頭するようになった主人公・雫に対して父親が言ったもの。「今、雫がやっていることは、勉強よりも大切なことなのか?」と問いかける父親の言葉は、少し改変するだけでシュールな空間を演出できるため、最近Twitterで流行していたネタでした。

 画像内の父親のセリフは「雫。PCエンジンDuoというのはそんなに高性能なものなのかい?」というもの。「PCエンジンDuo」とは1991年にNECホームエレクトロニクスから発売されたゲーム機のことで、1987年に発売された「PCエンジン」のアップグレード版。本来周辺機器と組み合わせなければ遊ぶことができない、高性能(当時としては)なソフトがそのまま遊べる代わりに、本体価格が約6万円となかなか高価でした。

 ドット絵の父親のセリフは、雫がPCエンジンDuoの購入をねだったことを受けてのことなのか。はたまたお父さんがPCエンジンDuoを買いたくなり、ゲームに詳しい雫に助言を求めているのか。なかなか想像力をかき立てられるシチュエーションです。

 Twitter上ではこの投稿を見て、「ドット絵のJPGは避けたいな…」「(画質が)コンポーネントとコンポジットくらいの差がある!」「PCエンジンDUOはいい機種だった( ˇωˇ )」といったコメントが寄せられていました。

画像提供:銀親(@ginoyahutaushi)さん



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