電車の「上り」「下り」はどう決まる?

僻地とか山手線ではどうなる?

» 2018年04月25日 11時00分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 ニュースなどでは、高速道路や新幹線の「上り」「下り」という用語をよく見かけますね。「上京」とも言いますし、東京に向かうのが「上り」になることが多いです。

 でも、ほかの路線では、東京とつながっていないこともあります。実際のところ、「上り」「下り」の表現はどのように決まっているのでしょうか。



起点と終点

 道路も鉄道も、全てに起点と終点が決められています。例えば、東海道新幹線の起点は東京駅、終点は新大阪駅ですね。

 そして、起点から終点へ向かうのを「下り」、終点から起点へ向かうのを「上り」と呼ぶことになっています。結果だけ見ると東京に向かうのが上りになっているだけであって、東京が首都で大都市だから上りなのではありません。

 この「起点」と「終点」は、鉄道や道路を河川のようにイメージすれば分かりやすいかもしれません。川は、高いところを起点として、終点の河口へ向かって下っていくものです。また、終点の河口から起点の高所へ向かうことを「上る」といいますね。


起点と終点はどう決まるのか

 「起点→終点が下り」と分かったところで、「では、起点と終点はどうやって決めているのか」と疑問に思った方もいるかもしれません。起点・終点の決め方は路線を管轄する団体によって異なります。

 JRでは、原則として「東京駅に近い方が起点」とするのが国鉄時代の慣例であったようです。現在も一部の例外を除き、ほとんどの路線は東京駅に近い端を起点、遠い端を終点としています。

 道路については、かつては全ての国道は東京・日本橋を起点とし、「東京市より○○府○○に達する路線」といったように表されました。しかし、戦後の1952年に道路法が改正されると、このような定め方がなくなりました。

 現在の国道では、重要な都市や港湾、飛行場などを起点に定め、この基準でもどちらの端を起点にすべきか微妙なときに、「東京に近い方」や「東にある方」といった小原則を適用しているようです。


しかし、例外も多い……

 いろいろと説明してきましたが、やはり例外もあります。

 例えば、東京をぐるりと回るJR山手線起点は品川駅、終点は田端駅と決められているのですが、実際には環状運転をしています。田端〜品川間は、「田端〜東京は東北本線に、東京〜品川は東海道線に乗り入れている」という扱いになっています。



 この環状運転の点から「上り」「下り」という言い方はとても分かりにくく、「外回り」「内回り」という言葉を使っています。また、実際の運行において始発駅・終着駅は大崎駅になっていて、田端・品川という両端の設定は、そこで東北本線や東海道線と分岐することを示す程度です。

 またJR中央本線も、路線全体としては起点は東京駅、終点は名古屋駅と決められています。しかし、実際には、「東京→塩尻」を下りとする東側と、「名古屋→塩尻」を下りとする西側に分けられ、上りと下りが逆になっています。



 西側を管轄するJR東海の時刻表を見ても、名古屋行きの列車が「上り」、名古屋発の列車が「下り」という扱いになっています。これは、名古屋が始発駅のような運行上の役割を果たしていることや、塩尻よりも大都市であること等によると考えられます。

 ほかにも、東京メトロの路線など起点・終点を持ちながら「上り」「下り」という語を使用していない例もありますが、原則は説明してきた通りです。

 もっとも、ふだんは「○○方面」で済む話ではありますが……。それでも、たまには乗る路線の起点・終点を調べてみるだけでも、意外な土地まで延びていたりして新たなロマンを感じられるかもしれませんよ。

制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/17/news061.jpg ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  2. /nl/articles/2502/18/news140.jpg 職場で21歳上の女性上司に“一目ぼれ”→猛アタックして交際&年齢差を乗り越え結婚 夫妻が波乱語る
  3. /nl/articles/2502/18/news090.jpg 伊勢丹で販売の高級バレンタインチョコに「カビによる汚染」発覚…… 回収・返金へ
  4. /nl/articles/2502/18/news092.jpg 「悲しみに暮れてる」 サイゼリヤがメニュー改定→“定番商品”消滅にショック広がる 「大好きだったのに」
  5. /nl/articles/2502/18/news011.jpg そうはならんやろ! あどけない女の子が約45年後には…… “とんでもないギャップ”に爆笑 「立派に育ってw」
  6. /nl/articles/2502/11/news012.jpg 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  7. /nl/articles/2502/18/news005.jpg 咳き込んでいたら、愛犬が寄ってきて…… ぽとりと置いたぬいぐるみに「なんて優しい子」と大反響 1年後の現在、飼い主に話を聞いた
  8. /nl/articles/2502/18/news151.jpg 父は時任三郎、母は元モデルの“33歳俳優”が「ダンディー」と話題 海外生まれで大卒後に俳優として活躍中
  9. /nl/articles/2502/18/news014.jpg 不要になったペットボトルに種をまき、3カ月育てたら…… 驚きの成果に「すごっ!」「素晴らしいアイディア」
  10. /nl/articles/2502/18/news047.jpg 母が7歳娘のために“ほぼ100均コーデ”を手作りしたら…… 信じられないクオリティーに驚き「マジすごい」「おしゃれすぎ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  4. 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ〜!!」
  5. “この子はきっと中型犬サイズ”と思っていたら……たった半年後とんでもない姿に 「笑わせてもらいました」
  6. 年の差21歳で「夫は娘の同級生」 “両親大激怒”で結婚は猛反発されるも……“まさかの行動”で説得
  7. 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
  8. サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 「さすがに無神経な内容」 “暴言受けた”伊藤友里が降板発表→岡田紗佳の直後の投稿に批判の声 Mリーガーも反応
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議