「君の名は。」から「東方Project」まで 合唱で歌えるアニメ・ゲームソングをまとめた同人誌が実にマニアック司書メイドの同人誌レビューノート

そんなアニメ・ゲームソングを歌うサブカル合唱団もいるんです。

» 2018年04月29日 12時00分 公開
[シャッツキステねとらぼ]
シャッツキステ

 先日、図書館の中で「春ですね」「新学期ですねぇ……」「そういえば、女学生さんって、寄ると触ると歌いだしません?」という話になりました。歌います。なぜか、女子学生さんは下校しながらとか、ハモったりしますよね! けれど、学生時代を過ぎると、誰かと歌声をあわせたりすることも、めっきり少なく……。カラオケだって楽しいですが、大勢で一緒に一つの歌を作り上げるのも心高鳴るもの。歌いたい、合唱したい! そしてどうせなら、自分のお気に入りの歌を! ということで、今回の同人誌は、アニメやゲームにまつわる曲を合唱するご本です。

今回紹介する同人誌

『合唱で歌えるアニメ・ゲームソング』 A5 32ページ 表紙カラー・本文モノクロ

『このサブカル合唱団がすごい!2016』 A5 40ページ 表紙・本文カラー

『このサブカル合唱団がすごい!2017』 A5 20ページ 表紙・本文カラー

作者:いずみー/表紙イラスト:みゆき


同人誌 シャッツキステ 合唱 アニソン ゲームソング サブカル 「無さそうでやっぱり無かった」合唱曲情報本!
同人誌 シャッツキステ 合唱 アニソン ゲームソング サブカル おそろいのTシャツって、確かに合唱部っぽいです!
同人誌 シャッツキステ 合唱 アニソン ゲームソング サブカル “2017”の表紙は、衣装もバラエティ豊か


合唱曲はジブリ一強? 実は多様な合唱曲の傾向とは

 学校の音楽の時間や、発表会で歌った合唱曲。それがアニソンだったら? 作者さんは「発表会とかで、クラシックに混じってジブリの曲とか歌うくらいでしょ?」「子ども向けか、年配が喜びそうな古めなアニソンとかばっかりなんじゃない?」というイメージが浮かびがちな、合唱曲とアニソン・ゲームソングの関わりを、“合唱のためにどんな曲が存在しているか”という観点から調べてらっしゃいます。

同人誌 シャッツキステ 合唱 アニソン ゲームソング サブカル データを集め、分析をしていらっしゃいます

 市販の楽譜から、アマチュア団体が自分たちで歌うために準備したものまで、広く“合唱に使えるアニソン・ゲームソング”のデータを集め、合唱の編成(混成・男・女)といった区分けで情報が整理されて掲載されています。その数300曲以上! 「鉄腕アトム」から「君の名は。」までのデータを並べることで、「やはりスタジオジブリ作品、圧倒的」という結論が出つつも、「マクロスF」「エヴァンゲリオン」「時をかける少女」などのSF系もがんばっている! という発見も。確かに、「マクロス」なんて、ぐっと盛り上がる曲が多いですよね!

同人誌 シャッツキステ 合唱 アニソン ゲームソング サブカル 作品の傾向に加え、どこで入手できるかという観点も

聞きに行く? 歌いに行く? 同人誌から活動へつながりのライン

 一方で、ゲームソングの調査では、「アイドル系」や「東方Project」のアレンジも強く、作者さんはその要因を「アマチュアの合唱団の影響ではないか」と分析されます。なるほど、アマチュア合唱団として、アニソンやゲームソングを楽しむ存在があり、活発な活動が広がっているのですね! アニメやゲームから受けた、「楽しい、うれしい、この思いを形にしたい!」と思ったときの方法として、実際に歌ってみる、しかも一人ではなく多人数で、という、楽しさを共有する活動を見つけて、実践されているのって、すごい!

 その名も『このサブカル合唱団がすごい!』シリーズでは、そんな、実際に活動している合唱グループを、26グループ取り上げて紹介されています。

 例えば「白浜坂高校合唱同好会」さんは、合唱部の活動を描いたアニメ「TARI TARI」の楽曲を歌いたい、という目的で結成されたグループで、最初に参加した合唱祭にはなんと160人を超えるメンバーで参加したとか! そのあとも次の本番に向けて、その都度メンバー募集をし、「TARI TARI」に限らず、歌う曲の幅を広げていることなどが紹介されています。

同人誌 シャッツキステ 合唱 アニソン ゲームソング サブカル 公演の様子の写真もあり、雰囲気が伝わります

 合唱祭、発表会で歌うことを目標にしている「企画型」、継続的に活動している「定期型」という活動スタイルや、演奏曲の傾向、団体の参加人数などのデータとともに、各グループの動画への案内もされていて、お部屋で動画を巡っているだけでも、いろんなファン活動の楽しみ方が感じられてワクワクします。合唱という、多くの人と声をそろえる、どこかおごそかな雰囲気の中で、「好きな曲をみんなで一緒に!」という高揚感が伝わってきます! ご本を読んだら、動画で見聞きし、そのあとは合唱祭に足を運ぶもよし、もしかしたら合唱グループに参加したりも……!?

同人誌 シャッツキステ 合唱 アニソン ゲームソング サブカル ミュージカルの楽曲中心の活動は衣装も華やか! お一人の声優さんの楽曲をメインに活動されるグループも。それぞれの得意ジャンルへの特化も面白い!

 実際にやってみたことを、同人誌という形にまとめ直すことで、もう一度、活動への道筋をガイドする、歌いたくなる人に手招きする……という、「楽しい」のすてきなループを感じました。

サークル情報

サークル名:白浜坂高校アルバム委員会

Twitter:@izmit777

入手先:BOOTH

次回参加予定イベント:コミックマーケット94

連絡先:izmit777☆gmail.com(☆を@に)


今週のシャッツキステ

シャッツキステ メイド 同人誌 館内で「えんぴつの後ろについている消しゴム」について話題になりました。私、常々、もっと消しやすく進化してもいいと思ってるんですよ……!

著者紹介

司書メイド ミソノ 司書メイド ミソノ:秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」でメイドとしてお給仕する傍ら、とある大きな図書館で司書としても働く“司書メイド”。その一方で、こよなく同人誌を愛し、シャッツキステでも「はじめての同人誌づくり」「こだわりの特殊装丁」の展示イベントを開く。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えた辺りで数えるのをやめました」と語る

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/22/news007.jpg ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  2. /nl/articles/2503/22/news033.jpg ガンダムのイラストにしか見えないのに…… “意外すぎる正体”に脳がバグる「理解が追いつかない」「目を疑います」
  3. /nl/articles/2503/22/news032.jpg スーパーで売れ残った“1匹300円のエビ”を水槽に入れたら…… 「マジすげぇ!!」興味深い姿が220万再生「はじめて見た」
  4. /nl/articles/2503/22/news098.jpg すき家、みそ汁に「ネズミ」混入で謝罪 クチコミの写真が拡散…… 「管理体制の一層の強化に努める」
  5. /nl/articles/2503/21/news067.jpg 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」 投稿者に話を聞いた
  6. /nl/articles/2503/22/news085.jpg 「昔のミスド食べたい」 15年以上前の“ミスドのドーナツ”に根強いファンの人気 「あ、これおいしかった」
  7. /nl/articles/2503/23/news026.jpg お顔そっくり“一卵性”の三つ子赤ちゃん→5年後の現在は…… 驚きの姿に「見入っちゃいました」「ほんと奇跡」
  8. /nl/articles/2503/23/news052.jpg 冷たい海に捨てられた子猫を保護→10カ月後…… 「めちゃくちゃ美猫」驚きの現在に「感動しました」
  9. /nl/articles/2503/23/news040.jpg スルスルスルスルッ! ジャガイモの皮を驚くほど簡単に剥ける方法に「50年前に知っておきたかった」の声
  10. /nl/articles/2503/23/news039.jpg 「即買いでした」 無印良品の“6990円ワンピース”に称賛続出 「長く着たい」「とっても良かった」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  2. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  3. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  4. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】
  5. ペットのカエルを土に埋め、約半年間放置→掘り返してみたら…… 「すげぇ」予想外の結末に「ほんと不思議」
  6. 「絶対当たったわこれ」→「は?」 ガリガリ君の棒に書かれていた“衝撃の文章”に「そうはならんやろ」 投稿者に当時の思いを聞いた
  7. コメダ珈琲店で「軽い食事」を注文 → 出てきた“まさかの実物”に思わず大仰天 「逆詐欺ですね」「軽食という名の主食」
  8. 最恐雑草“ヤブガラシ”根元をハサミでチョキッと切ると…… “驚愕の結末”に「すごい」「知りませんでした」
  9. 「笑い過ぎて涙が」 小学生次男、宿題で先生に不正を疑われる→まさかの原因が530万表示 「じわじわくる」 投稿者に話を聞いた
  10. 大阪梅田駅で撮影された“奇跡のような光景”に「今まで見たことない」「本当に贅沢な眺めだ」 全ホームにマルーンカラーが整列
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に