初代はこんな形だった! 東京駅の「銀の鈴」誕生50年 「これからも待ち合わせはこの場所で」(2/2 ページ)
鋳銅製で「巨大な鈴」の形になった2代目、長期間親しまれた3代目、駅利用客への思いを一層込めた4代目
ちなみに東京駅の銀の鈴は、2018年現在「4代目」です。手作りだった初代に続き、1969年に誕生した2代目は、クロームメッキされた鋳銅製の、かなり立派な「巨大な鈴型」へと生まれ変わりました。東京駅構内の八重洲中央改札前に吊り下げられ、直径約70センチ、高さ約72センチ、そして重量は約70キロもありました。制作担当は国鉄東京南鉄道管理局。鈴の音が流れる隠しスピーカーを備えていました。
続いて1985年、東京駅名店街30周年記念事業の一環として東京駅名店会が寄贈した3代目が襲名します。こちらも銀メッキされた鋳銅製の立派な鈴で、まずは東京駅構内1Fの中央待ち合わせ場所に設置されました。直径約70センチ、高さ約92.3センチ、重量は約80キロもありました。
そして3代目は北陸新幹線の乗り入れ整備に伴い、1994年8月に2018年現在の場所である構内地階の「東京駅構内地下1F 八重洲中央地下中央改札口付近」へ移ります。引退は2007年10月11日。約22年、4代の中で最も大きく、設置期間も長かったことから、多くの人に親しまれた銀の鈴でした。
現役の4代目は2007年10月25日、駅ナカ商業施設「グランスタ」の開業とともに誕生しました。東京駅構内地下1Fのグランスタ内「銀の鈴広場」にあり、毎時0分に鈴の音の美しいメロディが流れます。「八重洲地下中央改札口」のすぐそばで、構内ある設備案内板などにも「鈴のアイコン」とともに「銀の鈴待ち合わせ場所」として書かれています。
4代目は直径約80センチ、重量約70キロのアルミ合金製。クリアケース内でライトアップされ、上部や中央にイルカのデザインがあしらわれた青白く美しいデザインが特徴です。天井付近にあったこれまでの銀の鈴とは異なり、目線の高さにあるのがほんわかと親しみを持てます。4代目銀の鈴をデザインした東京藝術大学学長で現文化庁長官、金属工芸家の宮田亮平氏によると「故郷の佐渡島から大学受験の際に新潟へ向かう連絡船から見たイルカに由来」しているのだそうです。
50年の歴史が刻まれた銀の鈴。デジタルの時代になっても、これからも変わらずにたくさんの人の出会い、別れ、希望を見送り続けていくのですね。
銀の鈴50周年フェア(2018年6月17日まで)では、銀の鈴にちなんだ東京駅限定のおみやげ商品も販売。期間中、グランスタ、グランスタ丸ノ内で購買したレシートを掲示すると1000円ごとに1回「銀の鈴ピンバッジが入っている巨大ガチャ」を引ける催しもあります。
貴重な先代の銀の鈴、ホンモノを間近に見ると多分想像以上にでかくて驚きます。歴史を重ねた貫禄のある、でもなんともいえない懐かしい佇まいにうっとり見入ってしまいます。この貴重な機会、皆さんも東京駅で「待ち合わせ」をしてみてはいかがでしょうか。
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