「かぼちゃの馬車騒動」スルガ銀行員の“ローン偽装”指示LINEを入手 黒幕は計画倒産詐欺師と銀行か(3/3 ページ)
誰が「スルガスキーム」を考案したのか。そして消えた巨額の金
独自調査を進めるうちに加藤弁護士は“スルガスキーム”がプロの計画倒産詐欺師によって生まれた事件ではないか、と考えるようになったといいます。
「かぼちゃの馬車」のスマートデイズはそもそも、社長とは別に実質的経営者で自称“社主”のS氏という人物がおり、このS氏が過去にも計画倒産を繰り返してきたという情報があるからです。
加藤弁護士はこれまでにS氏が繰り返してきた手口と同じように、キックバックや中抜きをするためにS氏が設立した会社(通称:トンネル会社)に巨額の裏金が眠っていると考えている他、S氏と関係が深かったというスルガ銀行の横浜東口支店のF支店長についても、今後も詳しく調べていく方針とのことです。
ねとらぼ編集部でもS氏の連絡先を入手し、接触を試みましたが、現在に至るまで連絡は取れていません。
最後に加藤弁護士は「被害に遭ったオーナーのほとんどは年収700万円〜2000万円程度のサラリーマンや医師など。高給な故にサブリース保証がなくなったとしても、支払能力があると判断されてしまい、裁判所が破産を認められない可能性がある他、自宅を失うなどして家族に迷惑をかけられないなどの理由で破産できないオーナーが多いのも大きな問題。オーナーはみんな死ぬほどの思いをして返済に追われています」と語り、「“銀行のお墨付き”で安心して不動産投資をしたオーナーが多い一方、複数の行員がノルマ達成のために不正に関与していたのは明らか。スルガ銀行は訴訟に強いといわれていて、被害者オーナーに対しても『早く提訴すればいい』と強気な姿勢を崩していませんが、ひとつひとつ証拠を集め、スルガ銀行の悪事を世間がきちんと理解してもらえるようになればと考えています」と語りました。
スルガ銀行は5月15日に米山明広社長らが会見を開き、社内調査で多数の行員が書類の改竄(かいざん)を認識していた可能性が高いとの見解を示したうえで、「三者委員会」を設置することを発表しました(産経ニュースより)。一方で、通帳の改ざん(水増し)を行員が販売会社に指示したという点については、「存じ上げていない。第三者委員会に見てもらわないと分からない」と回答しています(日本経済新聞より)。
(Kikka)
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