ニュース
» 2018年07月14日 18時00分 公開

アニメ会社の辞めどきは―― 業界歴10年の元アニメーターが伝えたいこと(1/2 ページ)

これからアニメーターになりたい人、これからアニメーターをやめたい人に。

[福田瑠千代,ねとらぼ]

 「私がアニメーターを辞めた理由」という、元アニメーターのbebeさんが投稿したブログ記事が話題です。「単価が上がらない」「クオリティを上げようとすればするほど作業時間がかかり報酬は減る」といったつらい状況を嘆く内容に多方面から注目が集まりました。


 アニメ業界における労働環境の過酷さはもはや公然の事実となっていますが、SNSで誰もが発信できるようになり、現場関係者の声もずいぶんと可視化されるようになりました。とはいえ、辞めてしまった人の声というのはやはりなかなか聞こえてこないものです。

 アニメーター歴10年のbebeさんは何を考えながらアニメづくりに取り組み、なぜ辞めてしまったのか。アニメ業界に対する思いについて聞きました。


10年たっても単価は変わらなかった

――アニメーターを辞めてからブログを始めようと思った理由を教えてください。

bebe:Web上では「アニメーターになりたい人のための情報」は多くありますが、「アニメーターで悩んでる人や辞めたい人のための情報」はあまり見ないので、そういう情報を発信していきたいと思ったためです。アニメーターを目指しているけれど業界のことが全く分からないという人や、今アニメーターとして働いているけれど悩みがある人たちの役に立ちたいと思いました。

――初投稿の記事でいきなり大きな反響がありましたね。

bebe:私は有名なアニメーターではなく、しかも匿名で始めたブログなので当分は誰にも見てもらえないことを覚悟していました。反響はうれしかったですね。

――ブログでは「報われなさ」に耐えきれなくなり、辞めてしまったという話が印象的でした。

bebe:報われないと感じている人は多いと思います。自分の周りでも多かったです。似た表現でよく聞いたのは「割に合わない」でした。

アニメ会社の辞めどきは―― 業界歴10年の元アニメーターが伝えたいこと アニメ制作で感じた「報われなさ」(bebeブログより)

――10年間のアニメーター時代で、何が一番しんどかったですか。

bebe:しんどかったのは、10年たっても作業単価が変わらなかったことですね。

アニメ会社の辞めどきは―― 業界歴10年の元アニメーターが伝えたいこと なかなか上がらない単価。1原は「第1原画」の略で、レイアウトとラフ原画を合わせたものを指す場合が多い。1原を演出や作監が修正したものを原画に仕上げる作業を2原と呼ぶ(bebeブログより)

――単価の交渉はやはり難しいのでしょうか?

bebe:フリーの場合、交渉に積極的であるかどうかは制作さんとの信頼関係、自身の実力、仕事内容などで変わってきます。会社所属の場合も基本的にはフリーと同様ですが、会社にいれば自分以外のアニメーターの仕事内容や単価を知れるので、それを参考に交渉がしやすいかもしれません。

 ただアニメーターは性格的に交渉が苦手なタイプが多いと思います。技術的に自信がない人ほど、「自分なんかが値段交渉なんて……」と考えがちになり、余計に交渉をする人がいないのだと思います。

――収入的に一番きつかったのはいつですか。

bebe:やはり入社時です。最初の1年は収入が無いつもりで生活費を計算し、それでも大丈夫だという人しかやっていけないと思います。

――確かに、アニメーターは入社したての動画の時期が一番苦しいとよく耳にします。

bebe:だいたい入社して1カ月以内に数人は辞めてしまいます。次に1年たって辞める人が多いです。3年たつと同期入社の人はほぼ辞めるか他社に移ってました。

 アニメーターを続けたいのに、作業量と報酬の割の合わなさ故に辞めざるを得ない人たちをたくさん見たので、お金の問題が解決しない限りアニメ業界は衰退していくだろうなと感じています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2110/27/news100.jpg 戸田恵梨香、水川あさみと同様に長文公開 「私を追いかけて、どうか車の事故を起こさぬようお気をつけください」
  2. /nl/articles/2110/27/news095.jpg 水川あさみ、週刊誌に対して怒りの反論 「事実無根だと言っても強行突破で発売」「かなり目に余るものがあります」
  3. /nl/articles/1904/10/news098.jpg 賀来賢人、“フライデー被害風”写真が超リアル! 「本当にそろそろやめてね」と写真週刊誌への本音も
  4. /nl/articles/2110/25/news149.jpg 「くそが……!」 最上もが、奮発した「Uber Eats」の対応に怒り爆発 1400円ステーキの“中身”に「絶望」「もう頼まねえ」
  5. /nl/articles/2110/27/news109.jpg 「納言」 薄幸、テレ朝で警備員からまさかのシャットアウト “牢獄みたいな薄暗い部屋”へ閉じ込められる事態に
  6. /nl/articles/2110/27/news025.jpg 猫よけをびっちり置いた結果……子猫が!? ちんまりくつろぐ姿に「仲間がいた」「何やっても人間の負け」と爆笑
  7. /nl/articles/2110/26/news040.jpg ニトリで猫用ベッドを購入→「大変気に入ってるようです」 笑撃のオチに「そっちだよね」「猫あるある〜」の声
  8. /nl/articles/2101/23/news043.jpg 水川あさみ、5キロ増の“愛しきぜい肉”ショットが女優の勲章 「リアルお母さん体型」「気取らないとこが素敵」と反響
  9. /nl/articles/2110/20/news052.jpg 「PS5購入者は箱に名前を書いてもらう」ノジマはなぜ転売ヤーを許さないのか? 苛烈な転売対策の背景を担当者に聞いた
  10. /nl/articles/2110/26/news181.jpg 「学校へ行こう!」出演のパークマンサー、V6へ感謝のメッセージ 「ホントにホントにありがと言っちゃうアホだよ」

先週の総合アクセスTOP10

  1. 「くそが……!」 最上もが、奮発した「Uber Eats」の対応に怒り爆発 1400円ステーキの“中身”に「絶望」「もう頼まねえ」
  2. 伊藤かずえ、13年間ともにした愛車とお別れ 総走行距離は14万キロ超で「今まで本当に有り難う」と感謝
  3. 庄司智春、愛車ダッジ・チャレンジャーが廃車に ガソリンスタンドで炎上、ボンネットから発煙し「やばい」
  4. 山本美月、ウエディングドレス姿がまるで「妖精」 母親のドレスをリメイクし背中に“羽”
  5. 「シーンとなった球場に俺の歌声がして……」 上地雄輔、後輩・松坂大輔の引退試合で“まさかのサプライズ”に感激
  6. シャンプーしたての柴犬に、猫がクンクン近づいて…… 何年たっても仲の良い姿に心がほかほか癒やされる
  7. ニトリで猫用ベッドを購入→「大変気に入ってるようです」 笑撃のオチに「そっちだよね」「猫あるある〜」の声
  8. じゃれ合う保護子猫たち、1匹が逃げ込んだのはまさかの…… ダッシュする姿に「一番安心だと知ってる」「爆笑した」の声
  9. 元SKE石田安奈、第1子出産後のぽっこりおなかに驚愕 産んだらへこむと思っていたのに「もう1人いるの!?」
  10. 産み捨てられた未熟児の子猫を保護、生死をさまよったが…… すくすく育った1カ月後のビフォーアフターに涙