なぜ、曜日の並びは「月火水木金土日」なのか?
毎日が日曜日であれ……というわけにもいかないか。
週末の2日間のお休みを楽しんだ後だと、月曜日というのは来てほしくないものですね。読者のなかにも、「月曜日が嫌い」という方は多いでしょう。ああ、可哀想な月曜日。
例えば、曜日が「日火月水木金土」という並びだったら、嫌われ者は月曜日ではなく火曜日だったのかもしれません。
では、なぜ曜日は「月火水木金土日」という順番なのでしょうか。
……という問いの答え。一言で表せない、複雑な構造がありました。順を追って見ていきましょう。
目次
- 週間を7日とした:古代メソポタミア
- 占星術が発達していた:古代エジプト
- 昔はこう考えられていた! 地球とそれぞれの天体の距離
- 曜日の並びがこうなった理由
- 説1:古代ギリシャの音楽理論
- 説2:時間をつかさどる惑星
- おわりに
1週間を7日とした:古代メソポタミア
7日を1週とする暦を使い始めたのは、古代メソポタミアの人々です。
もともとメソポタミアでは月の満ち欠けの周期を基準に、28日〜30日を「1月(ひとつき)」としていましたが、時代を追って1月を4分割し、7日程度をひとまとまりとする「週」を使い始めました。「新月→上弦→満月→下弦という節目の形が由来」とも、「月では長かったので分割した」ともいわれます。
近くで誕生したユダヤ教の旧約聖書でも、「神は7日で世界を創造した」とされています。「週」の成立と直接に関係があったかは不明ですが、古代の西アジア地域では7日というのが重要な単位でした。
占星術が発達していた:古代エジプト
紀元前のエジプトでは占星術が非常に発達していて、特に不規則な動きをする太陽系の惑星が、太陽や月と並んで注目されていました。つまり、太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星の7つです。
そして、メソポタミアで発明された「週」が、紀元前のエジプトにも持ち込まれます。
1週に含まれる「7日」に、これらの「7つの星」を結び付けてできたのが曜日とされています。
昔はこう考えられていた! 地球とそれぞれの天体の距離
さて、これら7つの星をどうやって曜日と対応させたのでしょうか。正確なところは分かっていませんが、ローマ帝国時代のディオ・カシウスという歴史家が、「こうだったんじゃない?」という説を2つ書き残しています。
ちなみに、エジプトではそれぞれの星と地球との距離が、「土星 → 木星 → 火星 → 太陽 → 金星 → 水星 → 月」の順で遠いと考えられていました。このあと紹介する2説はこれを応用したとしています。
説1:音楽の「テトラ・コード」を天体にあてはめた(古代ギリシャの音楽理論)
古代ギリシャの音楽理論に、4つの並んだ高さの音列を重要な単位とする「テトラ・コード」という理論がありました。
この数え方を天体の並びにも当てはめて節目をとっていくと、ズバリこうなります(画像参照)。
見覚えのある並びが浮かび上がってくるのが分かるでしょう。
説2:惑星を24時間に1つずつ割り振った(時間をつかさどる惑星)
エジプトの占星術では、それぞれの惑星が、地球から遠い順に1時間ずつを支配していると考えられました。つまり、ある1時間を土星が、その次の1時間を木星が、という順番です。これを7日間にわたって当てはめたとき、日の最初の1時間をつかさどる惑星をその曜日の名前としたのではないか、というのです。
この両説、果たしてどちらが正解なのか。今後の考古学などに期待ですね。
おわりに
曜日の並びは、古代の意外と複雑な数え方によって決められたのでした。古代人といえど軽んずることなかれ、はるか昔から今まで続いている物事は、暦以外にもたくさんあります。ぜひ知識を「発掘」していきましょう。
参考文献
渡邊敏夫(2012)『暦入門 ー暦の全てー』雄山閣
片山真人(2012)『暦の科学』ベレ出版
作花一志(2008)「曜日の起源と具注暦」山本一登『「天文学史研究会」集録 第2回』(PDF)
遠藤智比古(1989)「七曜の訳語考」日本英学史学会『英学史研究 第21号』
関連記事
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
ニュースなどでよく見る表現も、意外と分からん……。 - 「妹は俺の娘」は法律上可能である。○か×か?
嫁は無理でも。 - 「稟議=りんぎ」「洗浄=せんじょう」ではない? 現代人には分からない“漢字の本来の読み方”
学校のテストで書いたら、逆に減点されそう。 - 「おれさまが鳴る」「体がこわい」ってどういう意味? 他の地域で勘違いされそうな東北・北海道の方言
標準語かと思ったら、違う意味で理解されちゃうやつ。 - 「40−32÷2=?」この問題、解けますか?
理系にはすぐ解けて、文系には解けない、とんち問答のような問題がネットで話題に。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
がん闘病の森永卓郎、容態急変後にモルヒネ投与で“結構厳しい状況” スタジオ出られず弱々しい声で「そう長く持たないかもしれない」「本格的に転移が始まったよう」
-
スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
-
「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
-
サザエやカキの貝殻を“最強の土”に埋めて、10カ月後…… 驚きの検証結果に「びっくりです」「すごいですね!」
-
鮮魚店で売れ残ったタコを水槽に入れたら、数週間後まさかの展開が…… 胸を打つ光景に「目が腫れるくらい泣いてます」
-
「別人?」「お母さん泣くね」 母の紹介で美容院に来た男子高校生がイメチェン…… 超さわやかな髪型に称賛の声【男性イメチェン記事5選】
-
“港区大好き”元有名グループアイドル、仕事ゼロの不人気メン→20歳上男性と結婚で“セレブ妻”転身! 家賃170万円のマンション暮らしに「生きてる世界違う」
-
共通テスト当日の息子に普段通り接しようとして―― “予想外すぎる母のLINE”に爆笑の声 「声出た!! 笑」「おもろすぎ」
-
風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
-
大人なら5秒で解きたい!「9+0÷2−3」の答えは?【算数クイズ】
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
- スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
- 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
- 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
- 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
- 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
- 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」