なぜ「9割の人は右利き」なのか?

左利きの人を見ると、つい「へえ! 左利きなんだ!」と言ってしまう

» 2019年02月01日 11時30分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 あなたの利き手はどちらの手でしょうか?

 おそらく、多くの方は「右手(右利き)」とお答えになるかと思います。なぜそう言い切れるかというと、全人類のおよそ9割は右利きであるといわれているからです。

 では、なぜ人類には右利きが多いのでしょうか?


言葉を獲得したことで、右手を動かす左脳が発達

 現在有力とされているのは「利き手が言語能力と関連している」とする説です。



 多くの人の脳で、言語能力を扱う部分がより発達しているのは左半分(左脳)です。そして、左脳は体の右半分の運動を支配しています。これが、人類に右利きが多いことに関連している、というのです。

 先ほど「人類の9割は右利き」と述べましたが、今から約6万年前には既にこの比率になっていたとされます。そして、人類が言語を獲得したのも、同じく約6万年前。

 言語能力を獲得して脳の左右差が生まれたことで、右利きが多数派になった、というわけです。


左脳は言葉だけじゃなく、細かいこと全般に向いている

 ところで、「左脳は理屈を、右脳は直感をつかさどる」というような話を耳にしたことがある方も多いかと思います。

 その通り、人間の左脳は言語のみならず、計算や論理など細かいことを詳しく扱う部分が発達し、右脳は比較的大ざっぱにイメージをつかむ部分が発達しているといわれています。

 人間の手というのは、非常に細かく精密な動作を行うことを求められる器官です。したがって、より細かい動作(文字を書く、ボールを投げるなど)に適するのは左脳、すなわち右手ということになります。



 一方、左利きの人は生まれつきこの左右差が小さく、言語を使う部分が右脳でもある程度発達していることが多いとされています。


遺伝の影響も考えられる

 こういった左右差の決定には、やはり遺伝子の影響が考えられます。具体的にはPCSK6やLRRTM1などの遺伝子が関係していると考えられていますが、まだ研究途中の段階で、明確な答えは出ていません。

 レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、優れた能力を発揮した左利きの天才は歴史上に数多くいます。左利きの脳には、右利きの脳とは違った得意分野があります。このことが、少数派である「左利き」が進化の過程で消滅しなかった理由かもしれません。

参考文献

久保田競『手と脳 増補改訂版』紀伊國屋書店(2010年)

バイオメカニズム学会『手の百科事典』朝倉書店(2017年)


制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/31/news019.jpg “部屋が汚すぎて”彼氏に振られた女性→1人孤独に片付けを続け、600日後…… まさかの光景に「感動しました」
  2. /nl/articles/2501/29/news009.jpg 高校生のときに出会った“同級生カップル”→「親に頼らん!」と必死に貯金して…… 19年後、現在の姿に反響
  3. /nl/articles/2502/01/news088.jpg 「痩せた」 大谷翔平、“最新ショット”に驚きの声 “寝ぐせ”にツッコミも……「うわ凄い絞ってる」
  4. /nl/articles/2501/28/news188.jpg 「やられたな」 ベトナムで「FUJITSU」だと思って購入した家電→“衝撃の正体”に思わず戦慄
  5. /nl/articles/2502/01/news039.jpg 生え際後退で老けて見える25歳男性、プロが大胆カットしたら…… 「不可能を可能にした」「35歳から15歳に」大変身が740万再生【海外】
  6. /nl/articles/2501/30/news026.jpg 普通の折り紙1枚を、パタパタ折っていくと…… プレゼントにぴったりな美しいアイテム完成に「すげぇつくりたい」「かわいい」
  7. /nl/articles/2501/31/news041.jpg 水道検針員から直筆の手紙、確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生→大反響から1年たった“現在の様子”を聞いた
  8. /nl/articles/2502/01/news008.jpg 【ハギレ活用】「もう最高……」 着物のハギレをリメイク→わずか30分で“すてきなアイテム”が完成! 「私にもできそう」
  9. /nl/articles/2502/01/news047.jpg 【編み物】彼氏のために、緑と黄緑の毛糸を正方形に編んでつなげると…… 圧巻のおしゃれな大作完成に「息をのむほどすばらしいよ」
  10. /nl/articles/2501/31/news215.jpg 「こういうの大好き」 ユニクロ“3990円パジャマ”が発売前から話題騒然 「最高」「シンプルで良い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議