神はいない、奇跡はない、ロマンも愛も役に立たない、己の頭脳と努力に頼れ 「かぐや様は告らせたい」12話(1/2 ページ)
これが、天才たちの恋愛頭脳戦。
恋愛は告白した方が負け! 「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」(原作/アニメ)は、相手から自分に告白させるためにあらゆる知力体力を用いて戦うエリートたちを描いたラブコメディー。とっても愛しくてとっても面倒くさい少年少女の、青春の無駄遣い物語。
神様、せめてみんなと一緒に
財閥の令嬢にして生徒会副会長、四宮(しのみや)かぐや。努力家の生徒会会長、白銀御行(しろがね・みゆき)。2人は自らの意地とプライドにかけて、自分からは告白しない、相手に告白させる、と心に決めて戦い続けている間柄。
夏休み。生徒会で花火大会に行く、という約束をなんとか取り付けていました。ところがかぐやの家が厳しすぎて、出かけるのがNGに。
今まで「我慢すればいい」と自分を抑え込んで生きてきたかぐや。今回ばかりは感情が爆発。みんなと行けなかったことが耐えきれず、涙を流しました。悲しみの中、藤原書記にお断りのメールを送ります。
ここで前回のラスト、誰にも教えなかった、フォローもしていなかったTwitterでポロッと、本心を漏らしたのがフラグに。御行がそれを見つけ、かぐやに花火を見せるべく駆け回りはじめます。
かぐやは近侍の早坂の協力を得て、こっそりと家を脱出。あまりの渋滞に車を降りて、自力で走り出すかぐや。今までだったら、決してやらなかった行動です。
「初めて面倒を見た後輩(石上)」「私と初めて友達になってくれた人(藤原書記)」「初めて出来た……気になる人(御行)」。「その輪の中に私が居る」ことの幸せさ。今までぼんやりとしか感じていなかったものの、明確に自覚するようになりました。
「私は私が好きな人たちと一緒に あのきれいな花火を眺められたら どんなに幸せだろうって どんなに素敵だろうって そればかりを考えていた夏休みだった」
この作品は、御行とかぐやの恋の進展と同じくらい、かぐやの自我の芽生えの物語でもあります。箱入り娘すぎてがんじがらめなかぐやが、新しい人間関係を見つけた。楽しい、好き、幸せ、と自分の感情として理解できるようになった。なにもかもが、彼女の成長です。
「神様 この夏…… 恋だとか 愛だとかは要りません だから―― だからせめて 私も皆と一緒に――」
まあ、そんな都合よくはいかない。石上も、藤原書記も、御行も「私が好きな人たち」だったことを、痛感させられたのは大きな一歩。けれども、それとこれとは別。感情に気付いたからと言って、なにもかもうまくいくわけじゃない。
あまりにも理不尽で希望の光の見えない環境にいる、かぐやの涙。かつて中学生から高校一年生の頃、心を殺して冷淡な目をしていたことを考えると、彼女のこの涙の価値は計り知れないものがあります。一瞬、皆が楽しければそれでいいと自分を抑えようとしたけれども、「私は皆と一緒にいたい」という嘘偽りのない気持ちが、爆発した。この痛みと、制御できない感情は、かぐやの自我の芽生えでした。
奇跡は頼るものではない
運任せはできないけれども、天才たちは頭脳戦でやれることがある。特に御行は、今まで自分の家の貧困も、学力も、生徒会業務も、全部努力と頭脳で切り開いてきました。だから今回だって、諦めなかった。
御行のいいところは、運でたまたま見つけたのではなく、頭脳と体力をフル活用して彼女の元に来たということ。出会えたのは、紛れもない彼の実力です。
Twitterでの発言を発見し(プロフィール欄に学校名があったのが決め手かも)、まずは四宮の家まで自転車で疾走。
その後早坂がかぐやの格好をしていた=かぐやは抜け出した、と確認。引き返した後、かぐやが通ったルートを分析。
めちゃくちゃ大変なことを、しらみつぶしに全部行いました。ただの通りすがりの王子様とわけが違う。奇跡に頼っていません。(なおこの軌跡は、単行本5巻に文章でまとめられているのでチェックしよう)
御行が今回行動を取れた理由の1つが、事前準備の多さでした。彼の脳内には夏休み全てのイベントが記憶されており、日程や時刻、延期の予備日まで完璧にインプット。もちろんかぐやとデートできた可能性のため。
この膨大な知識量から引き出した答えが、時間ギリギリまでやっている花火大会、しかも千葉。
御行「だが挑戦する価値はある! 四宮に花火を見せるんだよ!!」
あらためて、サブタイトル「天才たちの恋愛頭脳戦」の意味を考えておきたい。確かに相手を好きになることや、出会いなんかは、偶然だったかもしれない。けれども登場する天才たち、特に御行とかぐやは、失敗を繰り返しながらも、脳をフル回転させて戦ってきました。うまくいくためにどんな努力も惜しみませんでした。下準備も無駄なんじゃないかというほど入念に行ってきました。
今までその9割9分は無駄だったかもしれない。しかし今回、たくさんの無駄の上に、一筋の光を見つけ出しました。これこそが、天才の実力。
作中のナレーションはこう書きます。「ロマンも愛も確率論に何の影響も及ぼさない 奇跡などない だが 努力と思考を積み重ね行動した者たちには 必ずや与えられる光景がある!!」
今までは「努力はしたけど行動しなかった」がゆえに、お互い告らせられない、告れない、という間抜けな状態が続いていました。今回、御行もかぐやも、ひいては藤原書記と石上も、行動に出ました。頭をひねり、行動したからこそ、「四人で花火を見る」という希望は叶いました。藤原書記、スペインのトマト祭り行ってなくてよかったね。
藤原書記、石上、御行は花火に夢中でした。けれども、かぐやは、成し遂げた御行の横顔に夢中でした。ここのタイトルの入れ方、息を呑んでしまう。
たくさん泣いて、たくさん驚いて、たくさんときめいた。この夏の、大きく揺さぶられた彼女の感情の記憶は、人生を左右するもののはず。もっとも、この後さらに心揺さぶることがたくさんあるんだけど!(原作を読もう!)
かぐやが結局花火を見ていないというのが絶妙なところ。「夏を誰かと過ごす記憶」の象徴としての「花火」。今回ちゃんとは花火を見られなかったけれども、彼女の希望は、十分どころか有り余るほど満たされました。
ブルーイ●パルス
ところで、御行はテンションがあがると周囲が見えなくなる癖があります。かっこいい言葉を平気でいえちゃうような、アドレナリンドバドバに出るタイプらしい。
だからこそ、今回の行動を取れたわけですが、セリフひとつひとつの「きめ」っぷりが目立ちます。「だったら俺が見せてやる」「いつものに比べれば百倍簡単だったよ」等々。確かにいかにも漫画的。
あまりに黒歴史化し、恥ずかしすぎて話せない御行。それに対して極度の照れが働きっぱなしのかぐやは「好き避け」中。
会話ができずすれ違う様子に、藤原書記ですら困る。
かぐやが照れるのは仕方ないとしても、御行はもっと誇ってもいいと思うんだけれども……シラフでも自信を持ってかっこつけられるようになるかどうかは、また別のお話。
原作での「頭脳戦」の本番は、さらにここからです。ちらりとほのめかされた明言されていなかったアレやコレが、どんどん明らかになっていきます。それら全てが、偶然や奇跡ではなく、頭脳と努力と行動で導き出され、自分たちで解決していく。興味のある方はぜひ原作を読もう! ほんとここからがヤバイから!
アニメ2期、なんとかやってほしいです。空回る伊井野ミコが見たいんです。石上のかっこよさを見たいんです。藤原書記がアホなところを見たいんです。お願いします!
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