ニュース
» 2019年07月30日 12時30分 公開

「クーデター」と「革命」は何が違うのか?

そもそも「クーデター」って何?

[QuizKnock,ねとらぼ]

 今年(2019年)4月30日、南米の国・ベネズエラでクーデター未遂事件がありました。「暫定大統領」を名乗るグアイド国会議長が、マドゥーロ大統領を中心とする現政権に抵抗するよう軍に呼びかけたのです。

 ベネズエラでは今も政情不安が続き、400万人を超える国外脱出者が発生しています。

 そんな「クーデター」という言葉の意味、ニュースや社会の授業で耳にする機会も多いですし、何となく「武力で政権を倒す」くらいのイメージはあるかと思います。

 しかし、「革命」と何が違うの? と聞かれると、言葉に詰まってしまいます。では、クーデターとは、どんな出来事を指すのでしょうか。


クーデターはトップが交代するだけ、革命は政権の担い手が変わる

 クーデターと革命の最大の違いは、「社会・政治のシステムが変わるかどうか」にあります。


<クーデター:トップの交代を望む>

 クーデターとは、同じ支配階級の中のある勢力が、政権の奪取を狙って非合法的な行動を起こすこと。交代するのはあくまで指導者や政治の中心勢力であって、国の体制が根本から変わるわけではありません。

 先日のベネズエラの事件では、主導者がグアイド氏という、大統領と同じ政治家の立場であったことからクーデターと見なされます。「未遂」と報じられたのは、軍部の少数しかクーデターに加担せず、マドゥーロ氏を大統領の座から降ろすには至らなかったためです。



<革命:政治・社会のあり方を変えることを望む>

 一方の革命は、一般の大衆が原動力となり、現行の支配階級を征服しようとするものです。例えば、独裁政治から民主政へ転換するようなもので、政治・社会のあり方がそれまでとは一変するわけです。

 多くの方が「革命」と聞いてイメージするであろう、18世紀末のフランス革命もまさにこの例。ブルボン朝による絶対王政を打倒し、第三身分(聖職者・貴族を除く平民)の人々が政権を掌握しました。



日本のクーデター

 現代でこそ軍事紛争とは無縁に思える日本ですが、実は歴史上クーデターは少なからず勃発しています。

 近代であれば、1936年の二・二六事件が代表格に挙げられます。天皇による直接政治を理想とする陸軍の青年将校たちが、時の首相・岡田啓介ら政府の高官を襲撃した事件です。


二・二六事件の後、岡田首相の生存が報道された

 有名な大化の改新(政権のトップが「天皇家・蘇我氏」から「天皇家・藤原氏」に移行)や本能寺の変(織田信長→明智光秀)も、急激な統治システムの変化を伴わない政変という意味でクーデターの一例といえます。


おわりに

 「クーデター」はフランス語で「国家への一撃」といった意味を持つ言葉です。英語では単に“coup”といったりします。

 今回取り上げたような政治用語に限らず、普段見聞きする言葉には意外な意味や由来が潜んでいるものです。気になったものを一度調べてみると、とっておきの知識が手に入るかもしれませんね。

参考文献

エドワード・ルトワック著、奥山真司訳(2018)『ルトワックの“クーデター入門”』芙蓉書房出版


制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2107/30/news137.jpg 水谷隼スタッフが一部マスコミの“行き過ぎた取材”に警告 住民を脅かすアポなし行為に「しかるべき措置を検討」
  2. /nl/articles/2107/29/news111.jpg おにぎりパッケージに四苦八苦していた五輪レポーター「日本の素晴らしい人々に感謝」 大量アドバイスで見事攻略
  3. /nl/articles/2107/29/news086.jpg 小5娘「ランドセル壊れちゃった!!」→メーカーに修理に出すと…… 子どもの気持ちに寄りそう「神対応」を描いた漫画に心が温まる
  4. /nl/articles/2107/30/news022.jpg 中年の「何しにこの部屋来たんだっけ?」発生条件を突き止めた漫画にあるあるの声 “忘却”はこうして起きていた……?
  5. /nl/articles/2107/29/news013.jpg おばあちゃんと散歩するワンコ、よく見ると…… かしこ過ぎるイッヌに「どっちが散歩されてる?」「愛と信頼ですね」の声
  6. /nl/articles/2107/29/news044.jpg 3歳娘「カレーが食べたい」にこたえて作ったのに…… あまのじゃくな娘に“大人になること”を学ぶ漫画が考えさせられる
  7. /nl/articles/2107/29/news030.jpg 定価で買った商品が半額になってショック!→娘「ママは値段を理由にそれ買ったの?」 子どもの一言にハッとさせられる漫画
  8. /nl/articles/1902/18/news125.jpg 「誰も消防車を呼んでいないのである!」漫画の作者自ら“消防車が来ない話”としてTwitterに公開 「元ネタ初めて見た」
  9. /nl/articles/2107/28/news135.jpg 波田陽区、そっくりな卓球・水谷隼選手の金メダル獲得で仕事激増 「拙者、これで家賃払えそうですからー!」
  10. /nl/articles/2107/30/news007.jpg 【なんて読む?】今日の難読漢字「島嶼」

先週の総合アクセスTOP10

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「産んでくれた親に失礼」「ちょっと我慢できません」 上原浩治、容姿批判のコラム記事に不快感あらわ
  2. ホワイトタイガー「あっ、落としてもうた」 うっかり子どもを落とした母と、落ちてゆく子どもの表情がじわじわくる
  3. がん闘病の大島康徳、肝臓に続いて肺への転移を告白 息苦しさに悩まされるも「大して成長してない」
  4. 「目パッチリです」 宮迫博之、最高難度の美容整形を決行 クスリ疑惑もたれたクマやほうれい線の一掃で“別迫”に
  5. 石橋貴明の娘・穂乃香「お父さん大好き」 幼少期キスショット公開し「愛されてますね〜」「ステキな写真!」と反響
  6. 大島康徳、ステージ4のがん闘病でげっそり顔痩せ 相次ぐ通院に「正直かなりしんどかった」
  7. 山に捨てられていたワンコを保護→2年後…… “すっかり懐いたイッヌ”の表情に「爆笑した」「かっこよすぎ」の声
  8. 「ブス、死ね」 りゅうちぇる、心ない言葉への返答が感銘を呼ぶ 「心もイケメン」「りゅうちぇるのおかげで自己肯定感上がった」
  9. 『はらぺこあおむし』の版元、毎日新聞の風刺漫画を批判 「おそらく絵本を読んでいない」
  10. 小林礼奈、4歳娘を連れて夕食中に客とトラブル 痛烈コメント受けて「私たち親子を悪にしたい人がいる」