海辺でスク水で無邪気にカニ探しする女子高生 「手品先輩」斑さんの化学愛と羞恥

黒髪ロングメガネギザ歯黒スト白衣カタカナ語尾……属性てんこもりな子です。

» 2019年08月06日 23時15分 公開
[たまごまごねとらぼ]
手品先輩 (C)アズ・講談社/手品先輩製作委員会

 すっごく元気でめちゃくちゃおバカ。テレビアニメ放送中の「手品先輩」(原作アニメは、失敗率が限りなく100%に近いポンコツ手品コメディ。いろいろあやういハプニングとめげなさすぎる先輩との楽しくて厄介な日々、これもまた青春。

 今回紹介したいのは、奇術部の隣、化学部で活動している斑(まだら)さん

 先輩は種を仕込んだ不思議を見せる「手品」にこだわっているのに対し、斑さんはあらゆるものを理論的に解き明かそうとする科学至上主義者。見た目も性格も対照的な2人と助手の関係やいかに……?


優しいね、斑さん

 手品先輩が在籍する奇術部は、先輩一人きり。このままではぼっちで部は消滅……というところで助け舟を出してくれたのが化学部部長の斑さんでした。


画像 なんていい人なんだ(助手も)(2巻)

 助手が一年生の部活として選択したのは「化学部に入部した状態で、非認可だった奇術部に通う」という方向。通常ではまず許されないやり口ですが、そこを化学部斑さんが「あーおとなりサン そういう事ならイイヨ」 と事情を察してOKしてくれました。

 幽霊部員肯定な上、化学準備室無断利用を黙認するという、寛大すぎる措置。そんな慈悲深い人ってどんな子なのか?


画像 先輩にしたい人一位(4巻)

 斑さんはそこまで「超絶親切な聖人」ではないです。もっさりした黒髪ロングに白衣、縁の太いメガネに、ジト目。普段はローテンション気味。カタカナ語尾がポイント。ギザ歯です。

 気が強いというわけでも、弱いというわけでもない。非常にフラットで、懐は広い。たぶんこの作品屈指の、よくできた人です。


画像 どっちが本心でしょうね(4巻)

 手品先輩は一人きりの時、とても真剣に手品の練習し続けています。もしかしたら斑さんは、助手より長い期間、手品先輩の努力を見てきたかもしれません。

 斑「何かに夢中になっている人をジャマできるものなど この世には存在しないから……」

 そのあと「断れない性格なだけ」と言っていますが、どっちが本心なんだろう。これは彼女の普段の活動を見れば、分かるはず。


化学を愛する、斑さん

 感情の起伏もフラット気味なのですが、彼女には地雷が1つだけあります。助手が「手品ってちょっと化学っぽいですよねー」と言った時、静かにキレました。


画像 あっめんどうくさい人(4巻)

 斑先輩は化学を愛しているので、全ての現象の理由を解析し、理解してもらうことを喜びとしています。ゆえに手品は「原理を隠してフシギなコトが起こったフリで見てる人をダマしている」と指摘。

 助手が言った「手品って化学っぽい」は、間違ってはいません。手品は科学的現象をタネとして用いてびっくりさせるものですし。ただ斑先輩は一番重要である「原理」の素晴らしさを伝えないことが納得できない、だますインチキ行為だと感じているからのようです。


画像 一番下の顔のニヤリ感いいですねー(4巻)

 斑も人を驚かせるのが大好きな人間。根は手品先輩とほぼ変わりません。違うのはラストで必ず種明かしをして、科学現象を理解してもらうようにしていること(あとほぼ成功させていること)。

 現象を楽しませるか、化学のすばらしさを知るか。手品先輩と斑さんのスタンスの違いは、助手とのやりとりで次第に明らかになっていきます。


フラグ立ってる? 斑さん

 斑さんは、さすがに手品先輩ほどのヒロインとまではいかないですが、サブヒロイン級の重みのある存在に少しずつ変わっています。斑さんをヒロイン化している最大の要因は、助手に対する赤面です。


画像 ぷち修羅場(4巻)

 助手は基本的に、非常に礼儀正しい少年です。なので恩人である斑に対しては、常に敬語で丁寧な接し方。2人のシーンだと助手、立ち回りはかなりイケてます。

 斑はしっかりものですが、時折トラブルに巻き込まれることもあります。するとたちまち顔が真っ赤に! しかも大体、助手がいる時。まるで「生真面目少女の目覚め」みたいにすら見えるシーンが多数。


画像 このやりとりで一番傷ついたのは誰でしょうか(5巻)

 斑さんが助手のカノジョだと勘違いされた時、助手は「斑さんに謝ってください」と素でした。ところが斑さんは「そなっ……そういう根拠のない憶測で喋るからチャラチャラは嫌いなんダ!」と激しく言い返してきます。

 この状態、話しかけた咲ちゃんは気付いたようですが、斑さんの心はまだ分からない。


画像 スク水素朴女子高校生(5巻)

 合宿に行った際、偶然見つけた斑さんは、とっても無邪気で幼い女の子でした。気を許しきっているので、ニコニコと明るい笑顔です。

 話しかける相手を間違ったからの羞恥とはいえ、ここでも斑さんは助手の前でド赤面。

 手品先輩との日々が助手のラッキースケベチャンスだとしたら、斑さんとの間に起きる出来事はほとんどがフラグ寸前のものばかり。助手は前者は理解しているのに、後者はまったく把握できておらず、もりもりフラグを折ります。


画像 真ん中の先輩、なんてアホな顔を(5巻)

 手品先輩が無邪気に、斑さんを手品に巻き込んだ際、助手は「斑さんと俺らは無関係なのにかわいそうですよ!」と、親切心+手品させたくない思いで言いました。

 言っていることはもっともなんですが、この「部外者」扱いに、斑さんは反応します。

 おそらく斑さん自身は化学部でほかの部員と過ごしているでしょうし、手品先輩のようなぼっち生活は送っていないはず。自ら奇術部と絡みたいとも思っていなさそう。けれども部外者扱いされるとちょっと気になる。

 頑固ながらも繊細な子である斑さん。手品先輩と助手の仲の良い活動を見る彼女の視線は、意図的に距離を置いているようにも、気に掛けているようにも見えます。このまま見守る位置にとどまるのか、奇術部メンツの関係に踏み込み始めるかは、まだまだ分かりません。奇術部はガバガバなので、入る余地はありそうですが。


画像 ヒロインの顔してる(4巻)

 おそらくなかろうとは思いますが、個人的には手品先輩のギャルゲーがあったら、斑先輩ルートを見てみたくて仕方ありません。すっごく曖昧な思いを抱える彼女、白衣で青春しています。


たまごまご

(C)アズ/講談社


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手品先輩

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