密かに想う“兄の妻”と2人きりで旅行―― 切ない恋描いた漫画に心つかまれる(1/2 ページ)

切ないけれど、さわやかな物語。

» 2019年10月12日 19時30分 公開
[Tomoねとらぼ]
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 密かに思いを寄せている兄の妻と2人きりで旅行することになった――そんなドキドキするシチュエーションを描いた漫画『兄の妻と旅行する話』が人気を集めています。作者は漫画家の朝賀庵(@Asg_iori)さん。

 主人公・航の兄には“自慢の兄”がいます。イケメンで成績も優秀、性格もよく、航の周囲は兄の話でもちきり。「俺の世界は常に兄の存在がついてまわる」――“自慢の兄”ですが、コンプレックスも感じていました。

楽しく旅行していた2人でしたが……

 そんな彼が出かけた家族旅行。両親も兄も来られなくなり、兄の妻・茜と2人だけで行くことに。実は茜のことが好きな航。茜と過ごすつかの間、ささやかな幸せをかみしめる航ですが、思わず彼女に迫ってしまいます。しかし、航が兄を裏切ることはしないと冷静な茜。

 「…何で兄貴なんですか」――自身が発した問いに、兄との差を突きつけられる航。運動も勉強もできて人当たりよくい、優しくて完璧で。それでいて人知れず努力もしていた兄をそばで見ていて、自分をみじめに感じたことを思い出します。

 しかし茜は、航と兄は似ていると言うのです。自分に構わず、他人のために行動できるところが似ていると。そして彼女の話から、自分のことなど気にもかけていないと思っていた兄が、自分の言葉をきっかけに変わったことを知り、航は「自分を一番見ていないのは自分だった」と気付くのでした。

 茜への思いはかないませんでしたが、彼女の言葉によって劣等感から解放された航の表情はすがすがしく見えます。切ないながらも前向きな結末は、明るい気持ちになれるさわやかな読後感を残してくれます。

 読者からは「後腐れない終わり方だけどちょっぴり切ない…いやすごく切ない!!!」「読んだ後すっごく爽やかな気持ちになりました………」「全て分かった上で告白して、全て理解した上で断るのが、とにかく尊い」といったコメントが寄せられています。

 『兄の妻と旅行する話』は2018年に漫画サイト「ジャンプ+」に掲載された読み切り作品。朝賀さんは現在同サイトで、故郷に彼女がいながら隣人の人妻に引かれていく青年を描いた『さっちゃん、僕は。』を連載しています。

『兄の妻と旅行する話』

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