消失面積は北海道より広く、数万匹のコアラが犠牲に オーストラリア森林火災の現状をまとめた図解に関心が集まる
「生きもの図解」シリーズの著者・ぬまがさワタリさんがイラストで解説。
2019年9月頃から続いているオーストラリア森林火災の被害状況や考えられる原因、支援先などについてまとめたものを、イラストレーターのぬまがさワタリさんがTwitter(@numagasa)とブログ「沼の見える街」で公開しています。
公開されたイラストは全部で4枚。1枚目では焼失面積の広さや生き物の被害について触れており、死亡・負傷・すみかを失うなどの影響を受けた生き物は推定で約10億匹(シドニー大学のサイトにも同様の数値が書かれています)。既にあまりに膨大な数字ですが、被害の全容は火災が収束しないとわかりません。
2枚目のイラストでは、森林火災に大きく関わっていると思われる「インド洋ダイポール現象」について解説。この現象が例年以上に強烈で、非常に乾燥している地面を太陽が熱することで発火リスクが高くなったとしています(BBCの気象予報士さんの解説動画)。
インド洋ダイポール現象とは
1.インド洋西側の海面温度が上昇する(雨量が増えてアフリカ東部で洪水が起きる)
2.インド洋東側のオーストラリア周辺に冷たい水が集まって雨が降りにくくなり、干ばつになる
3.西側で発生した上昇気流が(インドネシアを経由して)乾いた空気となり吹き下る
3枚目のイラストにはウオンバットやカモノハシなどの動物が登場。オーストラリアに分布している生物の固有種の多さに気付かされます。南半球であるオーストラリアの夏本番は1月〜2月。被害の拡大が懸念されます。
4枚目のイラストは信頼できると思われる支援先のまとめ。負傷したコアラの治療の為に寄付を募っている病院(ポートマッコーリー・コアラ病院)や野生動物救護団体(WIRES)などが紹介されています。
ぬまがさワタリさんの著書『図解 なんかへんな生きもの』の表紙はカモノハシ。その他の著書でも多くのオーストラリアの動物を取り上げています。LINEスタンプ「こわいぞ!いかくアニマルズ」にはオーストラリアの動物がたくさん登場しており、1月分の売り上げは全額寄付に回すとのこと。
なお、1月22日には世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)とヤフーが共同でオーストラリア森林火災支援募金の窓口を開設。集まった寄付金は全額、WWFジャパンよりWWFオーストラリアに送金し、野生生物の保護や生息地の回復等の活動に活用するとしています。
画像提供:ぬまがさワタリ(@numagasa)さん
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