抽象的な条文は避けられないか〜巨大ITプラットフォーマー規制法案
不当な行為を禁止事項として法律上明記することは見送りか。
ニッポン放送「ザ・フォーカス」(1月28日放送)に中央大学法科大学院教授・弁護士の野村修也が出演。巨大企業IT企業を対象とした規制法案について解説した。
巨大IT企業への規制法案、概要が明らかに
政府のデジタル市場競争会議は、「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の規制強化に向けた新しい法案の概要を決定した。大規模な通販サイトや、スマートフォンのアプリストアの事業者を対象に、契約条件の開示や運営状況を政府に毎年度報告することを義務付けて透明性を高める。弱い立場に置かれる取引先企業を不当な契約から守る狙い。
森田耕次解説委員)通常国会に提出される巨大IT企業の規制強化に向けた新しい法案。その概要が決まりました。大規模な通販サイト、スマートフォンのアプリストアの事業者を対象に、契約条件の開示、運営状況を政府に毎年度報告することを義務付けたと。政府はこれまで一方的な不利益変更といった不当な行為を禁止事項として法律上明記することを検討してきたのですが、変化のスピードが早い事業の性質、巨大IT側からの強い反発に考慮して、禁止事項を盛り込むところは見送ったようですね。
野村)このプラットフォーマーというのは結局のところ、みんながサイトをつなげることによってサービスを享受する仕組みですよね。人がどんどんそこの上に乗ってくる場所を提供する業者のことで、今回はそういったプラットフォーマーのなかでも特別に規模の大きい「特定プラットフォーマー」を規制しようとしているのですよね。ターゲットはアマゾンやアップルのような巨大企業です。
森田)対象企業は売上高や市場シェアを基準とするようですね。GAFA、楽天など国内外の数社も含まれそうですね。
大手プラットフォームが強さ増す〜弱い立場の消費者や中小企業などを守る規制
野村)とにかくそこにつながっていないとサービスを受けられないということで、どんどんみんながプラットフォームに乗る形になるわけですよね。それで最終的にいちばん懸念されるのは、みんなが寄ってくるような仕組みを最初は提供しておいて、たくさん人が集まってから条件を急激に変えてしまうようなことが起こると、そこから逃れられなくなってしまい、辞めるに辞められなくなります。最初から厳しい条件だったら参加しなかったのに、ということが後から行われても、もう逃げられなくなる可能性に着目しているわけです。やり過ぎてしまうと優越的地位の乱用や不公正な取引などの独占禁止法に触れてしまう可能性があるので、それはそれでいままで通り規制していこうと。ただ、それに該当しないようなケースであったとしても、情報をしっかりと開示させることや、その届出をするといったルールをつくることによって、一般の消費者を守っていこうという話になっているのですよね。
森田)基本的には取引先の中小企業を守ろうということになるのでしょうか。
野村)日本の場合、この規制については独占禁止法をベースにものを考えます。それが日本の目指そうとしている道なのです。例えば、ヨーロッパは個人情報保護法を使って規制していくという流れがあるのですが、そのなかで日本は独占禁止法を使うと。結局、巨大企業と弱い企業の間で、弱い企業を守るというような発想から規制をつくっていこうという仕組みになっているのですよね。
森田)一方で、禁止事項という不当行為のようなものを盛り込むところは見送ると。確かに、こういう事業は何が禁止と言われてもどんどん進歩していきますからね。そこが難しいのでしょうか。
野村)結局のところ、抽象的な条文になってしまって、何が禁止されているのかわからないということになっていくのですよね。もし罰則みたいなものを盛り込んでいくのかということになると、ルールは「何をしたら罰則があるのか」というところをはっきりとさせなければいけないのですが、将来に向けていろいろな行為を含むような概念にしようとすると、どうしても漠然とした言葉になってしまいます。それでは規律が難しいと言えるのです。
規約や基準の明確な説明が義務付けられる
森田)我々利用者はどうなのでしょうか。サイトで検索するといろいろな表示が出ますが、そういう表示の順番を決める基本的な基準も説明するということが、新しい法案には盛り込まれそうですね。
野村)いまは、どういうことに自分たちの情報が使われるのかまったくわからないのですよね。利用するときに「ある特定のサービスに魅力があるから」ということで、みんなそのプラットフォームに乗ってしまうわけです。自分で入るときには適当に同意して入ってしまいますよね。規約を読んでから同意することになっていますが、急いでサービスを受けたいと思うと、先にまず同意してしまいますよね。実はちゃんと書いてあってもわからないというケースがあるので、それをもっと明確にしていく。どのような不利益があるのかわかってもらうという仕組みも大事だということです。
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