「24時間」「全国一律」が必要なのか〜いまの日本に合ったコンビニビジネスのあり方

なぜ24時間になったのかを考えるきっかけに。

» 2020年02月01日 11時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(1月29日放送)に作家・ジャーナリストの河合雅司が出演。これからのコンビニの営業形態について解説した。

フォト ニッポン放送「ザ・フォーカス」

経済産業省、コンビニ改革の最終案まとまる

コンビニの課題を議論する経済産業省の有識者検討会が、最終報告書案をまとめた。上昇する従業員の人件費の一部をコンビニの本部が支払うことや、フランチャイズ契約の短期化など、オーナーの負担軽減に向けた施策が柱で、持続可能な経営を目指した改革の必要性を訴えている。最終報告書案は2月6日の検討会で公表される。

森田耕次解説委員)コンビニの経営をめぐっては、特定の地域に集中的に出店する戦略や、ドラッグストアなど競合店との競争で売上が頭打ちになる反面、人手不足で人件費が上昇し、厳しい経営を迫られているコンビニ加盟店も多い状況になっています。ただ、コンビニは料金収納の代行や地域の防犯、災害時の拠点といった多様な役割を担っています。本部と加盟店との間の利益や、コストの配分方法、契約内容を見直して持続可能なビジネスモデルに再構築することが課題となっています。コンビニの課題を議論する経済産業省の有識者検討会は、2019年12月に骨子案を公開したのですが、そのときには画一的な24時間営業の見直し、食品廃棄削減の取り組み推進などを盛り込んでいました。今回まとまった最終報告書案では、これに加えて上昇する従業員の人件費の一部をコンビニの本部が支払うことや、フランチャイズ契約が長いところだと15年くらいの契約になっているのを、短期化することなどが盛り込まれたということです。現状、従業員の人件費は加盟店の負担が原則になっているようですね。人件費が経営を圧迫する問題になっているのを、本部と折半しようということです。

河合)食品ロスも、廃棄費用について加盟店側に負担を求めているところがあり、いろいろな意味で本部の言うことをこなそうとすると、加盟店の経営を圧迫するようなことがありました。その一部を本部が負担するようにという提言になっているのでしょう。

フォト ニッポン放送「ザ・フォーカス」

24時間営業の意義

河合)今回の一連の動きを見ていると、全国一律サービスというフランチャイズ契約そのものが問われているのだろうと思います。どこへ行っても同じようなサービスを受けられるのが強みだった故に、加盟店において個別でいろいろな判断をされると困るということで、裁量権を制限して行くということになるわけですが、(個別店舗の)経営をしているのは個別の事業主です。本部側の裁量権があまりにも強くなり過ぎてしまうと、今回の食品ロスの問題や人件費が高騰して行くことにみられるように、個別の事情に対応できなくなってしまうので、このバランスをどう取って行くのかということです。これはコンビニに限らず、(他業種も含め)フランチャイズのお店全体に言える話です。更に考えると、社会全体が縮んで行く状況にあるなかで、深夜帯にどれだけのお客さんが来るのかということです。なぜ24時間になったのかをもう1度考える、いいきっかけだと思います。1995年ごろから生産年齢人口が減り始めました。国内消費マーケットが縮み出したのもそのころです。それをまかなうために夜まで営業して、「眠らずに消費してほしい」というビジネスモデルをここまでやって来たのです。しかし、あれから国民は高齢化して、夜中まで生活できる年齢の人が減って来たので、(もはや深夜営業というのは)割に合わなくなっているのですね。

森田)確かに、そんなに夜遅く買い物に行く元気はないですね。

河合)24時間やっているのがコンビニだという意見はもっともなのですが、いまの時代に合わせたコンビニエンスを考えて、そのなかでフランチャイズのあり方を考えるような議論の積み上げ方をしないと、これから先やって行けなくなるところが増えてしまうと思うのです。

フォト ニッポン放送「ザ・フォーカス」

時代に合わせた経営形態を考える〜消費者の減少

森田)少子高齢化の人手不足も大きいということですね。

河合)人手不足も大きいのですが、その次に起こる消費者不足の方が問題なのです。そのなかで全国一律のサービスを届けて行けるのかという話です。

森田)持続可能なビジネスモデルにするということは、場所によって経営形態を変える必要があるかもしれませんね。

河合)朝だけやっているコンビニがあったり、夜中だけやっているコンビニがあったり。それでもいいと思います。

森田)早起きの高齢者の方は、朝だけやっているコンビニはいいかもしれませんね。

河合)フランチャイズ全体のなかで、いろいろな形態をつくって24時間に対応する方法もあるので、いろいろなやり方を考えてもらいたいですね。

森田)24時間が当たり前ではなくなって来ると。地方ではコンビニを頼りにしている方も多いです。

河合)でも、それが24時間であるべきなのか、ということとはまた別の話なのです。

森田)地域によって役割も変わって来るのかもしれませんね。

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