「飼育員が考えるパンダの見どころ」「名付け親になるには?」 パンダ沼の住人が語るパンダの魅力
アドベンチャーワールド協力のもとお届けするコラムの第3弾!
パンダ好きライターによるパンダの楽しみ方をお届け! 第3回では「パンダの見どころ」「パンダの名付け親になるには」について解説します。
一度足を踏み入れると、沼のようにズブズブと沈み込んでいく。日常に潜んであなたを誘う「パンダ沼」。足先でもいいので、浸してみませんか。沼の住人でもあるパンダの飼育員さんも巻き込んで、パンダが愛される秘密を暴きます(3/5)。
こっそり教えて、パンダの見どころ!
パンダの見どころはやはりパンダ座りでモリモリと竹を食べている姿。パンダは竹を食べては寝るの繰り返し。食べたらすぐに寝ちゃうんです。同じ所で動かないパンダ……。他にパンダの見どころは? 毎日パンダを見ている飼育員さんなら、独自の視点があるはずと思い聞いてみました。
なんとオススメはパンダの寝姿。「いろいろな寝方をしているので、そこを見てほしいです」と飼育員さん。なるほど、みんな個性的な寝方をしていますね。お母さんの良浜は水場近くで寝ていることが多いし、木にぶら下がって寝る子もいます。さらに小さく丸まって眠る子も。
飼育員さんいわく「パンダラブにはガラスもありませんし、寝息も聞こえそうなパンダとの距離感も魅力です」。パーク内にある、希少動物繁殖センター パンダラブには、桜浜、桃浜、彩浜の3頭のパンダが暮らしています(2020年2月現在)。暑さが苦手なパンダのために、エアコン完備の快適空間! 私たちとパンダを隔てるガラスもないんです。さらに観覧通路は180度の半円状になっていて、パンダの寝姿もバッチリ見られちゃいますよ。
「もう一つは竹の食べ方。まず葉っぱをこそいでから、幹をかじるなど、各自工夫があるんです」と飼育員さん。名前の由来がネパール語の『nigalya ponya(竹を食べるもの)』から来ているという説があるほど、竹が大好きなイメージのあるパンダ。「永明は片方の足で上手に腕を支えて食べる姿がかわいいんですよ」と、同行した広報さんが教えてくれました。
永明は、葉をざーっと口でしごいて食べます。和歌山県勲功爵「わかやまでナイト」の称号を持つパンダ永明の、高貴かつ豪快な笹の食べ方をご覧あれ。
さらに子育ての時期しか見られない授乳シーンも見どころの一つ。飼育員さんによると「授乳は時間が決まっていないので、お母さんと赤ちゃんのタイミングによりますね」。朝一なこともあれば、夕方のこともある。見られるかどうかは運のようです。なお、パンダは大体1年で子離れします。
パンダの名付け親になりたい!
みんなの最大の関心事。それはパンダの名付けではないでしょうか。アドベンチャーワールドでは、同園で生まれた子パンダの名前を一般公募しています。応募数は2016年生まれの「結浜」が5万6565通。2018年生まれの「彩浜」では12万2421通と、なかなか狭き門です。
同園のパンダの出産は子育てを挟むため、2年に1回のペース。筆者はパンダが生まれる前から、常に次のパンダの名前を考えています。響きのキレイな漢字、読み方の美しい漢字を発見したらすかさずメモ。「赤パンにステキな名前を付けてあげたい……!」 人間もパンダも、名付けは一大イベントなのです。ちなみに赤パンとは赤ちゃんパンダのこと。「赤パン パンダ」で検索してみてください。かわいいお宝写真がいっぱいでてきますよ。
パンダが自分の名前を理解しているのか。ちょっと疑問ですよね。パンダには、犬と霊長類の間くらいの知能があると言われています。犬の知能は人間で言うと、だいたい2〜3歳くらい。とするとパンダには、3歳児くらいの知能はあるはず。3歳児の発達の目安の中に「名前を呼ばれて返事ができる」というものがあります。パンダは返事はしてくれませんが、理解していると思われるのです。飼育員さんも、お世話の際にはパンダの名前を呼びます。呼びやすくてすてきな名前を付けてあげたいですね。
(つづく)
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