如月の花、梅。「探梅」「賞梅」「送梅」と令和の梅見を楽しもう!
立春を終え、雨水を迎える季節。雪が雨に変わり、雪解けが始まる季節とされています。とはいえ、これからまだ雪が降ることもあり、人間界の私たちは病気予防の対策はまだまだかかせません。
一方、自然界はいち早く春の兆しをとらえ、ゆるやかに新しいエネルギーが動き始めています。2月如月(きさらぎ)の由来はまさに、「衣更着(きさらぎ)」が転じ、厳しい寒さに備え重ね着をする季節(衣を更に重ねる)という意味のほかに陽気が更に長くなっていく月として「気更来(きさらぎ)」、春に向けて草木の生命が動き出す「生更木(きさらぎ)」などの説もあるとされています。
そのような自然界の春の兆しを知らせるのが梅の花。1月下旬〜5月上旬まで、約3ヶ月間かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。南北に長い日本列島、あなたのお住まいの近くで梅の見頃が始まっているかもしれませんね。今回はそんな「梅」にまつわるよもやま話を綴っていきます。
『六名木』をご存知? 梅の種類を知ってさらに梅見を楽しもう
梅は中国原産の花ですが、日本では奈良時代から栽培され始めたといわれています。江戸時代、武士の間で梅園芸が大ブームとなり梅の文化が花開きました。
梅見で有名な水戸の偕楽園は、江戸幕府最後の将軍慶喜の父、水戸藩第九代藩主・徳川斉昭によって造園されました。江戸時代に品種改良が盛んに行われ、現在偕楽園は約100品種・3000本の梅の名所として、毎年梅まつりが開催されています(今年は2月15日(土)〜3月29日(日))。
早咲きの梅を一輪一輪探しながら楽しむことを「探梅」、咲きそろった梅を楽しむことを「賞梅」、散りゆく梅を惜しみながら愛でることを「送梅」というそうです。このように、春を待ちわびつつ、段階を踏んで変化を楽しみ観賞するのが梅見のポイントです。
中でも、江戸の伝統を引き継ぎ、香りや色、形が優れた六品種が『水戸の六名木』とされています。それぞれの特徴を知っているとさらに観賞が深まりますね。
虎の尾(とらのお)
八重咲きの中輪で、開き始めが薄紅色。開花後白くなるのが特徴です。
江南所無(こうなんしょむ)
明るい紅色の厚い花弁、大輪で雌しべを抱え込むように咲くのが特徴です。江南地方(中国)にこれ以上の梅はないという意味で名付けられたという説があります。
烈公梅(れっこうばい)
烈公は徳川斉昭の別称で、斉昭公にちなんで名付けられたもの。蕾は濃いめのピンク、開くと薄紅色の大輪で、一重咲きです。
月影(つきかげ)
よい香りが特徴です。また明るいグリーンの蕾と、さわやかな白梅の花びらの輪郭が美しく豪華です。
白難波(しろなにわ)
やや早咲きで白い中輪の花を楽しめます。ほころんだときの微かな淡紅色が開花したあとも花の外側に残るのが特徴です。
柳川枝垂(やながわしだれ)
一重咲きの薄紅色中輪。つぼみは濃紅色の萼(がく)に包まれていますが、開花すると萼は反り返り、淡紅色の花弁が現れます。
見て愛でるだけではない! 梅栽培を身近に楽しんでみよう
世界的にブームになっている盆栽。梅は盆栽でも楽しむことができます。
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿
このような言葉があるように、盆栽の手入れにはコツが必要なようですが、もう少し気楽に、梅の実も楽しめる果樹はいかがですか?
梅干しや梅ジュースが楽しめる南高梅などの苗木が、今の季節ホームセンターなどで購入できます。
梅ジュースや梅ジャムには、まだ若い黄緑色の果実を、梅干しにするなら完熟した黄色の果実を収穫します。
参考:庭先で育てるおいしい果樹:ウメを育てよう(タキイ種苗株式会社 タキイネット)
新元号「令和」になって初めての梅見! 「梅花の歌」を改めて味わおう
新元号「令和」がスタートし「令和」の出典として、日本最古の歌集「万葉集」の「梅花の歌三十二首の序文」が話題となりました。
令和2年ではありますが、実は令和最初の梅の季節。せっかくなら、梅見を楽しんでみませんか?「花」といえば、当時は桜ではなく梅をさしていたとのこと。梅は百花の長とされ、松竹梅に見られるように吉祥のシンボルです。
わが園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の流れくるかも
大伴旅人(おおとものたびと)が、「雪かと思えば、梅の花びらだったか、天からふる雪のように美しいなぁ」と感嘆したように、梅の花には神々の世界をイメージさせる気品がありますね。
「万葉集」の「梅花の歌三十二首の序文」は、万葉の歌人で武人でもあった大伴旅人の太宰府にある邸宅で開かれた梅花の宴の様子が記されたもの。
時に、初春の令月にして、気淑く風和ぐ。梅は鏡前の粉を披く、蘭は珮後の香を薫す
「折しも、初春の佳き月で、空気は清く澄みわたり、風はやわらかくそよいでいる。梅は佳人の鏡前の白粉のように咲いているし、蘭は貴人の飾り袋の香のように匂っている。」(引用:新版 万葉集一現代語訳付き(角川ソフィア文庫))
感覚を研ぎ澄まし、まだ続く寒さの中に春の兆しを感じ取り、自然の息遣いを味わい楽しむ心が表現されています。
日本文化に脈脈と培われてきたもの、これから未来へ日本が培っていくものに思いを馳せてみると、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」よう、令和に込められた願いが伝わってきます。
どうぞ暖かくして梅見をお楽しみください!
関連リンク
関連記事
- 新元号を祝う「令和 慶祝カラー」発表 春を知らせる日本の花にちなみ「梅」「すみれ」「桜」
「自然の美しさを愛でる穏やかな日々が未来永劫続くように」と、日本流行色協会が選定。 - 自分だけの梅シロップや梅酒が作れる梅体験専門店、チョーヤ梅酒がオープン
家庭で梅シロップや梅酒が作れるキットも販売。 - 昭和の駄菓子がまた1つ 「梅ジャム」が2017年末に製造終了、唯一の作り手が体力の限界で引退
1948年に紙芝居の駄菓子として生まれた、梅の花本舗の「梅ジャム」が製造終了に。 - 梅や桜、ボタンにバラ―― 花を描くコツをまとめた図説が参考になると話題に
注力すべきポイントは花によりますが、どれも台座や花心の位置を最初に決めるのが大切のようです。 - リアルな青梅がゴロゴロ 本物そのまんまでおいしそうな「梅酒のミニチュア」が瓶詰めでかわいい
クオリティーの高いストラップ感がたまらない……。
Copyright (C) 日本気象協会 All Rights Reserved.
-
誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
-
「玄関にでっかい亀梨居る」 亀梨和也がまさかの誤字に「なんかごめん」と謝罪 突然の本人登場に「これ笑ったw」「そりゃビックリする」
-
実家を探索中に発見した30年前のカーディガン、娘が着てみると…… 意外な結果に「昭和世代の服はガチモン」「おかあさん尊敬」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
沖縄の「廃墟ホテル」をリノベ中、ミステリアスな事態発生→壁を壊してみると……「ヒェッ」 めげない投稿者に「ポジティブですごい」と称賛
-
【今日の計算】「6×11÷3−2」を計算せよ
-
「北朝鮮のアニメーターが関与疑い」報じられたアニメ制作元がコメント 「事実関係を調査中」
-
「虎に翼」出演俳優、桜井ユキの結婚相手は誰? 2022年にドラマ共演者と結婚発表
-
【今日の計算】「2+13×2−6」を計算せよ
-
東京メトロ、東西線の一部期間終日運休を“まさかの方法”で告知 「これで知らなかったとは言えない」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」