今日書きたいことはこれくらい:「バトルコマンダー 八武衆修羅の兵法」が人にはおすすめしにくいけど俺は大好きなんだ、という話 (1/2)
全然おすすめされてないのになぜか遊びたくなってくる……。
皆さん、「好きだけど人におすすめしにくいゲーム」ってありますか?
しんざきは、自分が好きなゲームや漫画を布教したいためにWebにいるようなものなので、基本「好きなゲーム」は人に薦めたいですし、「面白いからやれ!!! やっても損はしないぞ!!!!」と主張したいです。自分が好きなゲームをおすすめして、おすすめした相手にそれが刺さるとめちゃくちゃうれしいですよね。
そんなしんざきにも、ときには「いやこれ、俺は好き、大好き、超好きなんだけど、人におすすめしていいものかどうかはかなり考えるな……」っていうゲームがあります。
それは、例えば「楽しめるようになるまでに越えなければならないハードルが高すぎるゲーム」だったり、「楽しむためにかなり特殊な資質を必要とするゲーム」だったりします。
例えば、以前@tekken8810さんの記事で知った、「LA-MULANA(ラ・ムラーナ)」。私はあのゲームを、「今の時代にドルアーガの塔を攻略するような気分を楽しめるとは……!!!!」というテンションで超楽しむことができたのですが、楽しむためには恐らく相当の探求心と根気、そして何よりも数知れない失敗とその果ての達成感を楽しめるマゾ的な資質が必要だろうな、と判断しているため、人に積極的におすすめはしていません。
例えば、竜を育てるRPGである「サンサーラ・ナーガ」や「サンサーラ・ナーガ2」。私はこのゲームものすごく好きなんですが、その魅力の極めて大きな部分に「独特の世界観とシナリオ」というものがありまして、それが恐らく割と人を選ぶ内容であるため、こちらも手放しにおすすめはしにくいところがあります。桜玉吉先生が描くインド風味のごった煮世界、けどシナリオ自体は割とシビア、みたいなのが好きならぜひおすすめしたいんですが。
で、そんな、「大好きだけどおすすめがしにくいゲーム」の最右翼に、とあるSFCのゲームタイトルがあります。
そのゲームの名前は、「バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法」。
1991年12月にバンプレストから発売されたこの鬼作こそ、本記事で取り上げたいと考えている、数あるキャラゲーの中でも異様な存在感を放つ一作なのです。
「SDザ・グレイトバトル」世界観のRTS
まず、「バトルコマンダー」がどんなゲームなのか、皆さんに簡単に説明したいと思います。
バトルコマンダーというゲームを一言で表現すると「SDザ・グレイトバトルの世界観で、リアルタイムストラテジー(RTS)をガチでやってしまったゲーム」ということになると思います。
ガチで。いやホントガチなんですよ、このゲーム。
プレイヤーは、常に時間が進み続けている中、ロボットアニメのロボットたちを擬人化したキャラクターたちでユニットを編成して、索敵をして発見した敵と戦い、都市を占領して収入を確保しつつ、マップごとに決められた目的を達成することを目指します。
バトルコマンダーはキャラゲーでして、プレイヤーは「機動族」「日出族」「魔神族」の中から1つの勢力を選び、その勢力を率いて戦うことになります。機動族は主にガンダム系ユニット。日出族はエルガイムやドラグナー系のユニット、魔神族はマジンガーZやゲッター系のユニットを擁しています。
複数のタイトルのロボットやヒーローが入り乱れて戦うというと「SDザ・グレイトバトル 」とか「スーパーロボット大戦」シリーズが思い浮かびますよね。ちょうどゲームボーイの「スーパーロボット大戦」が発売されたのが同じ1991年の4月、「SDザ・グレイトバトル」が前年の1990年のゲームなので、スーパーロボットものクロスオーバーというジャンルは、ちょうどこのころから積極的に展開されていったという印象があります。
で、プレイヤーは当初、3つの勢力による三つどもえの戦いを制していくことを目指すのですが、途中から新しい敵の存在が示唆されて、最後は3つの勢力を統合して、真の敵との闘いに臨んでいくことになります。
世界観的にはこのゲーム、「SDザ・グレイトバトル」に近いものがありまして、オリジナルキャラクターもかなりの部分かぶっています。ロアとかエミィとか結構重要な役どころで出てくるんですが、このゲーム基本的にゲーム内ではほとんど設定を説明しないので、SDザ・グレイトバトルを遊んでいなかったプレイヤーは「?????」となったのではないかと思います。
楽しむまでのハードルがどう考えても高すぎる
まず言っておかなくてはならないのですがこのゲーム、システムが恐ろしく複雑です。説明書は驚きの90ページというブ厚さなんですが、その分量をもってすらゲームの仕様を説明しきれていません。まして、「俺は説明書を読まずに取りあえずゲームを遊ぶぜ」というスタンスの人など、まず戦闘を開始するところまでたどり着くだけでも一苦労でしょう。
ゲームの仕組みには、本格的なリアルタイムストラテジーに必要な要素が一通りそろっており、ユニット編成から補給・兵站(たん)の概念、占領と防衛の概念、索敵の概念、訓練やらアイテム生産やら給与設定やら兵器開発やら、プレイヤーができることは恐ろしく幅広いです。
しかし、このころのゲームには特段珍しくないことですが、ゲーム内にチュートリアルなどという軟弱なものは一切存在しません。「ん? 君説明書読んでもいないのにスタートボタン押したの?」と言わんばかりの漢仕様です。
試しに、「ゲームを開始して、取りあえず戦闘をするまでにプレイヤーがしなくてはならない操作」を列挙してみましょう。
- 編成コマンドから空きユニットを選び、さらに指揮官を選んでそのユニットに指揮官を登録する
- 兵士リストに移動して、ユニットに登録する兵士を選ぶ
- それぞれの兵士ごとに使用する装備を選んで装備させる(やらなくても戦闘はできるがまともに戦うには必須)
- 装備ごとに必要な補給用のアイテムをそれぞれの兵士に持たせる(やらなくても戦闘はできるが遠出するには必須)
- 出撃コマンドからユニットを選択して、ユニットを選びユニットを出撃させる
- そのままだと戦闘行動をとらない通常待機状態なので、必要に応じて部隊コマンドから「戦闘待機」「戦闘移動」など戦闘行動をとる行動に切り替える(重要。これを忘れていると一生敵に反撃でき来ない)
- 上記を必要なユニット数分繰り返す
――いかがでしょうか。
もちろん上記は「必要最低限」な手順に過ぎませんで、実際には索敵部隊に索敵をさせて敵を発見するノウハウ、中立都市を攻撃して都市を占領して収入を増やすノウハウ、範囲攻撃を使ってまとめて敵にダメージを与えるノウハウ、補給ピースから弾薬を補給するノウハウ、兵器を開発して長距離ミサイルを利用するノウハウ、ウィザーディで魔法を使うノウハウからステルサーで塹壕を設置するノウハウまで、このゲームには数知れない「ゲームを遊ぶためのノウハウ」があります。それら全てをゲーム内から学習することはほぼ不可能、説明書を熟読してすら読み取れない部分はあり、プレイヤーにはさまざまな試行錯誤が求められます。
さらにこのゲーム、バグなのか仕様なのか、遊びにくい部分やバランスがとれていない部分もあって、プレイヤーの試行錯誤に強烈なノイズをたたきこんでいます。
- 給与設定によって指揮官の「カリスマ」が上下する仕様があるのだが、一番レベルが高い指揮官に合わせて一律に設定しないとカリスマがガンガン下がり、部隊から兵士がガンガン逃げ出す
- そのため、上記仕様を知らないと、「強いユニットとしてレベルが上がれば上がるほど、指揮官として使い物にならなくなる」という状況が発生する。知っていれば知っていたで、給与のためにお金がガンガン減る
- 決定ボタンがBボタンでキャンセルボタンがAボタンと、スタンダードな操作系の逆なので慣れるまで非常に操作しにくい
- 一部のユニットの武器の射程が多分バグっており恐ろしく強い(具体的に言うとバルハラキュベレイのバストレーザー)
――とまあ。ざっと読んでいただいただけでも、このゲームが恐ろしく複雑で、奥深く、かつ遊びにくい、ということは分かっていただけたのではないかと思います。「楽しめるまでのハードルが非常に高い」。私がこのゲームを人におすすめしにくい理由です。
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