「著作権を侵害していることが明らかとなりました」 癒しアイテム「もにまるず」の作者がダイソーでの類似品の販売中止求めた問題、販売企画会社が謝罪し和解
作者は和解の提案を受け入れ、「ぷにゅぷにゅアニマル」は一定期間の販売再開を行うという。
もにもにした触り心地が人気のフィギュアシリーズ「もにまるず」に酷似した商品が100円ショップの「ダイソー」で販売されていた問題(関連記事)で、「ダイソー」に商品を卸していた販売企画会社が「商品の一部が、株式会社エムループ及び渡部学様の『もにまるず』と明らかに類似しておりその著作権を侵害していることが明らかとなりましたので、深く陳謝致します」と謝罪し、和解したことがねとらぼ編集部の取材で明らかとなりました。
「もにまるず」は、独特のもにもにっとした触り心地が特徴のさわって楽しむポリウレタン製の手作りのフィギュア。「にわとり」や「ひつじ」や「うさぎ」など、全100種類の動物がラインアップされているほか、「リラックマ」「カピバラさん」「ミッフィー」といった人気キャラクターとコラボした商品も人気を集めています。
作者がダイソーで類似商品を発見、抗議
そんな「もにまるず」ですが、2019年5月に作者の渡部学さんが100円ショップの「ダイソー」を訪れた際、「ぷにゅぷにゅアニマル」という名称の類似品を発見。
「ダイソーで売られているこれ、もにまるずのコピーじゃないのかな?いままでコピー品についてほとんどツイートしてこなかったんだけど、これに限らずコピー品がめちゃくちゃ多くて、本当にやめてほしい。旅行とか遊びで街を歩いてて突然コピー品を見つけた時の気持ちわかる?」とツイートし、「ダイソー」を展開する大創産業に販売中止を求めました。
大創産業側は渡部さんの代理人を務める東京フレックス法律事務所の中島博之弁護士からの抗議文について「調査するが、基本的には製造メーカーに責任がある。商品はすでに終売している」との見解を示していたものの、「ぷにゅぷにゅアニマル」を企画・販売した「アート商会アンドー」側は渡部さん側との話し合いに弁理士を同席させて、「フィギュアに著作物性が認められるかどうかは疑問」「1商品につき3円のライセンスフィーを支払うのでそれで手打ちにしてほしい」「現状数千万円分の在庫を抱えており、倉庫代などもかかるのでなるべく早く販売再開をしたい」と主張。話し合いが続いていました。
「アート商会アンドー」側、責任を認めて謝罪
事態が動いたのは2月19日のこと。「アート商会アンドー」が公式サイトにて次のような謝罪文と報告を掲載したのです。
平素は弊社商品に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
このたび,弊社が中国より輸入して株式会社大創産業を通じて「ぷにゅぷにゅアニマル」の名称で販売していた商品の一部が、株式会社エムループ及び渡部学様の「もにまるず」と明らかに類似しており、その著作権を侵害していることが明らかとなりましたので、深く陳謝致します。
当該商品は、著作権者様から著作権を侵害している旨の申告を受けた2019年8月より販売を停止しておりましたが、この度、著作権者様と弊社との間で和解が成立し、著作権者様の特別の許可を得て販売を再開することになりましたので,ご報告申し上げます。
ただ し、当該商品は著作権者様監修の元、作成されたものではございませんので、著作権者様が販売する「もにまるず」と混同がないようにご配慮頂ければと存じます。
なぜ円満な和解に至れたのか。ねとらぼ編集部は販売停止を求めていた作者の渡部さんと、中島弁護士にお話を伺いました。
――「アート商会アンドー」の公式サイトには和解したとありましたが、具体的な内容はどのようなものですか。
渡部:(1)著作権侵害について謝罪・告知を行う。(2)著作権侵害行為に対する解決金を支払う。(3)「ぷにゅぷにゅあにまる」の在庫については、作者監修の正規ライセンス品と誤解を受けないよう配慮した上で、在庫に限り期間限定で販売を許諾する。というものです。
――著作権侵害があったと「アート商会アンドー」が認めるまでの経緯を教えてください。
渡部:以前の記事にあるように、当初はフィギュアに著作物性が認められないのではないかと、先方の弁理士の方に言われ、とてもショックを受けました。
その後、代理人の中島博之弁護士の主導で、先んじて「もにまるず」の著作権登録(※)を行い、文化庁にも「もにまるず」が著作物であることを認めてもらいました。
(※)著作権登録制度……著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生しますが、文化庁の著作権登録制度を利用すると、著作権関係の法律事実を公示する、あるいは著作権が移転した場合の取引の安全を確保するなどのことができ、登録の結果、法律上の一定の効果が生じさせることができます。
訴訟になった際には、著作権侵害の前提となる著作物性を争点にするのではなく、類似しているフィギュアを販売したことに責任があるか否かが主要な争点となる状態にしていただきました。その上で、粘り強く交渉いただいた結果、今回の和解が成立いたしました。
なお、著作権登録を行ったことは相手方に伝えていませんが、こちらが主張している全てのフィギュアについて著作権侵害があったことを認めていただきました。
――ダイソー側は今回の和解に際してどのように言っていますか。
渡部:ダイソー側は和解契約の内容を確認したと聞いておりますが、それ以上は分かりません。
――和解の提案を受けた際、 渡部さんの心境はいかがでしたでしょうか。
渡部:当初から著作権侵害を認めたうえでの解決を希望していましたので、和解ができて安心しました。
――期間限定で特別にぷにゅぷにゅあにまるずを販売することを許した経緯を教えてください。
渡部:著作権を侵害したとはいえ、数十万個のフィギュアが廃棄されることは同じフィギュア製作者として思うところもあり、先方からも「期間限定でもにまるずと混同が起こらない形で販売させて欲しい」と強い要望がありましたので了承いたしました。
――最後に今回の騒動を経て、感じたことがあれば教えてください。
渡部:ある日、日本中の量販店で類似品が販売開始され、最初はとても戸惑いましたが、著作権に詳しく、保護活動にも熱心に取り組んでいる中島博之弁護士に依頼したところ、早急に販売停止にしていただいた上、著作権登録や満足のいく和解まで実現していただきました。
権利を守るためには、侵害にあった時にまずは声をあげなければ事態は変わりません。しかし、専門家ではないとその後どのように行動するかも定まりません。実際、今回、中島弁護士には著作権登録や知財調停などいろいろなプランをたてていただきました。
当初は相手が大手量販店でしたので、抗議することにも躊躇(ちゅうちょ)しましたが、勇気をもって声をあげて良かったと思いますし、一緒に戦ってくれる方が現れたことにも感謝しています。
何より、もにまるずは、私が美術大学生だったころから10年以上作り続けてきた思い入れのある作品ですので、そのブランドを守ることができて本当に良かったと思います。
今回の和解については文化庁の登録制度を使って「もにまるず」を登録したとのことですが、交渉が決裂し、訴訟になった場合でも、著作物性が否定される可能性をなくすことで、著作権者様に安心して頂ける状態になったのではないかと中島弁護士。渡部さんにとって「もにまるず」は大切な作品ですので、「著作権侵害等については今後とも厳正に対処する所存です」とコメントしました。
(Kikka)
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