森永卓郎が提言〜ふるさと納税の泉佐野市除外は法治国家の否定だ
過去に行儀が悪いということだけで「無期限謹慎」?
「垣花正 あなたとハッピー!」(3月4日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。ふるさと納税をめぐり、新制度から大阪府泉佐野市を除外した総務省の判断について解説した。
ふるさと納税訴訟で泉佐野市の除外取り消し請求を大阪高裁が棄却
1月30日に泉佐野市をふるさと納税制度の対象自治体から除外したのは違法だと、泉佐野市が総務省を訴えました。大阪高裁は泉佐野市の請求を棄却し、国側の勝利で泉佐野市は仲間はずれにしていいという判決を出しました。これは司法の自殺行為だと思います。泉佐野市は最高裁に上告しています。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税は納めている住民税の1割程度が限度ですが、参加料2000円を払えば、自治体に寄付した金額が全額自分の税金から控除され、お礼の品をもらえるという仕組みです。台風や地震被害など、被災地への寄付という目的でも使われていますが、返礼品を目的に寄付している人が多いです。
地元特産品以外に家電や自転車を返礼品に
泉佐野市は関西空港のすぐ向かいにあるところで、「りんくうタウン」という副都心に投資をして、市が借金を抱えています。そのため、派手に立ち回りました。2018年度は税収で497億円という、とてつもない額を集めたのです。これはふるさと納税全体の1割近くの額で、圧倒的にトップでした。当時は禁止されていませんでしたので、地元の特産品にこだわらず、家電や自転車に至るまでいろいろなものを揃えました。これに対して総務省が、地元特産品を返礼品にするという、ふるさと納税の趣旨に反すると怒ったのです。泉佐野市の言い分は、「地元の家電販売店から揃えているのだからいいでしょう」ということでした。
国として2019年6月にルールが決まる
地方税法が改正され、2019年6月以降は返礼品の調達額が寄付の3割以下で、地場産品を提供するというルールを国が決めました。泉佐野市はルール通りに行うと襟を正しました。ところが新制度のもとでは、「総務省が認めた自治体がふるさと納税の対象となる」という条件も付いたのです。泉佐野市は従うと言ったにもかかわらず、過去の問題があるので仲間外れにされたのです。
ビールに見られる税制と規制逃れのいたちごっこ
日本では刑事事件でも、罪刑法定主義により法律でダメだということを決めて、それに違反したら捕まります。しかし、法律で禁じられなかったことで捕まることはありません。特に税制というのは、規制と規制逃れのいたちごっこです。例えばビールで言うと、1994年にサントリーが『ホップス』という発泡酒を出して、税金が安いのでみんな買いました。すると、財務省は2003年に発泡酒の税率を引き上げて対抗しました。そこでビールメーカーは第3のビールをつくりました。それにまた需要が集中したので、財務省は2023年に第3のビールというカテゴリーを廃止して、発泡酒に一本化すると言っています。そういうことを繰り返しているのです。
過去に行儀が悪いということだけで「無期限謹慎」となった泉佐野市
財務省はサントリーが過去に発泡酒を販売したからといって、「サントリーはビールをつくってはいけない」とは言わないでしょう。泉佐野市もそうです。これが3ヵ月謹慎、半年謹慎というのであればわかります。芸能人で脱税してしまった人でも、半年くらい経つと戻って来たりするではないですか。泉佐野市はルール通りにやっているのに、過去にお行儀が悪く、総務省に歯向かったということを理由に無期限謹慎です。総務省は泉佐野市が土下座して、全面服従したら考えるという態度だと思います。裁量行政というか、昔は官僚がお上で、自治体が大名行列でやって来るわけです。全部言うことを聞くと補助金がもらえたけれど、「それはやめよう、地方分権だ」と言っているわけです。それを裁判に持ち込んだときに、大阪高裁が泉佐野市を認めなかった。
何を地元産品としてみなすのかは総務省のご機嫌次第
何を地元産品としてみなすのかは、総務省のご機嫌次第です。ルールを定めて、みんなに公平に示すべきです。ご機嫌を取るのがうまい自治体は、家電製品を出したりしています。判決の中身を読みましたが、何を言っているのかわかりませんでした。裁判所は行政と独立して正義を貫かなければなりません。何も法律を違反していない人を仲間外れとするのは、最も悪質です。「ルール通りにやります」と言っているのに、仲間外れにするということは違うのではないでしょうか。泉佐野市には最高裁で頑張ってほしいです。
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