きれいにラッピングするだけじゃダメ!? 「あいりすミスティリア!」1周年記念痛車の制作現場でプロの仕事を見学してきました【後編】
痛車作りの現場を取材してきました。
アニメやマンガ、ゲームなどのキャラクターをフィーチャーしたラッピングを施したカスタムカー「痛車」。オーナー自慢の痛車が集まるイベントが日本各地で行われるようになり、広く知られるようになってきましたが、近年では日本だけでなく海外でもじわじわと愛好家が増えています。
今回、そんな痛車の制作現場を取材。PCゲームメーカー「オーガスト」が、DMM GAMESと開発した学園RPG「あいりすミスティリア!〜少女のつむぐ夢の秘跡〜」のリリース1周年を記念した公式痛車の制作を手がけた「じおくりえいと」を訪れて、制作現場からオーナーに届けられるまでを取材してきました。
前後編にわけて、今回は後編です。前編をまだ見ていない人はそちらと合わせてどうぞ。
サイドやリア、細かなところも入念な手作業で仕上げていく
フロントとルーフのラッピングが終わったら、次はいよいよサイドの作業へ。ボンネットは痛車の顔として重視されるポイントですが、サイドのデザインも同じくらい重視されるところ。過去にねとらぼが取材した痛車の数々を見ても、ボンネットとサイドのどちらにも高い熱量を込めた痛車が多く、イラストのレイアウト(配置)だけでなく、パターンやロゴなどの組み合わせ次第で、仕上がった痛車の印象が大きく変わってきます。
今回ベース車両となっているスズキ「スイフトスポーツ」に限らず、パッと見ただけでは分かりにくいのですが、クルマのボディには曲面や段差がたくさんあって、イラストや背景が歪んで見栄えが悪くなることがあります。
そういった点を考慮しながら、ただ「きれいにラッピングする」だけではなくイラストにゆがみがでないように注意を払うことも重要です。ベースとなるクルマによって、凹凸の段差が大きいところなど、ボディに複雑な部分が多いこともあります。じおくりえいとでは、そういったケースにおいてラッピングシートを分割する手法も採用しているそうです。担当者に話を聞くと「どのように分割すれば見栄えと耐久性を両立できるか」の見極めがとてもむずかしいと語っていました。
ボディのサイドからリアにかけて、ラッピング作業はスムーズに進んで、あっという間に完成!
完成した「あいりすミスティリア!コラボカー」は、キャラクター投票1位に選ばれたキャラクター「リディア」をフィーチャーしたデザイン。ピンク、紫、青とミステリアスな雰囲気を漂わせたカラーリングで、ボンネットやルーフ、サイド、リアまで、全体にラッピングが施されたフルラッピング仕様で仕上げられました。
リディアのさまざまな表情を楽しめる多彩なイラストが使われ、施工が難しいと言っていた曲面や段差がある部分も丁寧にラッピングが施されています。
完成したリディア痛車は、公式企画として抽選で選ばれた1人だけに限定販売されました。制作を手がけたじおくりえいとのある埼玉県から、オーナーが待つ愛知県へと自走で運ばれ、某日に無事引き渡されました。
世界で1台だけの痛車を手に入れたオーナーに完成した痛車を見た感想を聞くと「完成度の高い車で、とても満足しています。フルラッピングの車というところも良かったです」と満足気。「大切に長く乗れるようにしていきたいと思います」と語り、今後は痛車イベントへの参加にも意欲を見せていたので、今後もしかしたらどこかのイベントで出会えるかもしれませんね。
(C)DMM GAMES/AUGUST/ARIA
(だい)
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