痛車はこうして作られていた! 「あいりすミスティリア!」1周年記念痛車の制作現場でプロの仕事を見学してきました【前編】
制作開始からオーナーに届けられるまでを取材しました。
アニメやマンガ、ゲームのキャラクターをフィーチャーした独特なデザインで知られ、いまではカスタムカーの1種として定着した「痛車」。週末になれば、日本各地でオーナーたちが集まるミーティングやイベントが開催され、アニメやゲームの大型イベントともなればスーパーカーをベースにした痛車が展示されるなど、オタク業界ではもはや当たり前の存在になっています。
そんな痛車の制作現場はどんなところなのか。今回PCゲームメーカー「オーガスト」が、DMM GAMESと開発した学園RPG「あいりすミスティリア!〜少女のつむぐ夢の秘跡〜」のリリース1周年を記念して、公式痛車を制作して販売すると聞きつけ、その現場からオーナーに届けられるまでを取材しました。
まずは「痛車の顔」となるフロントから作業開始
ねとらぼ取材班が訪れたのは痛車の制作を手がけている「じおくりえいと」。今回制作された1台のみの限定仕様「あいりすミスティリア!コラボカー」は、先日行われたキャラクター投票1位に選ばれたキャラクター「リディア」のフルラッピング仕様となっており、スズキ「スイフトスポーツ」がベースとなっています。この車両はコラボカーの受注時に中古車の中から年式や走行距離、カスタムなど、オーナーの希望に沿って選ばれました。
現場につくとさっそく痛車作りがスタート! 真っ白なスイフトスポーツを、「あいりすミスティリア!コラボカー」へと仕上げていく作業が始まりました。
いきなりラッピング……とはいかず、まずは洗車してボディに付着した汚れなどをしっかり落とし、よく水気を飛ばして脱脂します。この作業がしっかり出来ていないと、ラッピングシートが密着せずに剥がれたり、浮いてしまうので、とても重要な工程なのです。
下準備が終わったら用意したラッピングシートを車両の上に置いて、サイズや貼り方を決めていきます。ラッピングではボンネットやルーフに使う大きなラッピングシートから、企業やブランドのロゴといった小さなラッピングシートまで、大小さまざまなサイズがあり、失敗が許されないためにじっくりと時間をかけて、位置や傾き、全体的なバランスを確認しながらラッピング作業が進められていきます。
車両によって違うボディやボンネットの曲面によって、イラストや文字の見え方が大きく変わってくるので、ラッピングのデザインを考える段階で、すでに曲面を意識した設計が行われていますが、実際にシートを仮置きしてチェックすることで、設計不備がないかを最終確認しているわけですね。
そしていよいよラッピング作業が始まりました。まずはフロントから始めることになりました。じおくりえいとでは、車両の価値を下げないために車両パーツの分解は極力行わず、最終的な品質と作業効率を向上させているそうで、「あいりすミスティリア!コラボカー」の制作では、フロントライトやドアハンドル、ミラーなど、車両の価値に影響を与えないパーツは作業効率を高めるために外し、ドアやボンネットなどは装着したまま作業が行われました。
ボンネットにラッピングシートを乗せて、位置や角度をしっかりと確認しつつ、慣れた手付きでじっくりとラッピングシートが貼り付けられていきました。
ボンネットの次はルーフ(屋根)部分のラッピング作業に移ります。脚立などを使って、ボンネット同様に丁寧にラッピングが施されていきます。
ラッピングシートを貼付けた後は、1日かけて熱処理でシートを密着させていきます。地に足がつかない不安定な体勢でも、しっかりと仕上げていく手さばきは「さすがプロ!」といったところですね。
いよいよ痛車の印象を大きく決めるサイドボディの作業……次回へ続く!
(C)DMM GAMES/AUGUST/ARIA
(だい)
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