漫画「100日後に死ぬワニ」 最高の仲間と舞い散る桜に囲まれて迎える最後のカウントダウン“100日目”
さよなら、ワニくん。
漫画家のきくちゆうき先生(@yuukikikuchi)がTwitterで展開してきた「100日後に死ぬワニ」を、まとめて紹介するこの連載。最終回となる今回は、92日目から100日目(3月12日〜20日投稿)まで、ワニが最後に過ごした9日間を振り返ります。分かっていたこととはいえ、やはり終わるとなると悲しい……。
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作者:きくちゆうき
1986年生まれ。なんだかんだいろいろあって27歳でイラストレーターとして独立。連載:「SUPERどうぶつーズ」(LEED Cafe)、「どうぶつーズの漫画」(幻冬舎plus)、「100日後に死ぬワニ」
Twitter:@yuukikikuchi/Instagram:@yuukikikuchi
92日目
93日目
94日目
95日目
96日目
97日目
98日目
99日目
100日目
憧れの人気商品「雲ぶ」はやっぱり極上の逸品だった
ワニのなにげない日常を、死へのカウントダウンとともにつづってきた「100日後に死ぬワニ」。ワニは運命の「100日目」を迎える前日まで、それはそれは幸せそうでした。まず、届くのを楽しみにしていた1年待ちの人気商品「雲ぶ(雲ぶとん。2日目参照)」が、友人のモグラのツテで手に入ったのです。どれだけのコネなんだよ……。
その夜「雲ぶ」に包まれたワニは、極上の寝心地を味わい、よだれをたらして幸せそうにグッスリ眠りました。良い睡眠をとれたおかげで、目覚まし時計よりも先に気持ちよく起床。その勢いで恋人が勤めるカフェへ繰り出し、優雅に朝を過ごします。
お花見を待ち焦がれてウキウキ! しかし当日は……
良い布団のおかげか、ワニの暮らしは快調そのもの。97日目(3月17日)は恋人や友人を自宅に招き、ゲーム大会を楽しみました。みんなこのために仕事を早上がりしたり休みをとったり、きっちり予定を合わせているあたり、ワニは本当に愛されていますね。
そして季節は桜が花開くとき。ワニは毎年恒例のお花見が楽しみで色めき立ち、仕事が立て込んでいても笑顔で元気に作業しています。
そして99日目、テレビには週末に桜が満開の予報。天気も「お花見日和」だと伝えられ、ワニは満面の笑みを浮かべます。翌日はいよいよ待ちに待った花見。しかし皮肉なことに、その日はカウントダウンが終わる“運命の日”でもあったのでした。
そして死は突然訪れる
そして2020年3月20日19時20分、多くの読者がワニの行く末を案じるなか「100日目」が公開。いつもとは異なる4ページ構成で、花見の日に起きた出来事が静かなトーンで描かれました。
あれほど心待ちにしていた花見に、なぜかワニは遅刻。思うところがあったのか、友人のネズミはバイクで迎えに行きます。
信号待ちの最中にふと見上げると、華々しく舞い散る桜の花びら。美しい風景に見とれたネズミは思わずスマホで撮り、「よくね?」とグループチャットへ投稿します。しかし送信音が「シュポ」と鳴った瞬間、「プップー」と不穏なクラクションも鳴っていたのでした。
そのときワニは何をしていたのか? 漫画に描かれているのは、力なさげに倒れた彼の姿と、1羽の小鳥、そして、ネズミの投稿へ「スゲー!!」「春に来たって感じ〜」と返信されたスマホの画面だけでした。
ワニは以前のように小鳥をかばい、車にひかれながらも力を振り絞って友の言葉に答えたのでしょうか。心優しい彼を見送るかのように、空には無数の花びらが舞い踊っていました。
カウントダウンの先にあったものとは
この悲しくも美しいラストシーンが大反響を呼ぶなか、きくち先生は新たなツイートを投稿しました。リンク先にあったのは、いきものがかりとのコラボレーション動画。「生きる」をバックにワニたちの名場面が流れ、100日間の思い出が巡っていきます。
なかには漫画では描かれていなかったシーンも。特に、ワニが楽しみにしていた映画「ドクターアニマル2」(47日目参照)を、初デートで見られたと分かったときは感慨深いものがありました。
そして、ワニの100日間を収めた単行本も、小学館から4月8日に発売決定。前日譚にあたる「0日目」や、「100日目」後の出来事をつづる、28ページの描き下ろしも収録されているとのことで、ワニの思い出や、彼が恋人や友人、読者に残したものを振り返れる1冊になりそうです。
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ワニ、ありがとう。
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