意外と知らない「都道府県の花」あなたの街はどんな花?
各地で「平年より早い桜の開花」を更新している2020年の春ですね。筆者の住んでいる東京でも、春分の頃には満開に近い桜の木をあちこちで目にしました。子供の頃は入学式くらいまで桜の花が咲いていた記憶があるのですが、最近は4月を迎える前に花が散ってしまう印象があります。ところで、桜は菊と共に日本の国花なのだとばかり思っていたのですが、日本では国で定められた花というのは存在しないのだそうです。しかし、都道府県では桜を「都道府県の花」としている地域もあります。今回はその都道府県の花をご紹介します。
桜をシンボル花にする都道府県は?
桜を都道府県の花と指定するのは4地域ありました。「東京都・ソメイヨシノ」、「山梨県・ふじざくら」、「京都府・しだれ桜」、「奈良県・奈良八重桜」です。
東京都の花、「ソメイヨシノ」は江戸末期〜明治初期に、現在の豊島区駒込が染井村という地名であった頃にその地の植木職人によってヤマザクラが品種改良されたものなんだとか。東京都のシンボルの花となったのは、昭和59年6月の都の花選考会によるものでした。
山梨県の花に「ふじさくら」が制定されたのは昭和29年。富士の裾野を彩るふじざくらは、豆桜とも呼ばれるように、高さも他の桜に比べると高くなく花も小ぶり。富士の厳しい雪や風に耐えて育つふじざくらに「和と忍耐」を象徴するとも言われています。
京都府の花に指定されている「しだれ桜」は、別名「いと桜」と呼ばれるように、しなやかな枝ぶりと薄紅色の花が京情緒そのものであると言われています。「優美」という花言葉がついているのもうなずけます。
奈良の花を「奈良八重桜」としたことは、昭和43年3月に告示されました。奈良八重桜は、桜の中でも遅咲きで他の種類の桜が咲き終わった後に見頃を迎えるため、春が延長されたような嬉しい気分にさせてくれる種類の桜です。
桜以外の都道府県の花いろいろ
桜以外の都道府県の花はどんなものがあるでしょうか?
「北海道・ハマナス」「青森県・りんごの花」「岩手県・キリ」「宮城県・ミヤギノハギ」「秋田県・フキノトウ」「山形県・紅花」「福島県・ネモトシャクナゲ」「茨城県・バラ」「栃木県・やしおつつじ」「群馬県・レンゲツツジ」「埼玉県・サクラソウ」「千葉県・なのはな」「神奈川県・ヤマユリ」「新潟県・チューリップ」「富山県・チューリップ」「石川県・クロユリ」「福井県・スイセン」「長野県・りんどう」「岐阜県・れんげ」「静岡県・つつじ」「愛知県・カキツバタ」「三重県・ハナショウブ」「滋賀県・シャクナゲ」「大阪府・サクラソウ、梅」「京都府・しだれ桜(府の花)、嵯峨ギク・なでしこ(府の草花)」「兵庫県・ノジギク」「和歌山県・ウメ」「鳥取県・二十世紀梨の花」「島根県・ボタン」「岡山県・ももの花」「広島県・モミジ」「山口県・夏みかんの花」「徳島県・すだちの花」「香川県・オリーブ」「愛媛県・みかんの花」「高知県・ヤマモモ」「福岡県・ウメ」「佐賀県・クスの花」「長崎県・雲仙ツツジ」「熊本県・リンドウ」「大分県・豊後梅」「宮崎県・はまゆう」「鹿児島県・ミヤマキリシマ」「沖縄・デイゴ」
このように、各都道府県ごとに多種多様な花が指定されています。なんとなく由来のわかるものもあれば、そうでないものもあるかもしれませんね。この機会に、気になった「地域の花」の指定された由来を調べてみるのも面白いかもしれませんね。
また、各都道府県のホームページには、シンボルの花だけでなく「木」「鳥」「魚」「獣」などが指定されていて、告示までの決定経緯などについても書かれていたりしますので、是非チェックしてみてくださいね。所縁のある地域のシンボルやその由来を調べてみるのも面白いですよ。
<出典>
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