抗インフルエンザ薬「アビガン」〜開発への2つのポイント

もともとは新型インフルエンザの治療薬として開発されていた。

» 2020年04月06日 19時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月6日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。抗インフルエンザ薬「アビガン」を30ヵ国に無償提供するというニュースについて解説した。

フォト アビガンに米政権関心 アビガンの錠剤(ロイター=共同)=2020年4月1日 写真提供:共同通信社

「アビガン」30ヵ国に無償提供

菅官房長官は3日、新型コロナウイルスの感染拡大に関して抗インフルエンザ薬「アビガン」を希望する国に無償で供与することを表明した。外交ルートを通じて、現時点でおよそ30ヵ国から要請があるという。

飯田)一方で国内では、備蓄200万人分を目指すということも報じられています。

須田)なぜ200万人分を確保するのかというと、SARSのときの苦い経験があるのです。結果的にSARSは収束に向かい、その際にワクチンや治療薬の研究がストップしてしまったという経緯があります。なぜストップするのかというと、収束すれば買い手がいなくなるからです。アビガンについては、もし万が一収束へ向かったとしても、200万人分は買うということです。だからどんどん治験をしてください、開発を進めてくださいという意味があるのだと思います。

フォト ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

アビガン開発の2つのポイント

須田)ポイントは2つあります。1つは資金面で、政府がどういった資金的なバックアップをするのか。メーカーは商業ベースでないと後ろ向きになってしまったり、スピードが遅れたりしてしまうので、資金的なバックアップは絶対に必要です。これは緊急経済対策に盛り込まれるということなので、その点はクリアしています。もう1つは、治験のプロセスです。これも日本の場合には、ものすごく時間がかかると言われて来ましたから、スピードアップをどう図るのか。安全性を確保してのスピードアップが求められると思います。

飯田)偽薬を使って比較するなど細かい治験をして、万が一にも副作用で人が亡くなることがないと証明しなければいけないので、時間がかかるという話がありますね。

フォト 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議=2020年2月24日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

新型コロナの治療薬とワクチンの開発が急務

須田)もともとは新型インフルエンザの治療薬として開発されて来たのですが、「まだできていなかったのか」というところもあります。もちろん副作用もあるので、慌ててやるということも問題なのですが、ここはスピードアップが必要です。もう1つ必要なのは、ワクチンです。治療薬に加えて、ワクチンの開発も全力で取り組んで欲しいところではあります。

飯田)見出しにあった30ヵ国に無償提供ということですが、求めている国が多いということでしょうか?

須田)新型コロナウイルスのいちばんの問題点は、ワクチンと治療薬がないということです。重症になったとしても対症療法しかないので、今後は発展途上国を中心に感染拡大が見込まれているなか、日本だけの問題ではなく、国際社会も治療薬を強く求めています。

飯田)これを日本国内で囲い込むのではなく、求める国には出して行く。日本の存在感という面でも、いろいろな効果がありそうですね。

須田)国際貢献の一環として、治療薬については日本も主導的役割を果たすべきだと思います。

フォト G20首脳のテレビ会議に臨む安倍晋三首相(右)=2020年3月26日夜、首相官邸[内閣広報室提供] 写真提供:時事通信

継続的な治験、諸外国との協力も必要

飯田)中国はアビガンの有効性を書いた論文を取り下げましたが、その理由がよくわからない。それもあって、日本国内では治験を続けて行くようです。

須田)治験については国際協調という枠組みが必要だと思います。アビガンについては国内の治験ということになっていますが、それ以外にも有用性が予想されるような治療薬については、例えばアメリカとの共同治験にも動いていますから、そういう国際協調の仕組みが必要なのだと思います。

飯田)いまは患者が増えていて、治験で助かる命もあるかもしれないし、情報も集まります。

須田)1度これが緊急事態宣言などで収束へ向かったとしても、再流行する可能性を秘めているだけに、治療薬の開発は積極的にするべきです。

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