【指数関数的な増え方】数学の基本から理解する“新型コロナで外出自粛などが求められる理由”(1/2 ページ)
ニュースでよく耳にする「指数関数的な増え方」、ちゃんと分かっていますか?
現在世界を震撼させている新型コロナウイルス。そのニュースで「感染者数は指数関数的に増える」と言っているのを聞いたかもしれません。
この“指数関数的な増え方”がどのようなものかご存知でしょうか? 次の有名なクイズに答えてみてください。
【クイズで確認】“指数関数的な増え方”とは
Q:1分ごとに2倍に増える細菌がいるとします。この細菌をビーカーに1匹だけ入れたところ、1時間後にビーカーの半分まで増えました。さて、この細菌がビーカーに満杯になるには、あと何分かかるでしょうか?
答えは、1分です。なぜでしょう。
この細菌は1分で倍に増えます。ということは、ビーカーの半分を占めている状態からさらに1分たつと半分の倍に増えます。半分の倍ですから、当然満杯ですね。意外と直感的に答えるのは難しかったんじゃないでしょうか?
もうひとつ、似たクイズをやりましょう。
Q:1分ごとに数が2倍に増える細菌がいるとします。この細菌を最初、10匹用意しました。さて、10分後には何匹になっているでしょう?
シンプルな問題ですね。1分ずつ計算してみましょう。
最初10匹いた細菌は、1分後には2倍に増えて、20匹になります。2分後にはさらに2倍になって、40匹になります。3分後にはさらにさらに2倍になって、80匹です。
この調子で続けていくと、10分後には9回2倍に増えることになりますから、結局次のように計算できます。
- 10分後の数=10×2×2×2×2×2×2×2×2×2=5120匹
なんと、たった10匹しかいなかったのに、5000匹以上にも増えるのです! 11分後には1万匹を超えます。
これらのクイズから分かることは「倍々に増える現象って、思ったよりも早く増えるんだな」ということです。そして、まさにこの倍々に増える現象こそが、「指数関数的に増大する現象」と呼ばれるものです。
もう少し正確に言うと、増え方が2倍である必要はなく、a倍であれば指数関数的と呼ばれます。特に、aが1より大きいと増大し、逆に1より小さいと減少します。1のときは指数関数的とは呼びません。
これを数式では、次のように書きます。
要するに、指数関数的な現象とは「現在の数が、最初の数のa倍、a倍、a倍……した数になるような現象」のことなのです。
指数関数で考える新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの感染者も指数関数的に増えると言われます。なぜでしょうか? それは1人から複数人に感染するためです。
1人の感染者が新たに感染させる平均の人数を「基本再生産数」と呼びます。この値が大きければ大きいほど、感染者の増え方が大きくなります。
例えば、次のようなクイズを考えてみましょう。
Q:あるウイルスの基本再生産数は2.5人です。最初10人の感染者がいたとします。この人たちから直接感染した人を2次感染者、2次感染者から感染した人を3次感染者、3次感染者から感染した人を4次感染者……と呼ぶことにします。では、10次感染者は何人になるでしょう? また、10次感染者までの累計の感染者は、何人でしょう?
2.5という数は単なる例です。新型コロナウイルスの場合、基本再生産数はまだはっきり分かっていないようです。
さて、感染者1人から平均2.5人に感染するのですから、10人いたら10×2.5=25人に感染します。これが2次感染者の数です。3次感染者は、これをさらに2.5倍します。すると62.5人、四捨五入して63人です。4次感染者はさらに2.5倍、5次感染者はさらにさらに2.5倍です。
結局、10次感染者までいくと、10人を9回2.5倍することになるので、このようになります。
- 10×2.5×2.5×2.5×2.5×2.5×2.5×2.5×2.5×2.5=38147人
なんと、3万8000人を超えます!しかもこれは、10次感染者の数です。ここまでの累計では、もっと大きな数になります。
指数関数的増大の累計は、「等比数列の和の公式」というものを使って計算できます。説明は省きますが、計算してみると6万3000人超え。
最初はたった10人だったのに、9回感染するだけでこんなにも増えてしまうのです。
ところで、2倍ずつ増える細菌の例では、9回目で5120匹になりました。しかし1人から2.5人に感染するウイルスの例では、9回目で38147人に感染しました。2倍から2.5倍に変わっただけで、結果は7倍以上にもなってしまったのです!
これが指数関数の特徴のひとつです。aの値がちょっと増えただけで、何回かあとの結果が大きく増えるのです。逆に言うと、aの値を少し減らすだけで、あとの結果も大きく減らすことができます。
感染症対策のポイントは、まさにここにあります。
基本再生産数はウイルスの性質によって決まりますが、実際に感染する人数は人々の行動によって変えることができます。この変えたあとの値を、「実効再生産数」と呼びます。
仮に「新型コロナウイルスの基本再生産数=3」「人々が他人との接触を減らすなどして、実効再生産数が基本再生産数から8割減した」としましょう。
このとき、実効再生産数は0.6となり、最初の感染者数が1万人だとしても10次感染者は101人にまで減ります。
現在新型コロナウイルスは世界を震撼させていますが、あれこれ考えるのは専門家たちの仕事で、われわれにできることはただひとつ。実効再生産数を少しでも減らして、感染者数を指数関数的に減少させることだけです。
これからゴールデンウィークが始まりますが、連休中もなるべく家にいましょうね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
“月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
-
“プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
-
100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
-
「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
-
鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
-
「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
-
日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」