同じランチなのに時間で価格が違う!? “密”を避ける定食屋さんの対策が話題呼ぶ
ダイナミックプライシングを導入し、ランチタイムの「三密」を防止。
ある飲食店の、時間によってランチの値段を変える「ダイナミックプライシング」が興味深い取り組みだとしてTwitterで注目を集めています。
お店の常連のKohei Katada(@kkatada)さんがランチタイムの価格表を投稿。12時1分から13時と、ランチライムど真ん中な時間帯の値段は1500円なのに対して、14時以降は800円とピークの約半額になっています(※価格は変動しており、記事執筆時は最高額で1300円)。
お店は北参道駅(東京都渋谷区)にある座席数12席の「お食事処 asatte」。「毎日一品だけの定食屋」として、ランチタイムと夜に1メニュ―だけの定食を提供しています。つまり、同じメニューなのに時間帯によっては700円もの差があるということなのです(なお17時からラストオーダー21時30分までは1000円)。
飲食店では見たことのないような料金設定ですが、Twitterでは「これは良い取り組み」「お客さんも行く時間を考えられる」「ホテルだってシーズンは値段が上がるから、いいかも」など肯定的なリプライが目立ちます。
ツイートに書かれている「ダイナミックプライシング」とは 、同じ商品やサービスでも、需要が多い時期や時間帯に価格を高くし、逆に少なくなるときには安くするという方法で、航空運賃や宿泊料金に取り入れられています。
この「ダイナミックプライシング」を導入した理由や、混雑緩和の効果について、asatteのオーナーである田中一央さんにお話を聞いてみました。
密にならずに営業再開するための「ダイナミックプライシング」
asatteは新型コロナウイルス感染拡大を受けて、3月中は休業し、4月1日〜5月31日まではテイクアウトのお弁当のみを提供していました。自粛の影響で店の売り上げは落ちたものの、2カ月の間に盛り返しつつあり、利益を出せる目途も立っていたといいます。ダイナミックプライシングが導入されたのは、店内飲食を再開した6月1日からでした。
営業再開に際して、感染拡大を防ぐための混雑防止と、事業継続を考えたときに出てきた方法こそが、ダイナミックプライシングでした。
「当初は席数を減らし、入場制限をかけての営業として再開する方向で考えておりましたが、ソーシャルディスタンスと言われる新たな価値観が長期間継続していくという前提に立ったとき、入場制限という考え方では事業の継続は不可能になります。事業継続は会社にとってもお客さんにとっても良いことだと思っているので、双方が少しずつ負担し、双方が少しずつ利益を受けるということがお店を続けるうえで最も大切と考え導入を決めました」(田中さん)
時間帯によって同じメニューの金額を変えるという形で、店内が「密」な状態を避けるために営業再開とともにダイナミックプライシングを開始。
「再開当初から価格のシステムを変更していますので、旧システムだった場合どうだったかとの比較ができませんが、少なくともコロナ以前と比べると混雑回避の効果はありました」と田中さん。さらにお客さんの反応も好意的なようです。
ただ、以前の通常営業と比べると利益そのものは低下。現在、価格と利益についてのデータを集め分析し、利益を最大化できる価格設定を模索しているそうです。
「定食メニューは1種類だけ」の理由
ちなみにasatteの定食メニューは1種類だけなのですが、それには何か理由があるのでしょうか。田中さんは「選択肢が多いことは良いことである」は「思い込み」だとし、次のように続けました。
「考えてみると、実家で生活していたときには選択肢はありませんでしたよね。親が用意した食事を文句を垂れつつも食べて満足していましたし、今や懐かしいとすら感じています。決して選択肢が多いことだけが良いことではなく、無意識に食べることができる実家のような場所でありたいと考えました」(田中さん)
さらに多くの飲食店では食材や調味料の産地をアピールするところが多いですが、asatteではある程度食材を吟味しつつも、あえてそれを押し出すことはしないそうです。
「産地や生産者を前面に出して特別感を演出するという手法に、正直なところちょっと飽き飽きしています。実家の母がどこどこ産の野菜となになに牛を使って……なんて言い始めたら引いてしまいます。一般的な食材を使い、プロの料理人が一生懸命作れば、絶対においしいものができるという考えがあります」(田中さん)と、食材についての情報を押し出す手法に押しつけがましさを感じているようです。
他にはないスタイルに挑戦しているasatte。今後の飲食店の営業の形に、影響を与えるのでしょうか。
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【追記】 - 「会社の食堂+社会の食堂」がコンセプトの「社食堂」 スタッフの健康管理と社会の健康管理を
社員の食堂であり、お客さんに向けた食堂でもあります。
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