小淵沢駅「そば屋の天むす(駅弁135周年記念バージョン)」(750円)〜駅弁135年! 駅弁とは何か(3)
米、水、海苔の大きさをはじめ、さまざまなこだわりが詰まった「そば屋の天むす」! ふたを開けたときに「うわ〜っ!」と感動してしまう駅弁の1つです。
【ライター望月の駅弁膝栗毛】
135年前の明治18(1885)年、日本鉄道の大宮〜宇都宮間(現・東北本線)開業と共に誕生したとされる「駅弁」。
「駅弁膝栗毛」では、この駅弁135年に合わせ、日本鉄道構内営業中央会の沼本忠次(ぬまもと・ただつぐ)事務局長にお話を伺いながら、これまでの足跡を振り返っています。
今回は、現在のコロナ禍、そして、これからの展望についても伺いました。
―駅弁135年、駅弁屋さんの形も大きく変わりましたね?
沼本:昭和40年代(1960〜70年代)までの駅弁は、駅ホームでの立ち売りが中心でした。
しかし、新幹線の開業や特急列車のスピードアップによって、これまでの形態では、商売が立ち行かなくなり、「車内販売」へと活路を見出していきました。
沿線の駅弁業者が国鉄の認可を受けて、車内販売の会社を設立し、全盛期には、全国で20社以上の「車内販売」の会社がありました。
―しかし、その車内販売も、いまではかなり少なくなりつつあります。
沼本:人件費などの問題で車内販売員の確保が難しくなりましたし、設備面では、車販基地の問題も生まれてきました。
加えて、駅構内の売店やコンビニエンスストアが充実したことで、手軽に軽食や土産を買い求めることができるようになりました。
このため現在は、中央会に加盟している業者は、100社を割り込んでいます。
―そのなかでの「コロナ禍」……「いまがいちばん厳しい」と話す駅弁業者も多いですね?
沼本:(以前から云われてきたことですが)「駅だけではダメ」ということですね。
特に東京駅への輸送駅弁を頑張っていた業者さんも多かったんですが、これでは東京がダメになってしまったときに、共倒れになってしまいます。
まずは、地元を中心に、駅以外の販路を拡充させることが、いますべきことです。
さらに最近は、海外に進出して、販売拠点を設ける業者も出てきています。
―「コロナ禍」における、注目すべき駅弁屋さんの取り組みも多かったと感じます。
沼本:若手経営者の業者を中心に、さまざまなチャレンジが生まれています。
姫路を皮切りに、神戸、小淵沢、出水、大館などの駅弁業者ではドライブスルーで駅弁を販売したり、業者同士の相互販売、通信販売に取り組む業者も増えました。
大事なのは、このようないい取り組みを全国の駅弁業者で共有し、水平展開して、コロナ禍を乗り切っていくことだと思います。
―水平展開という意味では、この春、4月10日の「駅弁の日」に合わせて、全国の有志駅弁屋さんで、135周年記念の「おにぎり弁当」を出されたのが記憶に新しいですが、改めて140年、150年と「駅弁」が続いていくために、いま、何が必要でしょうか?
沼本:駅弁の「質」を上げていくことだと思います。
1000円以上の価格帯になっても、コンビニ弁当との差別化をしっかり図ること。
駅弁とデパ地下の惣菜とコンビニの弁当は、すべて役割が違うんです。
駅弁には、ふるさとの味や旅の思い出といった、付加価値がたくさんあります。
ふたを開けたときに「うわ〜っ!」と感動する駅弁を、1つでも増やしたいですね。
(日本鉄道構内営業中央会・沼本事務局長インタビュー、おわり)
【おしながき】
- 天むす 海老天 海苔 きくらげの佃煮
- たくあん
米、水、海苔の大きさをはじめ、さまざまなこだわりが詰まった「そば屋の天むす」。
通常は赤いパッケージですが、今年(2020年)は、個数限定で「駅弁誕生135周年おにぎり弁当」のロゴが入った黒いパッケージで販売されています。
各社で開発された135周年記念のおにぎり弁当、残念ながら4月の緊急事態宣言後に販売されたこともあり、お目にかかることができなかった方も多い筈……。
事態が一定の収束を見たら、ぜひ改めて一堂に会する機会があると嬉しいものです。
「おにぎり2個、たくあん2個」から始まったとされる、ニッポンの「駅弁」。
窓が開く普通列車から、窓が開かない特急・新幹線へと、旅の主流が変化するなかで、その販売形態も変えながら、各駅弁屋さんの努力で発展を遂げてきました。
「駅弁とは何か」、それは私たちの食文化が詰まった小箱であり、時代の鏡でもあります。
135年の節目、未曽有のコロナ禍を経て、駅弁はまた新たな一歩を歩んでいきます。
(参考文献)「日本鉄道構内営業中央会70年史」「駅弁小史」「汽車辨文化史」ほか
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
関連リンク
Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.
-
庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
-
「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
-
イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
-
夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
-
水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
-
「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
-
「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
-
スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
-
工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
-
外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
- プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
- 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
- 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
- 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
- ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
- 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
- もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
- アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
- スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
- 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
- 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
- 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
- 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
- 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
- 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
- かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
- 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
- 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
- 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
- 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」