警報機も遮断機もない踏切「第4種踏切」って何?

必ず止まって安全確認を!

» 2020年08月14日 20時30分 公開
[少年Bねとらぼ]

 道路と線路が交差する「踏切」。列車が接近すると「カンカンカンカン……」と警報機が鳴り響き、遮断機が降りてくる……。一般的な踏切のイメージはそんな感じかもしれません。

 しかし、警報機も遮断機もない踏切も存在します。「第4種踏切」といいます。

警報機も遮断機もない踏切「第4種踏切」 警報機も遮断機もない踏切「第4種踏切」
警報機も遮断機もない踏切「第4種踏切」 一般的にイメージする踏切「第1種踏切」 警報機のみで、遮断機のない「第3種踏切」 踏切の先が私有地になっているケースも 「必ず止まって左右安全確認!」の文面 コンクリート柱を警戒色に塗っている

 法令上、踏切には4つの種類があります。一般的な、よくある踏切は「第1種踏切」です。こちらは「踏切警報機と遮断機を備えたもの」が相当します。

 続いて、第2種踏切は「踏切係員が詰める時間帯だけ遮断機を操作するもの」、第3種踏切は「警報機のみで、遮断機のないもの」です。第2種踏切は2020年現在、日本国内にはありません。

一般的にイメージする踏切「第1種踏切」 一般的な踏切「第1種踏切」
警報機のみで、遮断機のない「第3種踏切」 警報機のみで、遮断機のない「第3種踏切」(Wikipediaより)

 そして、警報機も遮断機ないし保安係設置のいずれも行われていない、第1種・第3種以外の踏切道が第4種踏切です。首都圏を走る大手私鉄では京成電鉄に1カ所、東日本旅客鉄道(JR東日本)にも青梅線の青梅以西や八高線の拝島駅以北などに存在し、踏切数全体の約8%(2018年度)を占めます。第1種踏切は約90%、第3種踏切は約2%です。

 総務省が実施した「第4種踏切道の安全確保に関する実態調査」によると、2018年度の踏切事故のうち第4種踏切道での事故が14.9%、100カ所あたりの事故件数が第1種・第3種の約2倍になる1.28件あるとし、安全上の大きな課題と位置付けています。では、なぜ残っているのでしょうか。

踏切の先が私有地になっているケースも 踏切の先が私有地であるケースも

 もっとも多いのは、その踏切が必要とされていることです。生活のため「その踏切を通らなければ行くことのできない家や畑がある」、「大幅な迂回を強いられる」などの生活上やむを得ない状況があり、簡単には廃止に踏み切れないケースがあります。

 廃止ができなければ、第1種踏切へ格上げすればいいと思うかもしれません。第4種踏切の多くは地方や中小私鉄に残っています。事業者単独で新たに第1種踏切を整備するのは、設置費//維持管理費の面から困難である課題があります。

 国も「第10次交通安全基本計画」や改正された踏切道改良促進法で、踏切事故をなくすため、踏切保安設備の整備改良や踏切そのものの統廃合を推進しています。実際、踏切の数はかなり減ってきています。

 ただ踏切道改良促進法における「要対策」の法指定踏切は、道路法による道路と鉄道が交差する踏切が対象で、「道路法による道路以外の道路」と交差する多くの第4種踏切は対象外である現状もあります。そのため第4種踏切における安全確保対策の議論も進められています。

「必ず止まって左右安全確認!」の文面 「とまれみよ」「必ず止まって左右安全確認!」の文面
コンクリート柱を警戒色に塗っている コンクリート柱を警戒色に塗って注意を促している

 都市部ではあまり姿を見ない第4種踏切ですが、2019年3月末時点でも日本には2652カ所の第4種踏切があります。旅行などでもし第4種踏切を渡る機会があったら、必ず止まって左右の安全確認を十分行ってから渡るようにしてくださいね。

少年B



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/17/news022.jpg 【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
  2. /nl/articles/2403/18/news022.jpg 1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
  3. /nl/articles/2403/17/news063.jpg 「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
  4. /nl/articles/2403/17/news047.jpg 北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
  5. /nl/articles/2403/18/news042.jpg 生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
  6. /nl/articles/2403/15/news126.jpg 「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
  7. /nl/articles/2312/29/news019.jpg 「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
  8. /nl/articles/2403/18/news025.jpg “おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
  9. /nl/articles/2403/18/news056.jpg 大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
  10. /nl/articles/2403/18/news064.jpg 赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  2. 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
  3. 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
  4. 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
  5. 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
  6. 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
  7. 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
  8. 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
  9. 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
  10. 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」