税金滞納通知はめちゃくちゃポップな封筒で届く 税金を払わないと、差し押さえまでにどんなことが起きるの?

ある日、銀行でお金が下せなくなっていたら「差し押さえ」かもしれません。

» 2020年12月16日 18時35分 公開
[さんきゅう倉田ねとらぼ]

 ある日、お金を入れているはずの銀行口座が引き出せなくなっていた……住民税を払わず、差し押さえを受けた人から実際に聞いたエピソードです。

 差し押さえはいわば行政の「最終手段」。それが実行されるまでには、どのようなできごとがあるのでしょうか? 元国税局員の芸人・さんきゅう倉田が解説します。

さんきゅう倉田

大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉は「増税」。公式サイトTwitter


ある日、預金が突然引き出せなくなる?

 人は窮地に立たされないと、行動しないものなのかもしれない。そう思うことがあります。子どもの頃、8月31日まで夏休みの宿題を放置している同級生がいたように、大人になってからも納税を後回しにし続ける人がたくさんいます。

 税務署や地方自治体から再三に渡る督促があっても、それを無視し、滞納者となることを選び、差し押さえが実施されてはじめて、事の重大さに気付く。それがいかに大変なことなのか、それがいかに良くないことなのか、銀行から預金を引き出せなくなってか知るようでは遅いかもしれません。

 今回は、問答無用で財産を持っていかれてしまう「差し押さえ」について解説します。

差し押さえってどんなもの? 身近だけど知らない「差し押さえ」について解説します

滞納すると、自宅にめちゃくちゃ派手な封筒が送られてくる

 税金には、国に納める国税と都道府県や市区町村に納める地方税があります。どちらも期限までに納めなければ、利息(延滞金)が発生します。年利は毎年変わりますが、ここ数年は9%ほどになっていて、ただでさえ税金を納められない人の大きな負担となっています。

 税金を滞納していると、自宅に督促状が届きます。それを無視していると、預金口座が差し押さえられたり、家にスーツの人たちがやってきたりするのです。

 なお、督促に気付かず、滞納になってしまったという人は聞いたことがありません。滞納する人は2種類です。払いたくても払えない人か、払うつもりのない人。みんな、自分の意志で払っていないのでしょう。

 ちなみに、行政は督促状の送付に配慮しており、東京都文京区では派手なデザインの封筒が用いられています。他の手紙にまぎれても分かるように、黄色や蛍光色のストライプが使用されており、とても目立ちます。

 これだけ分かりやすい手紙を読まずに捨ててしまうのなら、もうできることはないのではないでしょうか。

差し押さえってどんなもの? めちゃくちゃポップなカラーの手紙が送られてきます

実際に差し押さえられた人が言うことは?

 芸人の中には、税金を滞納している人が大勢います。そのうちの1人は「ある日、突然、口座から金がおろせなくなって、記帳したら“サシオサエ”って印字されていたんだ」と言っていました。

 テレビで差し押さえの様子を見ることもあります。地方税の業務を担当する公務員が、滞納者の家に行って、現金や家電、バイクなどを持っていくところをみなさんも見たことがあるのではないでしょうか。滞納者の多くが「いきなり来るな。連絡くらいしろ」と言います。何度督促をしても、滞納者にとっては“突然”なんですね。

 また、作ったばかりの預金口座から差し押さえられたという人もいます。作ったばかりなのに、どうやって口座の存在を把握したのか不思議ですね。

行政は、把握していない預金口座に直接アクセスできるほどのネットワークは持っていません。そのため、滞納者の名前を複数の銀行に1つ1つ照会したのだと思います。

 とはいえ、自治体や国は、強い権限を持っています。預金口座の有無を調べるなど、たやすいことなのです。どうせ手紙を送ってくるだけだろうとたかを括っていると、生活費まで持っていかれてしまう可能性があります。

払えない時は「相談」を

 こうした差し押さえを防ぐためには、まずは、期限までに必ず税金を納めること。それが難しければ、督促を無視せず、しかるべきところに連絡することが大切です。そしてこの連絡先は、手紙を開けば書いてあります。

 期限を過ぎて連絡をしても、怒られることはありません。場合によっては分割で納税ができる場合もあるので、どうしても一括で支払うのが難しい場合はまずは相談してみましょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/09/news133.jpg 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  2. /nl/articles/2410/09/news036.jpg 授業参観のたびに「かっこいい」と言われた父が10年後…… 「時間止まってる?」驚愕の姿が1100万再生 大バズリしたモデルに話を聞いた
  3. /nl/articles/2410/09/news092.jpg 人気日本人TikToker、タイ滞在中に交通事故で意識不明の重体 「サトミを信じてる」家族と友人が詳細や現状を報告
  4. /nl/articles/2410/09/news140.jpg 元“顔ぽっちゃり”のグラドル、ダイエットは「1番の整形」! 衝撃の“別人級ビフォーアフター”で遂げた「ミラクル変身」
  5. /nl/articles/2410/08/news174.jpg 「諦めてて草」 マクドナルドが「大切なお知らせ」投稿→“あまりの内容”に騒然…… そして予想外の展開に
  6. /nl/articles/2410/09/news084.jpg 天皇皇后両陛下、“195センチのタレント”とのショットに注目 そのインパクトに「遠近感バグった」「デカすぎて……」
  7. /nl/articles/2410/08/news177.jpg 医師「これは取らなあかん」→即オペ “体重120kg”彦摩呂、“切除手術”を報告 顎に大きなガーゼを貼った姿を見せる
  8. /nl/articles/2410/08/news031.jpg 子猫がちんまり眠る“猫鍋”→3年後…… 思わず声が出るビフォーアフターに「同一猫さん!?」「うわああああ!」
  9. /nl/articles/2410/09/news055.jpg 「震えが止まらない」何気なく手に入れたディスクの中身に反響 「ロマンがありますね」「文化財ですわ」
  10. /nl/articles/2410/08/news107.jpg 夫妻がお互いを撮影した1枚を比較すると…… 歴然の“差”に「おなか痛いwww」「ここまできたら逆に才能アリ」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  2. 「驚愕の修理代」の金額明かす お見送り芸人しんいち、約2000万円の愛車が故障で「終わった」「お金がないです」
  3. プロ警鐘「エアコン、夏が終わったらコレやらないと……」が530万再生 水漏れや“内部のスライム化”を防ぐコツが目からウロコ
  4. “医療ミス”で両頬に大きな火傷 「鏡見るたび涙が止まらない」フォロワー24万人のモデルが悲痛の声 「周りの目が怖い」
  5. スーパーで買ったニンニクを土に植えると…… ぼこぼこ増える驚きの簡単栽培に「たくさん出来て最高」「植えてみよう」
  6. 「これは合格出せない」 リンガーハットがジョブチューン挑戦→“まさかの不合格メニュー2品”に騒然
  7. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  8. 「本当に56歳…?」 “王騎”大沢たかお、“腕と足の太さがほぼ同じ”の圧倒的肉体を披露 「かっこよすぎる」
  9. モグラに似てる“ヤベぇ虫”を、2カ月育ててみたら…… 感動の展開に「これはマジで凄い」「学術発表レベル」
  10. カインズの「撒くだけで防草できる砂」本当かどうか検証してみたら…… 驚きの結果に「魔法のような砂、買いに行きます!」「これさえあれば」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声