タイトル発表から実に5年、遅れに遅れてやってきた本命馬「ウマ娘 プリティーダービー」そのクオリティーは?:モバクソ畑でつかまえて
モバクソゲーサークル「それいゆ」発起人、怪しい隣人さんによるスマホゲームコラム。今回は話題沸騰中の「ウマ娘」について。果たして待たされただけの価値はあったのか?
令和3年2月、大型コンテンツが次々リリースされる中、月末にいよいよリリースされたコンテンツがありました。「ウマ娘 プリティーダービー(以降ウマ娘)」――タイトルだけは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
こちらの記事(関連記事)に「事前登録3周年は回避!」とひどいタイトルがついていますが、それよりももっと前から「ウマ娘」の話題自体はあったのです。
2016年のサイゲームスのイベントで発表された「ウマ娘」。同期には「プリンセスコネクト!Re:Dive(プリコネ)」「セブンズストーリー」というゲームがありました。なお、この2月で「プリコネ」は3周年、「セブンズストーリー」は3.5周年です。その間、「ウマ娘」はアニメが放送されたりはしたものの、ゲーム自体はずっと“開発中”というステータスのまま過ごしてきました。ここまで開発が長引いたゲームというのはなかなか聞いたことがありません。
なお現在ゲームをプレイすると「事前登録ロングランプレゼント」というトンチキな名目で最高レアがもらえるチケットが配布されています。自分たちでそんなネタを仕込んでくるようなゲームが、果たしてこれだけの歳月をかけただけの価値はあったのでしょうか。個人的には「あった」といいたい出来。その理由について今回は紹介させていただければと思います。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
ウマ娘を育てて継承させ、どんどん強いウマ娘を作っていく
ゲームのジャンルは育成ものです。現実の競走馬をモチーフに擬人化されたウマ娘たちを育成し、レースに勝たせるのが目的。念のため申し上げておきますと現実の牡馬牝馬まとめて「ウマ娘」として女の子になっています。
ウマ娘たちを特訓してパラメータを上げていくのですが、特徴的なのは「育成ウマ娘」と「サポートカード」が別れていることでしょうか。育成するウマ娘に5枚のサポートカードをセットして育てていくことになります。それぞれのウマ娘には現実の競走馬同様、短距離、マイル、中距離、長距離といった距離適性や、逃げ、先行、差し、追い込みといった脚質適正があります。これらに合わせて適切なサポートカードを貼り付けるのがコツなのですが、最初はそんなに気にしなくても大丈夫です。また、馬を育成するといえば競馬をご存じの方や血統や配合という単語を思い付く方もいらっしゃると思います。このあたりは「継承」という形で存在しています。先輩ウマ娘の思いを引き継いでどんどん強くなっていくウマ娘というのは面白い落とし所だなと思いました。
育成ウマ娘とサポートカードにはそれぞれレアリティがありますが、育成ウマ娘の方は今どき流行の「☆1でも素材をつぎ込めば強くなる」というもので、☆3であれば最初から持っている“勝負服”という名の専用衣装も入手が可能です。ただ、素材の入手には相応に苦労します。サポートカードの方は旧来のソーシャルゲームのカードらしく、被ったら重ねることで上位のスキルが解放されていく仕様になっています。
そうやってウマ娘を育てては継承させて成長させ、どんどん強いウマ娘を作ってレースに勝っていくわけですが、このレースの最中は当然ながら見ていることしか出来ません。ただ、グラフィックもさることながら実況が実によくできており、見ていて飽きません。また、後方にいた自分のウマ娘がどんどんと他のウマ娘を抜き去り1着でゴールする瞬間は達成感と爽快感で思わずガッツポーズしてしまうほど。
美麗さ、という意味ではこのレースだけではなく、レースで条件を満たして勝利した後にウマ娘が参加できるライブもものすごいです。曲によっては10人以上のウマ娘が派手なエフェクトともに踊りまくる姿は新時代のグラフィックを見せてくれていると思わされます。なぜウマ娘がレースの後ステージで歌い踊るのかについては深く考えないでください。レースのグラフィックやステージでのダンスを見ているとそのあたりの細かい疑問は吹っ飛ぶレベルのクオリティー。なお、ライブシーンでは横持ち推奨です。一応縦画面でも再生はできるのですが。
レースを勝ち進む目的は勝利の喜びを感じることだけではなく、ウマ娘ごとに与えられたストーリーを読むことにもあります。与えられた期間は3年。その間にウマ娘ごとにさまざまなレースに出ることになりますが、勝ち進めないとストーリーは最後まで読むことができません。また、ウマ娘に与えられた目標全てを達成することで、ゲームオリジナルのレースに出場して勝利を狙うことができます。
ウマ娘の育成では、育成ウマ娘のイベントストーリー、サポートウマ娘のストーリー、このオリジナルレースにまつわるストーリーと大量の物語を読むことで、ウマ娘たちの性格や行動を深く知ることができ、思い入れが増していきます。育成が終了すれば好感度が上がり、育成とは別のウマ娘ストーリーの閲覧や、メインストーリーとして設定されている物語も読むことが可能になります。このストーリーがどれを読んでも面白く、プレイしていて飽きません。ストーリーは複数のウマ娘で絡んでいるものも存在しています。例えばダイワスカーレットとウオッカは設定的にもライバルということからかお話がつながっており、ぜひ続けてプレイされることをオススメします。
最初は育成が容易なサクラバクシンオーがおすすめ
繰り返しプレイしていると、いずれはストーリーも全部読んでしまったウマ娘を再度育成することになるのですが、スキップ機能と短縮機能が大変充実しているため、周回プレイの快適さもバッチリです。
ですが繰り返しが充実していても、ウマ娘が勝てないとストーリーも読めないしウマ娘とも仲良くなれません。勝利できないゲームを繰り返しプレイできるほど忍耐強い人はなかなかいないと思います。そこでオススメなのは4日目の初心者ミッションのターゲットにもなっているサクラバクシンオー。レア度は最低なのですが、そんなものはバクシンする彼女の前には関係ありません。勝ちたいという人はこの子をスピード特化で育ててください。育成でひたすらスピードを選びます。スキルは取れるものは取っていいですが「逃げ」「短距離」この2つに集中します。以上です。本当にこれだけ。ゲームの最初の目標であるURA優勝は確約できませんが、かなり近いところへ行けるのではないかと思います。少なくとも私は3回目のプレイではじめてサクラバクシンオーを育成し、そのまま優勝しました。サクラバクシンオーは公式チュートリアル動画の進行役を務めており、この初心者向けの育成は計算して作っているのだろうな、と思わされます。
同様に、ハルウララもスピード特化型の育成で対応が可能です。できれば最初にハルウララを選ぶのではなく、サクラバクシンオーから継承でスピード系の能力を引き継ぎ、レースに出ましょう。ハルウララのプレイでは「得意なレース場」を選んでプレイすることを学べます。このあたりの分かりやすいウマ娘育成で、感覚をつかんで他のウマ娘育成に挑むのが良いかと。ストーリーもこのウマ娘たちは間違いなくオススメ。特に私ですら「勝てないのが売り」ということを知っているハルウララが、どうやって勝利を目指すことになるのかのストーリーは必見です。
アニメ版も見ればさらに深みに
こんな話をしていると「競馬詳しくないと面白くないのでは?」と思われる方もいるかと思います。繰り返しますが、私はほとんど競馬の知識がありませんでした。それでも十分楽しめています。
さらに深みにハマりたいなら実際の馬について調べるのもありかと思いますが、個人的には現在放映中のアニメ2期をおすすめしたいところ。Amazonプライム・ビデオなどの配信サイトで全話配信されており、いつでも閲覧が可能です。ゲーム開始時に事前登録ロングランプレゼントでもらえる星3チケットには、アニメで活躍しているウマ娘たちが複数います。アニメを見てからどれをもらうか決めるのも一興かもしれません。上に記載した初心者ミッション用のウマ娘はチュートリアルで配布されているものばかりですので、ガチャも含めてアニメを見てからでも遅くはないかもしれません。ごくごく個人的な感想ですが、アニメを8話まで見た後、初回のガチャで星3ライスシャワーを手に入れていて心底良かった、と思ってしまいました。
ここまでべた褒めに褒めてきましたが、ちょっと残念だなと思うのはフレンド関係の仕様。フォローが非常に少なく、枠を増やそうとすると入手しづらいフレンドポイントが大量に要求されます。また、一種のギルドであるサークルへ他のプレイヤーを誘うのに大変手間がかかるのも難点です。人のサークルに入るにはフレンド欄からたどっていけばよいのですが、こちらが誰かをサークルに招待するのにIDの入力が必要なのはちょっと困りものです。無遠慮な勧誘を回避したかったのかとは思いますが、このあたりはもう少し修正をお願いしたいところです。
アニメ、実話、ゲーム、それぞれを楽しむことでどんどん面白さが増すウマ娘。少なくとも私にとっては、ゲームをプレイするだけで「アニメも見よう!」「現実のことも調べよう!」と次々と興味を沸かせてくれるクオリティーのある作品でした。出走までに時間がかかった分、これからも長期的に楽しませていただければ、と思っています。
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