ついにオープン「スーパー・ニンテンドー・ワールド」写真レポート 長い土管を抜けたらそこはキノコ王国だった(1/2 ページ)
ゲームで見たあいつらが「えっ、"いる"じゃん……」という驚き。
3月18日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)の新エリアである「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がついにオープンします。昨年(2020年)夏にオープンする予定でしたが、コロナの影響で後ろ倒しに……。しかしその内容は、開業までに時間をかけただけのことはあるものに。一足先に遊びに行って、一体どんなエリアなのか体験してきました。
スーパー・ニンテンドー・ワールドは、任天堂の代名詞である「スーパーマリオ」シリーズをモチーフとしたエリア。USJらしいライド系のアトラクションやお土産のショップ、レストランなどが全部マリオシリーズ一色というのが特徴ですが、実はこのエリアの見せ場はそれ以外にもある様子。
というわけで早速現地へ直行。スーパー・ニンテンドー・ワールドへの入り口があるのは、ウォーターワールドのエリアのすぐ手前です。USJ内部の地理に詳しい人なら分かると思うんですが、ここは園内でもけっこう奥地。しかも、入り口だと主張しているのは看板くらいです。地味では……?
入り口から進んでいっても、しばらくはコンクリ舗装の道路が続きます。できたてだからキレイだけど、なんだか公園みたい。しかし足元を見ると、見慣れた書体の数字が並んでいます。マンホールの形もなんか変。
6桁の数字が任天堂にとってメモリアルな並びになり、そしてついに「202103」に変化。そこまで歩いたところで目の前に現れるのは、巨大な土管の入り口です。足元にはスーパースター。ここがエントランスなのか。入り口から割と歩くのね……と思いながら土管の中に入ると、グッとカーブした中には緑色の光が流れています。
そして光が流れる土管を抜けると、その向こうはいきなりピーチ城の中。どうやらクッパJr.によってゴールドのキノコが奪われてしまったようです。許せんな。そしてクッパJr.が逃げたであろう城門の外に出ると……。
す、すげ〜〜〜!!! 長い土管を抜けたらそこはマリオワールド。ほとんど『雪国』の書き出しです。単にキャラの像が立っているだけではなく、クリボーやらパックンフラワーやらドッスンやら果てはブロックの上のコインまで、すぐ目の前の近いキャラも建物の上の遠いオブジェクトも全部グニグニクルクルと常時動いており、ゲームで散々見たあいつらが目の前に「存在している」状態。この「えっ、"いる"じゃん……」という驚きは相当のもの。マジでピーチ城出たときのワクワク感だけでも元が取れます。
スーパー・ニンテンドー・ワールド最大の特徴が、このエリア内のオブジェクトに大量のギミックが隠されている点。どうやってそれで遊ぶかというと、まずエリアの入り口付近で販売されているパワーアップバンドを入手します。そしてUSJ公式アプリをスマートフォンにダウンロードし、アプリ内のメニューから「スーパー・ニンテンドー・ワールド」の項目をタップ、パワーアップバンドのQRコードを読み取ってアプリと連携させます。これで準備は完了。
で、周囲を見回すとちょうどいい位置にハテナブロックが。早速パワーアップバンドをつけた方の腕でブロックの底を叩いてみます。すると、あのコインが落ちる時の音が! そしてアプリを確認すると、なんかおれのコインの残高が増えてる! 大体仕組みが分かっていただけたかと思いますが、つまりパワーアップバンドをつけた状態でエリア内のブロックを叩いたりアクティビティをクリアすることで、そのデータがパワーアップバンドに送信され、連携したアプリで結果を確認できる、というのがスーパー・ニンテンドー・ワールドのキモなのです。
アプリではハテナボックスから落ちるコイン以外にも、特定の条件を満たすことでもらえるキャラクターの「スタンプ」、特定のアクティビティをクリアすることでもらえる「クッパJr.の城の鍵(全部で3つある)」のデータが蓄積されます。さらに集まったコインの数やアクティビティのクリア成績のランキングも、アプリ上でチェック可能。「今日のコイン獲得数」などいくつかのカテゴリーで、今自分がどのくらいの順位にいるのか確認できます。ちなみにおれがチェックした時には(本人かどうか分かりませんが)「ひかきん」というアカウントの存在も確認できました。マジかよ。勝ちたい、ヒカキンに……!
一応取材で来たものの、そこらじゅうにあるハテナボックスを叩いてまわりアクティビティがあればやってみる、という遊びに来たんだか仕事に来たんだか分からない状態に。アクティビティはエリア内にくまなくちりばめられており、さらに隠して配置されたイースターエッグ的なものもたくさん。アプリ内のマップを見ながらそれらを探していくだけでも、余裕で一日潰れます。マジで「そんなところに!?」というものもあれば、「技術の進歩ってスゲ〜! あとそれをここに使おうと思ったアイデアもスゲ〜!」と感心するものもあるんですが、そのへんはネタバレを避けるためここでは黙っておきます。絶対自分で行って探した方が面白いので。
とにかくエリア内には「全力で来場者をマリオにしてやる」という気力が充満しており、クリボーと戦ったりボムへいに爆破されたりしてるうちに汗ばむほどに。これはけっこう体力勝負、いや〜、マリオって大変なんだな……。そうこうするうちに、このエリアの大きなアトラクションである「マリオカート 〜クッパの挑戦状〜」に到着。こちらはマリオチームのカートに乗ってクッパチームとのレースに挑むアトラクションなんですが、ARゴーグルを装着するのが大きな特徴。どういうこと……と思いつつ、おれもカートに乗り込みました。
カートが走り出すと、ゴーグルにはマリオやルイージ、ピーチ姫やキノピオやクッパといったおなじみの面々が表示され、おれの乗ったカートを追い越すわ並走するわで大騒ぎ。この「マリオカート」ではタイミングよくハンドルを切る必要がある他、ハンドルに取り付けられたボタンを押すことで「こうら」を発射できます。
このこうら、照準はなんと目線と連動。顔を向けて目線を合わせた方向にこうらが飛んでいくので、ターゲットを正面に見てボタンを押せばこうらがバチバチ当たります。「うわ〜! マクロスに出てきた視線追従型ロックオンじゃ〜ん! ARゴーグルってすげ〜〜!」とか言ってバカバカこうらを撃ちまくってたら、すぐ残弾がゼロに。残弾の把握には気をつけましょう。本当に。
一通り遊びまわったので、さすがに空腹に。「キノピオカフェ」でフードメニューの試食もさせてもらえるということだったので、大喜びで食べに行きました。このカフェは"シェフキノピオ"が作った料理を食べさせてもらえるそうで、7種類のメニューがお目見え。おれがいただいたのは「マリオ・バーガー ベーコン&チーズ」だったんですが、味はもちろんのことボリュームもしっかりあって満足。「肉食ってるな!」という充実感がある、大変よろしいハンバーガーでございました。
ちなみにエリア内には各種グッズを販売しているショップ「ワンナップ・ファクトリー」も設置されており、お土産などはここで完璧にそろいます。ここはキノピオが作った工場であり、名前の通りインテリアは全体的に工場風。お菓子類からアパレルまで、とにかく大量にグッズがそろうので目移りします。
ということで、実際に行ってきた結果としてまず言いたいのは、「単に遊園地の遊具をマリオのキャラをモチーフにしただけ」ではないぞということです。とにかくマリオの世界にゲストを没頭させるにはどうしたらいいかが考え抜かれており、探索と実績解除とアトラクションとアプリが相当うまくかみ合っておりました。なんせ仕事で来たのにコインが集めたくなり、「順路とかいいから、この場所を探索させてくれ〜」という気持ちになったのは、見事にその術中にはまった結果と言えましょう。
さらにすごいのは、パワーアップバンドとアプリのスコアはスーパー・ニンテンドー・ワールドに行って遊んだ分だけ蓄積されるという点。正直マリオカートのアトラクションなどは初見ではけっこう難しく、どのタイミングでどんな敵にこうらを打ち込むかを覚えておく必要がありそう。そうやってなんどもプレイするたびにスコアがあがり、それがアプリのランキングに反映されます。さらにスタンプには「何度か通わないと出現しないもの」「特定のタイミングでエリアを訪れないと出現しないもの」が存在するので、フルコンプするには複数回の来園が必要。何度もプレイし、実績を解除してスコアを上げることを目指す……。USJはテーマパークですが、この構造はゲームそのものの作りを強く意識しています。
また、各部のデザイン面においても相当神経が使われており、テーマパークによくあるアラや興ざめする要素が極端に少ないのもすさまじい。エリアに入るまでの演出から、各部に配置されたクリボーやヨッシーの立体としての整合性、土管や地面の色合いに至るまで、一貫したディレクションの存在を強く感じます。マリオシリーズの生みの親である宮本茂氏が実際に監修しているあたりからも相当ガチなのは分かると思いますが、実際目にするとマジで周囲がマリオワールドなので度肝抜かれました。いやはや、すごい。
なんせ現在は春休み真っ只中ということもあり、おれが行った17日もけっこうな混み方だったわけですが、現在USJでは入場制限をかけつつ開場中。待望の新エリアだけにしばらくは入場するのも大変ということになりそうですが、コロナには気をつけつつ是非とも足を運んでほしいと思っております。とにかく現実とゲームが入り交じる感覚は唯一無二、ここでしかできない体験が味わえますよ!
画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
(C)Nintendo
トコトコマリオ TM & Universal Studios. (C)2020 Nintendo
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