大船駅「早春だより」(1100円)〜春の兆し……「時代が動く」横須賀線(1/12 ページ)
毎日1品、全国各地の名物駅弁を紹介! きょうは大船駅「早春だより」(1100円)です。






【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2021年2月19日)
冬から春への移り変わり……、最初に気がつくのは「日脚が伸びる」ことでしょうか。
夕方5時過ぎ、この日の日の入りまで20分あまりとなったころ、横須賀線の新型車両が、外房線の上総一ノ宮を目指し、北鎌倉のまちを静かに走り抜けて行きました。
横須賀線・総武線の直通列車では、令和2(2020)年12月21日・冬至の日に新型のE235系電車が営業運転を開始、車両の世代交代が始まっています。
横須賀線のE235系電車同様、昨年(2020年)の12月から登場している「大船軒」定番の季節弁当は、「早春だより」(1100円)です。
桜色を基調とした春らしい華やかな掛け紙に弁当の中身を載せることで、「わかりやすさ」を求める、昨今のニーズに応えた格好です。
大船駅はもちろん、首都圏主要駅の駅弁売店でお目にかかることができます。
【おしながき】
- 鮭と青菜のご飯
- さわらの胡麻味噌がけ
- 蒲鉾
- 玉子焼き
- 炒り豆腐
- 豚肉とピーマンの胡椒炒め
- イカのトマト煮 カレー風味
- 鶏肉と大根と蒟蒻の煮物
- 香の物
- 抹茶わらび餅
鮭ごはんに桜でんぶも載って春らしさを演出したいただきやすいご飯に始まり、魚ヘンに春と書く「鰆(さわら)」に蒲鉾、玉子焼きの“三種の神器”が入った基本に忠実な幕の内。
大根の煮物は、出汁がしっかりしみ込んでいて安心感を楽しめる一方、イカのトマト煮を食欲そそるカレー風味で仕上げているのは、心地よい変化球といったところ。
さまざまなものごとが動き出す春を感じさせ、気持ち高まる季節駅弁となっています。
これまで横須賀線の主力として活躍してきたE217系電車は、平成6(1994)年12月の登場以来、早いもので四半世紀あまりが経ちました。
後継のE235系電車では、普通車のボックスシートが姿を消した一方、グリーン車は一層快適になっており、駅弁旅の“ハレの日”感はより楽しむことができそう。
いずれにしても、新型車両のデビューと共に、時代の歯車が回り始めた横須賀線です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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