見事にそれっぽい! 架空のクラシック曲でバロックから近現代までの音楽史を2分20秒で振り返る動画(1/2 ページ)

バッハ、モーツァルト、ショパン、ドビュッシー、シェーンベルクを一気聞き。

» 2021年06月03日 20時30分 公開
[高橋ホイコねとらぼ]

 西洋音楽史をざっと知ることができる架空のクラシック曲が話題です。バロックから近現代までが、わずか2分20秒に凝縮されています。

 投稿したのは、音大生の藤重 侑宇さん(@yuu09200920)。バロック、古典派、ロマン派、印象主義、近現代の各時代を代表する曲に似せた自作作品をつなげました。元の作曲家を知っている人なら、「○○っぽい」とすぐにわかるほど特徴をよく捉えています。また、似せるための音楽理論も解説してくれています。

バロック音楽(1600年〜1750年頃)

 バッハ(1685〜1750年)の「2声のインヴェンション」をイメージしたオリジナル曲で、バロック音楽の特徴を12秒で説明します。対位法を中心とした、分厚い教科書に書いてありそうな内容をさらっと理解させてくれます。バロック時代らしくチェンバロの音色での演奏です。

架空のクラシック音楽で音楽史を振り返る・バロック バロック時代はバッハで

古典派音楽(1730年〜1820年頃)

 モーツァルト(1756〜1791年)のピアノソナタ風の作品で、古典派音楽を23秒で説明します。トニック、サブドミナント、ドミナントといった機能和声法による音楽がこの時代の特徴。モーツァルトが多用したドイツの増六から属和音への進行などが盛り込まれています。ラストは「お辞儀コード」で元気よくフィニッシュ!

架空のクラシック音楽で音楽史を振り返る・古典 お辞儀コードでフィニッシュします

ロマン派音楽(1820年〜1900年頃)

 市民革命を経て西洋音楽はロマン派の時代に入ります。ショパン(1810〜1849年)の「ノクターン」風の曲で、この時代を31秒で説明します。旋律はより叙情的になります。特にショパンが好んだという半音階的な旋律がくると「ああ、これぞショパン!」と身もだえてしまいます。

架空のクラシック音楽で音楽史を振り返る・ロマン ショパンっぽい叙情的な旋律がすてきです

印象主義音楽(1890年〜1930年頃)

 ドビュッシー(1862〜1918年)に少々ラヴェル(1875〜1937年)の味付けを加えた自作曲で、印象主義の特徴を54秒で紹介します。全音音階、五音音階、教会旋法、オルタードテンションといった数々の技術が使われています。ドビュッシー「喜びの島」にも似た一曲です。

架空のクラシック音楽で音楽史を振り返る・印象主義 ドビュッシーのような技巧が凝らされています

近現代音楽(1900年〜)

 シェーンベルク(1874〜1951年)の12音技法を使って、近現代のクラシック音楽を20秒で解説します。ラストは腕全体を使って“ジャーン”。トーン・クラスターでフィニッシュします。まさに近現代です。

架空のクラシック音楽で音楽史を振り返る・近現代 トーン・クラスターでフィニッシュ!


 作曲を勉強している人がどんなふうに音楽を分析しているのかがよくわかる動画です。それに加えて、西洋音楽史を代表する曲のよさがちゃんと伝わってきます。クラシック音楽にそれほど詳しくない人でも十分楽しめるでしょう。

動画提供:藤重 侑宇(@yuu09200920)さん

高橋ホイコ

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」