【漫画】花束を作ってくれたのは一体……? 少年の遭遇した「花屋さんの怪異」が紡ぐ、心温まると同時に切ない結末(1/2 ページ)
店に居着いた怪異なのか、花が生み出した怪異なのか。
花屋さんで花束を頼んだ経験はお持ちでしょうか。店員さんに相手の性別やイメージなどを伝えると、驚くほどにぴったりでステキなものができあがってきます。ひとつだけでもきれいなお花。それがたくさん集まり、匠の技で整えられた花束は、まさに「錦上に花を添える」とでも言うべきでしょう。
今回ご紹介する作品は、このように花屋さんで「大切な人へ贈る花束」を依頼する少年のお話なのですが……。そこで起きる奇妙な出来事と、温かくも切ない結末をお楽しみください。
作者は漫画家のマツダ ミノル(@MATUDAMINORU)さん。マンガアプリ「GANMA!」にて、恋愛怪奇譚を描いた作品『兄だったモノ』が連載中です。
お花屋さんを訪れた少年。彼は緊張しながら「母に贈る花束を作ってもらいたい」と、店主らしき女性に告げるのですが……彼の口から「花束」という言葉が出た途端、店内はにわかに騒がしくなります。
一体どこにいたのでしょう、個性的で美しい女性たちが次々に顔を出してきました。そして彼女たちはにぎやかに意見を突き合わせ、ステキな花束を作り始めたのです。
一方で少年はなぜか落ち着かない様子。それを見た店主らしき女性は、何もかも理解しているかのように優しく声をかけます。「大丈夫、お母様がきっと喜ぶ花束ができますよ」と。
しばらくして完成した花束は、少年が声をあげ感動するほどの出来栄えでした。花束から目を上げ、お礼を言おうとした少年でしたが……そこには誰もいなかったのです。
静まり返った店内へ、本当の店主である男性がやってきました。少年の話を聞いた店主は「彼女たちに会ったのかい。それは運がいい」と驚くそぶりさえ見せず……ただ花束を渡しに行くよう促します。
それを受けた少年は、少しだけ驚いた表情を見せた後……静かに語りました。「彼女たち」から受け取った、華やかな素晴らしい花束。それは亡くなった母の墓前へ手向ける、母の誕生日を祝うためのものなのだと。
結局「彼女たち」は一体なんだったのか、最後まで分からずじまいですが……。何はともあれ「彼女たち」のおかげで、少年は母の誕生日に「幸運な、最高の花束」を手に入れたのでした。
作品提供:マツダ ミノル(@MATUDAMINORU)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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