学校の新型コロナ対策はなぜ進まないのか 現役中学教員に聞く「今なおオンライン授業ができない学校がある理由」(2/2 ページ)

» 2021年09月13日 18時00分 公開
[ねとらぼ]
前のページへ 1|2       

全国の公立校にオンライン授業を導入させる“たった1つの方法”

 全国の公立校にオンライン授業を導入させる方法があるとしたら、たぶん1つだけ。政治家や文科省、要するに“上”が「導入しましょう」とハッキリ言うことだと思う。

―― 逆に言うと、それってまだできていないことなんでしょ。どうしてだと思う?

 ニュースを見ているとすごく感じるんだけどさ、コロナ対策ってゆるめると「ちゃんと対策しろ」、キツくすると「どうしてこんなに我慢しなきゃいけないんだ」と批判の声が上がるでしょ。

 どちらもまっとうな意見なんだろうけど、“正しさ同士の板挟み”みたいな状態に陥っていると思う。何をやっても、必ず誰かに「それは間違いだ」と文句を言われてしまう、というか。

 それで、“上”の人たちは責任を取りたくないのか知らないけど、自分たちで方針を決めたがらない。どうとでも取れるような答えを出すばかりで、具体的にどうするかは“下”、つまりは市町村や各学校に任せてしまう。

 “下”は“下”で世間の批判を浴びたくないから、いざというとき「私たちはちゃんと対策してました」と言える程度に、行き当たりばったりに対応する。その結果の1つが「うちの中学はオンライン授業やってないけど、なぜか隣の市の学校ではやっている」みたいな、バラバラの状況なんだと思う。

本当に「生徒のために」と思っているのか

 学校のコロナ対策で全国的に足並みがそろったのは、たぶん1度きり。2020年2月末に、安倍首相が一斉休校要請を出したときだけだ。

 あのときみたいに“上”がズバッとね。「こうすることを検討してください」と判断を“下”任せにするのではなく、「ここはこうしましょう」と言わないとダメなんだと思う。

 ただ、当時のことを思い出すと安倍首相はめちゃくちゃ批判を受けていたから、責任が伴う役目なのかもしれないけど。

―― 「この一斉休校ついでに、日本も9月入学制に切り替えるのはどうだろう?」と大真面目に議論されていたくらい、影響が大きい出来事だったからねえ……。オンライン授業の場合は、どうなんだろう。

 オンライン授業を歓迎できない人がいるのは、教員の中だけではないからなあ。

 親の中にも「昼間、子どもが家にいるのは困るから、学校に行ってほしい」「食事を作るのが大変だから、給食を食べてきてほしい」という人がいるんだよね。

 とにもかくにも、こういう問題について考えていると「学校教育の世界ではよく『生徒のために』『生徒ファースト』と言われるけど、実際には大人の都合を優先させて生徒を後回しにしていないか?」という疑問が湧いてしまうときがあるよ。

(続く)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」