「必ず呪い殺す」命を絶った少女がいじめっ子に残した言葉 呪いにおびえ許しを請う漫画に背筋が凍る(1/3 ページ)
呪いよりも怖いのは人間。
死体の一部にお湯をかけると、死者が3分間だけよみがえる――そんな不思議な力を持つ男が巻き起こすドラマを描く漫画『インスタントライフ』(作:江戸川治)の3巻(完結巻)が発売されました。本記事では発売に合わせて、収録エピソードの中でも特に反響を呼んだエピソード「いじめ」を紹介します。
死者を復活させる不思議な力を持つ闇市。彼と助手の女子高生・石橋の元には、死者をよみがえらせたいというさまざまな依頼人が訪れます。死者との再会で救われることもあれば、破滅に至ることもあり……。
「いじめ」で闇市のもとを訪れるのは、3人の女子生徒。彼女たちは仲間の君島と4人で、クラスメイトの青野をいじめて自殺に追い込んでいました。青野は「命と引き換えに復讐する」「私をいじめていた4人を必ず呪い殺す」と言い残し、彼女たちの前で命を絶ちます。
その最期の言葉すら笑い飛ばしていた君島とは逆に、3人は呪いにおびえて闇市を訪れます。青野をよみがえらせて、呪い殺さないでほしいと頼むために。
青野をいじめていたのは君島に脅されていたから。やりたくていじめていたのではない――3人はそう言いつのって許しを請います。そして彼女たちが許してもらうための“プレゼント”として用意したのは、君島を標的にしたいじめだったのです。
君島を自殺寸前まで追い込んでやるから、私たちのことは見逃してほしい。そう頼み込む3人に、青野は――。
「人を殺すのは呪いなんかじゃない。もっと怖いのは人間」と、青野の呪いを歯牙にもかけなかった君島。その言葉通り、保身のためにどんなことでもする人間の恐ろしさにゾワリとするエピソードです。
3巻では他にも、子どもを亡くした夫婦や、事故で亡くなった幼なじみに生前にした「ひどいこと」を謝りたい男の子などが登場。闇市と石橋の昔のエピソードも収録されています。
(C)江戸川治/新潮社
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