普段まったくVTuberを見なかった私が、話題の“サロメ様”がきっかけで今さらVTuberにハマった話:モバクソ畑でつかまえて(1/2 ページ)
スマホゲー連載だったはずでは……?
VTuberがブームではなく1つのジャンルになって久しい昨今ですが、実際VTuberの配信を定期的に見ている、という人はどれくらいいるのでしょうか。
私はブーム端緒のVTuberに少し触れて以来、全くご縁のない人生を歩んでいました。もちろんスマホゲーをプレイしている以上、コラボイベントでVTuberが登場することはあるのですが、個別認識はしていませんでした。具体的にはホロライブとにじさんじの区別もつかないようなお粗末さ。そんな私が今では毎日VTuberの配信を楽しみにしています。その原因は、今話題のあの人、壱百満天原サロメ(@1000000lome)さんです。
以下「サロメ嬢」と記載いたしますが、今回は番外編ということで、私がなぜサロメ嬢の配信を毎日熱心に視聴するに至ったか、について語らせて頂きたいと思います。スマホゲー全然関係ないじゃん! と言わずお読みいただければ幸いです。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
「自己紹介動画で胃カメラ画像を配信」の衝撃
最初にサロメ嬢の存在を意識したのは、Twitterのタイムラインからでした。いろいろな話題を総合してみると、インターネットミーム的なお嬢様言葉を使いながらバイオハザード7(以降バイオ7)のプレイを配信している新人VTuberがいると。それだけなら「なんだ、また新しいVTuberか」と興味なしの分類になるのですが、普段VTuberの話をしていない人たちから話題が流れて来ていたため、ちょっと気になってはいました。
その時点ではまだそこまで興味はなかったのですが、偶然そのVTuberが配信しているURLが流れてきたので見てみることにしました。そのときはバイオハザード7ではなくEuro Truck Simulator 2(以下、ETS2)をプレイされていたのですが、まあお世辞にもうまいとはいえない運転でワーワー騒ぎながら配信しているわけです。右側走行のところを左側走行で走り、ハンドルの切り返しもうまくいかずトラックがひっくり返る。ただ、そんな配信がメチャメチャ楽しく思え、ゲラゲラ笑いながら見ていました。
そこで興味を引かれたので、他の動画も見てみることにしました。ETS2配信の際「皆さまと仲良くなるためと称して自己紹介動画で胃カメラの画像を配信した」という話を聞き、何を言っているのか分からなかったため自己紹介動画を見てみたのですが、「体内を見せることが自分を分かってもらうのに一番だと思った」といいながら本当に胃カメラの画像を配信していて「自分はVTuberに詳しくないのだがこれは普通のことなのだろうか?」と考え込んでしまいました。
そのあたりではまだ「変な人だな」ぐらいの認識だったのですが、バイオ7の動画を見るに至って「いいね!」という方向にすっかり評価が変わりました。
「バイオ7」プレイに上質のスクリーミング・クイーンを見た
実は私、スクリーミング・クイーンが大好きで。スクリーミング・クイーンと言うのはホラー映画で悲鳴をあげるのがうまい女優を指す俗称(Wikipedia)です。「サイコ」において風呂場で殺されるジャネット・リー、「ハロウィン」で殺人鬼に付け狙われるヒロインを演じたジェイミー・リー・カーティスあたりが有名どころでしょうか。個人的には「ラストサマー」に出てくるヒロインのジェニファー・ラブ・ヒューイットが逃げ惑いながら悲鳴を上げる姿が大変素晴らしく……っとこれ以上話していると別の話題になるのでここまでにしておきますが、とにかくサロメ嬢のバイオ7プレイに上質のスクリーミング・クイーンを見てしまったのです。
こちらも決してうまいとはいえないプレイで右往左往しながらバイオ7の世界へ突入していく姿。ご存じの方ならお分かりかと思いますが、バイオ7は割とグロテスクなゲームです。そんな中でキャーキャーとかわいい声で悲鳴を上げ、もうやだもうやだと小声でつぶやきながら逃げ惑い、恐怖が頂点に達すると逆ギレして敵へ突撃する。そんなホラー映画のヒロインみたいな姿を見せられ、すっかり夢中になってしまいました。そう、ホラー映画のヒロインは悲鳴を上げて逃げ惑うだけではなく、逆ギレして脅威に立ち向かう姿もまた重要なのです。
これだけ書くと私がなんだか特殊性癖の持ち主に見えてきてしまいそうなのでもっとまっとうなお気に入りの理由を語ってみますと、「配信の間キャラを保ち続けている」というのが最大のポイントでした。最近はそうでもないようなのですが、私が初期のVTuberに抱いていた「なんかアニメキャラみたいな存在がフリートークしている」というイメージに合致する存在のように感じます。
崩れたお嬢様言葉と豊富な語彙(ごい)で、配信の間ずっと喋りっぱなし。「おハーブですわ〜!」に代表される名言もさることながら、合間合間に挟まる個人トークやアクシデントも「お嬢様になりたい一般人」という設定の味付けになっています。敵に襲われて弾切れの状況で逃げ惑う中、冷凍庫を開けっ放しにしていて冷凍食品が台無しに、という生々しい話もまたお笑いの要素に取り込めてしまうのです。
それを可能にしてしまう理由の1つが、滑舌の良さと声質の良さ。独特の声質はアニメ的な外見のキャラクターから出てくるのにふさわしく、普段のトークでも違和感を全く感じさせません。また、配信が1時間で終わるというのは他にやることがあったり時間制限があったりする身としては大変ありがたいものです。また、汚い言葉やネガティブな状況をお嬢様言葉にすることで緩和しているだけでなく、いろいろと注意を払って喋っているのが言葉の端々から伝わってきます。このあたりの理由が「VTuberを普段見なかった人が見ている」理由につながるのではないでしょうか。
VTuberの配信を見るようになって変わったこと
VTuberに興味が湧いたよい機会なので、知人に「他にこんな人はいないのか」と聞いてみたところ「こんなんそうそうおらん」という回答とともに、別のVTuberがいろいろ出てくる番組を教えてもらいました。それが「にじさんじのB級バラエティ(仮)」と「にじさんじローションカーリング選手権」でした。
それらを見てみたのですが、別の意味で驚きがありました。土曜の昼間にやっているバラエティ番組やTVの深夜番組とほとんど変化がありません。そういうものが演者を変えることで受け入れられていることに、アイドルマスターシンデレラガールズ(以降、デレマス)がオタクの間で急速にはやった時期を思い出しました。デレマスが流行するまでは、モバゲー・GREEのいわゆるソシャゲは「もしもしゲー」などとやゆする人もいたレベルでゲーマーからは遠い存在でした。それにオタク向けの味付けをすることであそこまでオタクに膾炙(かいしゃ)する作品になったのです。そんな歴史がYouTuberの登場からVTuberの登場への間にあったのではないか? と考えてしまいました。
最後になんとかソシャゲの話に戻ってきたところで、今後もしばらくサロメ嬢の配信を追いかけつつ、他にも面白い配信者がいないかをゆるゆると探してみたいと思います。別のVTuberの方でオススメなどございましたらご紹介いただければ幸いです。VTuberの配信を見るようになって、新しいコンテンツを見つけた、というだけではなく新しい視点を手に入れたような新鮮な感動を覚えています。そうか、こんな風にして皆配信を楽しみにしていたのか、ゲームをプレイするだけの配信をなぜみんなが見ているのか、そんなことが理解できる。その気付きはすごく新鮮な体験になっています。
なお自分にも新鮮ですがTwitterで私をフォローしている方にもこんな私は相当新鮮であるらしく「サロメ嬢の配信を見ているのはなにか理由があって仕方なくかと思ったら自発的に見てると分かって混乱している」とか「あの人が別のVをチェックしていると違う世界線に迷い込んだのかと思う」などと散々な言われようです。私もできればもう少しこのコーナーに即した話題でサロメ嬢を取り上げられればと思いますので、スマホゲーとのコラボやプレイ動画なども取り上げていただければ幸いです。冥土の旅の一里塚にお嬢様の一言を添えてほしい、とまでは申しませんので。
(ここから提出後に追記)そうこうしているうちにチャンネル登録者数が100万人を越え、名前通りの壱百満天を達成したと思ったらその記念配信中に110万を突破していました。100満記念配信の最後に出てきたメッセージから伝わる人柄に、あらためて今後も末永く頑張っていただきたいと思いました。
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