男女同じデザインの“ジェンダーレスなスクール水着”はこうして生まれた 開発のきっかけや泳ぎやすさ、開発元に聞いてみた(1/3 ページ)

着用して泳いだ先生からは「全く問題はない」。

» 2022年06月10日 10時25分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

 水泳用品などを手掛けるフットマークが発表した、男女でデザインが同じジェンダーレスな学校用水着「男女共用セパレーツ水着」に注目が集まっています(関連記事)。体形や肌の露出を避けたい子どもも水泳の授業が受けやすくなると歓迎する声の一方で、「泳ぎにくいのでは」と懸念する声も見られています。

男女共用セパレーツ水着 「男女共用セパレーツ水着」税込小売希望価格6380円〜6820円。カラーはコンのみ、120cmから4Lまでの10サイズ展開

 さまざまな反響があった同製品について、開発のきっかけや実際に着用した人の反応などをフットマークに聞いてみました。

「トランスジェンダーの生徒が着られる水着はないか」と問い合わせ

 フットマークは開発の背景として、性別問わず制服のスカート、ズボンが選べるという点では学校現場の「ジェンダーレス化」が進みつつある一方で(関連記事)、スクール水着では男女別のデザインが根強かったという現状を述べています。その上で、より直接的なきっかけもあったと語ります。

男女共用セパレーツ水着 男女ともに露出が軽減されているデザインに変化していた。男女兼用の「シャインガード」はもともとは紫外線対策が目的だったが、露出を軽減するために着用する生徒も

 「2、3年前から『トランスジェンダーの生徒がいて、その生徒が着用できる水着はないか』という問合せが、学校水着を扱う販売店から年に3、4件ありました」(フットマーク)

 当時は長袖シャツ型のウェア「シャインガード」を水着と組み合わせて肌の露出を減らせる方法を紹介することで対応していたそうですが、同時にこんな思いもあったと言います。

男女共用セパレーツ水着 シャインガード(サックス・ブルー・コンの3色展開で写真はコン)(商品ページより)

 「学校や先生からジェンダーレスに配慮した学校の対応などを聞くたびに、専用の水着を発売したら、口には出せないけど『どんな水着を着たらよいか分からない』『周りの目線を気にして困っている』という生徒も、プールの授業を楽しみに参加してくれるんじゃないかという思いはありました」(フットマーク)

 販売店からの要望に加えて、以前に実施した中学生との共同企画(関連記事)も「ジェンダーレス水着」の開発につながったようです。

 「現役中学生と水着の共同企画を行った際、男子生徒たちが考案したのは上半身が長袖で、パンツは足首まで覆ったフルレングスタイプでした。男子も肌や体を見せることに抵抗があるのだと気づき、そういった声にはアンテナを張っていました」(フットマーク)

男女共用セパレーツ水着 現役の中学生の意見を生かした水着。左から3番目:ideal水着男子ショート(小売り希望価格6480円)、左:ideal水着男子ロング(小売り希望価格7020円)。カラーはコンのみ

 フットマーク内でジェンダーレスな水着を作りたいという声が3年前から挙がるようになり、2021年8月から開発に着手。開発で苦労した点を尋ねると、意外な答えが返ってきました。

 「構想自体は発売の3年前からありましたので、形にするのはスムーズでした」(フットマーク)

 水着のパターン(型)は通常の水着をもとに、1枚で着ても体の線が出にくく、かつ泳ぎを妨げないよう適度にフィットする形をベテランのパタンナーに依頼。胸パッドを入れるポケットの裏地を黒くして目立たなくするなど細かな部分に配慮し、男女どちらが着ても違和感なく、必要な仕様が備わっているよう仕上げたとのことです。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/29/news100.jpg 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
  2. /nl/articles/2412/29/news101.jpg チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
  3. /nl/articles/2412/30/news070.jpg 大谷翔平の妻・真美子さん妊娠→現役時代に語っていた「将来の夢」に感動の声 「なんか泣けてくる」
  4. /nl/articles/2412/29/news005.jpg 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
  5. /nl/articles/2412/29/news075.jpg 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
  6. /nl/articles/2412/30/news071.jpg 子どもがお店で“高額おもちゃ”を欲しがる→通りすがりの“五輪選手がまさかの理由”でプレゼント 「すごすぎる話」「今年一番感動」
  7. /nl/articles/2412/29/news098.jpg 大谷翔平と妻・真美子さん“家族ショット”に210万いいね 「素敵な1枚」「幸せな家族写真!」【“大谷家”の新たな一歩】
  8. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  9. /nl/articles/2412/30/news039.jpg ヤクルトが“投げ売り状態”かと思ったら…… 「大勘違い」引き起こしかねない光景に「さすがに飲めない」
  10. /nl/articles/2412/29/news013.jpg 毛糸で“お花をぷくぷく”編んでいくと…… 思わず笑顔になるアイテム完成に「なんて美しい」「母に編んであげよう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  3. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
  5. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  7. 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  8. 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
  9. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  10. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」