アラフィフ新人アイドル「GoziU」2期生加入インタビュー 小6が“おばさんになった”と嘆く時代に「楽しく年取っていけるんだぞって見てもらいたい」(1/2 ページ)
会いに行けるアイドルではなく、会いに行くアイドル。
メンバー全員がアラフィフという異色のアイドル「GoziU(ゴジユウ)」。賛否両論を巻き起こしたネットでのブレイクから2カ月、オーディションを経て2期メンバーが加入し、8人の新体制で新たな挑戦へ突き進もうとしています。
もともとはClubhouseを通じて出会った赤の他人同士で、職業や家庭の状況もバラバラ。「NiziUってあるじゃないですか。じゃあGoziUってどうですか」と内輪の駄じゃれをきっかけにグループを結成すると3月初旬にネットでニュースとなり、その勢いのままシングルリリースを目指した目標金額300万円のクラウドファンディングを達成。このとき得た資金を元手にミュージックビデオを制作/公開し、紅白歌合戦の出場を目標に掲げたアイドルとしてのキャリアを順調に積み上げています。
加入が決まったマッキーさん、ララさん、カオリンさんは、50人が応募したオーディションを勝ち抜いた新メンバー。お互い顔を合わせるのは取材があったこの日が初めて。初期メンバーのぴろりんさん、Kyokoさん、Miyukiさんを加えた6人に、オーディションから今後の活動、「国民的アイドル」を目指すという目標を実現するための取り組みまで聞きました。
19歳で出産し一度は諦めた歌手の道へ 派手髪の控えめアイドル
カラーヘアがひときわ目を引くマッキーさん。見た目のインパクトとは裏腹に「ものすごいあがり症で」と言葉に詰まって慌てる場面もしばしば。客席から「頑張れ!」とエールの飛ぶ様が想像できる、アイドルらしい隙が印象的です。
―― オーディションに応募したきっかけは?
マッキー ずっと歌手になりたくて、中学生のころにはオーディションを受けたこともあるんです。歌が好きでまだ8トラカラオケ※の時代から通っていました。大人になる前に歌手デビューしたかったけれど、19歳のときに出産してから諦めてしまって。
GoziUを知ったのは仕事の休憩時間に「疲れた〜」と見たネットニュースがきっかけでした。「あ、すごい。アラフィフアイドル。そんなのできるんだな」と。
その後ほどなくして2期メンバーの募集も知りましたが、すごく悩みました。悩んで悩んで締め切りギリギリで「よし、行こう!」と決心して応募ボタンをタップしました。
※8トラカラオケ …… 8トラックカセットテープを使ったカラオケ。画面への接続はなく、歌詞も出ないものながら1970年代はこれが主流だったそう
―― 合格を知った瞬間の感想は?
マッキー 毎日仕事に行っているので、まだ本当に実感がわかなくて。毎日車で通勤中に新曲をずっと流して練習しています。今はまだ聞いて、仕事へ行って、聞いて、仕事へ行っての繰り返し。本当にまだ実感が……ハイ、うれしいです。
「このまま死んじゃっていいのかな」 大病から復活して歩み出すアイドル人生
現時点のGoziU唯一の専業主婦であるララさん。身長も3人の中では一番低くかわいらしいほんわかとした印象ながら、大病の経験からか意思の強い瞳を持っていて、大病や障がいを乗り越えてきた深い言葉を聞かせてくれました。
―― オーディションに応募したきっかけは?
ララ アイドルになりたい願望が昔からあったわけではないです。でも現状やりたいことや欲がほとんどなかった。20代で大病を経験して、完治したんですけど下半身に障がいが残り10年ほど歩行が難しい時期がありました。徐々にリハビリで回復してきていまの生活も十分幸せですし、何不自由なく暮らしているからこのままでいいやって。
ただ子どもがだんだんと大きくなってきて自分の時間が増えてくると「このまま死んじゃっていいのかな」ってふと思った。病気になったときに「明日死ぬかもしれない」って封印してきた気持ちがよみがえってしまった。実は当時同じ病棟で一緒に戦った仲間に歌手の松原みきさんがいて。たまたま彼女のデビュー曲をインドネシアのYouTuberがカバーして再ヒットにつながったというニュースを見たんです。テレビを通して「あなたももっっと頑張りなよ」ってメッセージをもらった気がした。
「じゃあ私に何ができるんだろう」と考えたときにGoziUを知り、輝いているアラフィフ世代を見て「私も何かやってみよう、自分はそういう性格じゃないけれどチャレンジしてみよう」という気持ちが急にふっと湧いてきました。
―― ご家族の反応は?
ララ 書類審査に出す写真を息子に撮ってもらったんです。「写真撮りたいんだけど」ってお願いしたときに、息子は自分の写真を何かのオーディションに応募されると思ったみたいで。「え、違うよ、ママだよ」と。そのときはぽかーんとしていましたけど。
主人は在宅勤務が多く隠し切れないので最終審査前日に話しました。最初は目が点みたいな。「何をしているんだろう?」って感じでしたね。それでYouTubeでミュージックビデオを見てもらったら「あああ……」と(笑)。自分の嫁がそんなものを目指しているのかと違和感はあったようですが、オーディションの当日には「自分のやりたいことが見つかったなら頑張ってきなさい」と送り出してくれました。
おニャン子解散から35年、ようやく受けられた念願のオーディション 「ここにいるだけで幸せです」
人一倍元気いっぱい、初めてのインタビューでも積極的に発言してくれたカオリンさん。ダンスが得意でオーディションではいきなり持参したポンポン両手にチアダンスを披露する度胸も持ち合わせています。「おニャン子クラブ」ブームのど真ん中世代で、念願かなってのアイドルデビューに全身から喜びがあふれていました。
―― オーディションに応募したきっかけは?
カオリン おニャン子クラブに憧れていて、高校に受かったらオーディションを受けようと思っていたのにその前に解散してしまって。そのままずっとアイドルが好きであっちゃん(元AKB48、前田敦子さん)の卒業コンサートにも行ったほど。でも自分がアイドルになろうという気持ちはありませんでした。
いま子どもたちが巣立って社会人になって、たまたま見たニュースの記事に「2期メンバー募集って書いてある〜!」「2期ってことは、オーディション受けたら入れるー!」と大騒ぎ。オーディション対策にものすごいエネルギーをつぎ込みました。まるで受験勉強みたい。突然すごいエネルギーがわいてきて「これは私、受けに行かなければいけない」と。
オーディションの日も実は仕事が入っていたんです。全力で代打を探して店長に頼み込んでお休みをいただきました。今は本当に「ここにいるだけで幸せです」って気持ちです。
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