人生29年でいまさらエヴァ旧劇場版を見たら1時間ベッドで呆けた話 「こうする以外に、道はなかったのだろうか……」(3/3 ページ)
希望はあった?
なんと書いたらいいのだろう。おそらく、これを当時劇場で見ていたら、見終わった後座席からしばらく立てなかったでしょう。家で部屋を真っ暗にして見ていた自分ですら立てなかったのだから。しかも、当時の人々はTVアニメから1年以上経って見せられたのがこの劇場版なんですからね。
個人の感覚ですが、大河ドラマの主人公が1話で生まれてから50話くらいで死ぬまでを一気に見たような、言葉では書き記し尽くせない虚脱感と切なさがありました。
ハッピーエンドの作品だけが良い作品ではない。バッドエンドだからこそ伝えられるメッセージもある(そもそも人生をハッピーエンドで終えられる人間が、この地球上にどれだけいるのだろうか)。そういう意味で、この作品が伝えたいメッセージは伝わってきました。
誰かに自分を理解してもらいたい、愛してもらいたい、助けてほしい――――。心の底からそれを渇望している一方、では自分は誰かにそうしているのか。頭の中にその言葉が繰り返し響くだけで、そこから先にたどり着けない心の中のぐちゃぐちゃ。それなら、みんな1つになった方が楽じゃないだろうか―――。しかし、最後、主人公は1つになることから離れ、別々でも対話をする道を選んだんです。自己の世界に閉じこもることなく、他人と関わる現実の人生を。
しかも、綾波の台詞によると、自らの心で自分自身をイメージできれば、みんなヒトの形を取り戻せるといいます。そういう意味で、これからの世界への希望をかすかに見ました。
こうする以外に道はなかったのだろうか……。
しかし、自分を納得させようとする理屈を飛び越えて出てきてしまったのは、
こうする以外に、道はなかったのだろうか……。
という心情でした。
子どもであるシンジくんをエヴァに乗せ続けてきた大人のリツコさんとゲンドウ、ミサトさんは、心の救済がほとんどないまま死んでしまいました。
大人が現実を押し付け、子どもの願いや思いを踏みつけるような行為は大嫌いだし、そんな大人は子どもがぶっつぶしてほしいと思いますが、それでも、こんな幕切れを迎えたことに心がもやもや。
しかも、シンジくんはあれだけ「父親と向き合いなさい」と言われ続けてきたにも関わらず、息子と父親が正面切って向かい合うことはなく、2人の関係は平行線、いやむしろねじれの位置にあったようなまま。親子だからといって向き合わなきゃいけない訳では全くないし、現実の世界では向き合いたい時にもうその人はいないなんてざらだと思いますが、ユイを喪失した2人のこれまでの関係を思うと、あのまま終わってしまったのはとてもさみしかったです。
見終わった後は、何とも言えない気持ちに包まれ、これで良かったのか、そうじゃないのか消化できないまま1時間以上ベッドの上で呆けていました。
終わりに
旧劇場版を見終えてトラウマが植え付けられてしまった僕ですが、救われるのは(救われる……?)、エヴァには新劇場版があるということ。とここまで書いて前回の記事でも「旧劇場版を見れば気持ちが整理されるだろう」と夢見ていたことを思い出し、そんなことはなかった現実に恐ろしくなっていますが。
ただ、新劇場版は当初映画館でやっていた時はTVアニメを映画化したものなのかと思っていましたが、どうやらそうでもないようで。今度こそ、この心のもやもやを晴らしてくれるようなエンディングを夢見て、新劇場版を心して見たいと思います。
では最後に一言。
「結局、魂のルフラン、どこで流れるんだぁああっっ!!!」(やっと聴けるかと思ったら結局流れなかった)
※後日、編集部の先輩に「魂のルフラン」が流れるという「シト新生」のブルーレイを借り、ようやく見られそうです。
新世紀エヴァンゲリオンTVアニメ 第壱話と第弐話
読まれている記事
関連記事
- 人生29年でいまさら「新世紀エヴァンゲリオン(TVアニメ版)」を見たらラスト2話で絶句した話 ……え?
何を見せられているんだ……。 - 超リアルな「エヴァ初号機」コスプレがシンクロ率無限大の格好良さ! パーツを組み合わせて作成し、ポーズも自由自在
これはかっこいい……! - エヴァ2号機のコスプレ姿がカッコイイ! ドイツ生まれのスーツに「スタイリッシュ」と称賛集まる
1年がかりで完成した独自のアレンジ作品。 - 「シン・エヴァ」1周年記念特番で庵野監督がファンの疑問に大量回答 「初号機に乗れと言われたら?」→庵野「乗りません」
そんな質問にも答えてくれるの!? - 「涙出るほど笑った」「思いついた人、天才」 「にんげんっていいな」だと思ったら「残酷な天使のテーゼ」だった動画に30万“いいね”
天才の所業。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
-
人気格闘家、アイドルと2ショット写真披露するも……表情落差がすごいアイドルにファンから励まし「仕方ない。そこでは勝てない。試合で勝とう」
-
森口博子、飛行機内でまさかのアクシデント 「気圧でこんな事に」……ビショビショになってしまった姿を見せる
-
そうはならんやろ “0円の画材”と“4万円の画材”、それぞれでジョーカーを描いてみた結果に驚き【海外】
-
大沢たかお、「キングダム」で20キロ増→近影に驚きの声「王綺将軍とのギャップ……」「随分体型が変化」
-
使用済みタオルはどこに置くのが正解? ホテル従業員に“神客”と喜ばれる「チェックアウト時の行動」はこれだ!
-
売上7億円超の人気漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴した訴訟が和解 同一原作の後発漫画が出版されトラブルに 出版社は謝罪
-
洗濯機から発生する“わかめ”を一発で撃退できる方法! 「早くやれば良かったと後悔」する掃除術が超簡単
-
「高くて買えないので作った」 “自作過ぎるPCパーツ”が脱力感あふれるアイデアで反響「超低コスト、超軽量!!」「消費電力0」
-
雑草だらけで荒れた庭を、素人夫妻がDIY→2年後…… 目を疑う変貌ぶりに「お見事としか言いようがない」「外国の映画に出てきそう」
- 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
- 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
- “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
- 「僕ですかこれ」 垢抜けたい男性が“劇的イメチェン”→その大変身に「すげええ!」「泣けたわ」と仰天
- 第5子妊娠中の宮崎麗香、子どもたちとの“奇跡の1枚”が撮影される ギャップ満載な“現実”ショットも話題に
- そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
- 天皇皇后両陛下の那須静養、愛子さまが天皇陛下のため蚊を手で払う場面も…… “仲むつまじいショット”が約240万再生
- 「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
- 合宿前の兄たち、0歳末っ子と離れたくなくて…… メロメロな“別れの光景”に「あーもうなんて尊い」「幸せ」430万再生突破
- 雑草だらけの庭が“たった1台の草刈り機”で…… “見事な変化”に7000万再生 「よくやった」「まさにプロ」
- 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
- 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
- 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
- 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
- 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
- ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
- 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
- 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」