人類には早すぎる? 謎の中毒性で人気、絵文字で不気味な世界を描く“絵文字漫画”の作者に聞くこだわり(1/2 ページ)

絵文字のポップさと話の不穏さのギャップがクセになる。

» 2022年07月02日 20時00分 公開
[Tomoねとらぼ]

 「人類には早すぎる」「謎の中毒性がある」――ポップな絵文字で不条理な物語を描き、Twitterで人気を博しているクリエイターがいます。その名は「教祖ちゃん」。独特の世界を絵文字漫画で人気を博し、およそ4万7000人をフォロワーを抱える「教祖ちゃん」(@godvsninja)さんにお話を聞きました。

人類には早すぎる?(「異常動物園」から)

 「教祖ちゃん」さんは2021年12月ごろから、絵の代わりに絵文字を使って描く絵文字漫画を投稿。2022年4月に投稿した「異常動物園」が9万件を超えるいいねを獲得して注目を集めました。

 異常動物園は、父親に連れられて異様な動物園を訪れた子どもの話。動物園は常軌を逸した姿の動物だらけ。父親に動物を見つめても声をかけてはいけない、と言われた子どもがたどり付いた場所には、「人間」という看板が立っていて……。

かわいい絵文字に不気味さを感じる不穏な世界観(「異常動物園」から)

 このほかにも、第2次性徴を通り越して子どもが“成長”してしまう「第N次性徴」、老人が「小宇宙」を名乗る謎の黒い球と出会う「アポロ」、カルガモが巨大化して人間を襲う「カルガモ親子の引越し」などがあり、数千から数万いいねを集めています。

子どもが人ではないものになっていく物語「第N次性徴」も9万をこえるいいねを集めた
「意外と感動した」という反応もあった「アポロ
カルガモのかわいさからは予想もつかない展開に読者がおののいた「カルガモ親子の引越し

 ホラー色が強いものから、深みのある物語まで作品はさまざま。狂気を感じる世界観や予想のつかない展開、絵文字のポップさとグロテスクな内容とのギャップ……クセになる人も少なくないようで、「何食ったらこんな発想なるんだ 」「絵文字だけでここまで面白くできるとはw」「人類が到達してない領域の漫画やめて」などのコメントが寄せられています。

 なぜ絵文字で漫画を作り始めたのか、発想はどこから来るのか、「教祖ちゃん」さんに聞きました。

―― 絵文字で漫画を描くアイデアはどこから着想を得たのでしょうか。

教祖ちゃん もともと(Twitterの「フリート」機能終了後もフリートを投稿し続けていた)@sth_saltyさんの作品を見て憧れて始めたのがきっかけで、@Xoma18さん、@tebasyabuさんのような、絵文字で異常な絵を作る、いわゆる異常フリートを作るのが創作のメインでした。ただ一枚絵では情報量に限界があるため複数枚に分けて作るようになり、気づいたらページ数が増えて漫画のようになっていました。

―― 独特の世界観ですが、お話はどのように考えていますか。

教祖ちゃん 基本的に勢いのまま作り、半分くらいまで作ったとこでラストを考えてます。iPhoneの絵文字の独特な雰囲気から話を考えることが多いです。

―― 絵文字で漫画を制作する上で苦労していることやこだわっていることは。

教祖ちゃん 毎回新しい演出や表現方法を練り込めないか試行錯誤してます。映画や漫画が好きなので画面の構図など参考にしていることが多いです。あとテーマも毎回少しずつ変えて、同じ絵文字を使用してても読後感が異なるようにしています

―― お気に入りの作品を教えてください。

教祖ちゃん アポロです。異常動物園がバズった直後だったので若干プレッシャーがありましたが、ちゃんと自分が面白いと思えるものができ、良い評価も頂いたので思い出深いです。

―― Twitterでの反響について、感想を聞かせてください。

教祖ちゃん 創作というより単なる自己満足ではありますが、そういったものに対してイイネをたくさんいただいてうれしい限りです。単純なのでそれがモチベーションとなり、創作意欲につながってます。

作品提供:教祖ちゃん(@godvsninja)さん

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